月刊誌も12月号になると、1年間のシリーズ企画物が終了します。
今年の「碁ワールド」で一番気になった読み物は、孔令文六段の「勝負の赤壁(レッドクリフ)~中国・囲碁事情~」でしょうか。
世界の囲碁界は中国・韓国の二強を日本・中華台北が追う構図となっていますが、やがては中国一強を予想する人も少なくありません。
国家という強力な後ろ盾もあり、「中国一強」も現実味を帯びている状況だと思います。
このシリーズでは中国棋士がどういう環境やプロセスで強くなったかを伝えていますが、「囲碁=スポーツ・勝負」という世界の流れに対して、日本の「囲碁=文化・芸」という意識の違いにも焦点を当てています。
今後の日本囲碁界の進むべき道について、孔令文六段は父・聶衛平の言葉を伝えています。
「碁が後世に残るとしたら、絶対に『芸』であってほしい。日本の囲碁界が証明してきたように、残るものは『芸』だ。でも今を勝ち抜きたかったら『勝負』にこだわるしかない」。
「日本の伝統」と「世界の感覚」、これは囲碁だけでなく政治・経済・文化などあらゆる分野で議論になります。
世界の潮流の中で、いかに日本の存在感を示していくか・・・。永遠の課題でしょうか。
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