こんな気持ちでいられたら・・・一病理医の日々と生き方考え方

人生あっという間、私の時間もあと少し。
よりよく生きるにはどうしたらいい?

笑ってみた

2012年10月17日 | 日々思うこと、考えること
ついにやってしまった。

比較的空いている電車で、通路を挟んで空席があり、左右どちらに座ろうかと一瞬迷ったあと、右に座ろうと一歩でたら、前から来た人に先に座られた。左にも空席はあったのでそちらに座れば良いだけの話だった。
ところが、そこで舌打ちをしてしまったのだ。「チッ」。

しまった。
相手の人が気づいたかどうかはわからないが、恥ずかしくて顔を上げることができなかった。
こんな、不快感を口にしてしまうなんてこと、これまで一度もなかったのにと、ガックリきた。

ここのところ怒りの閾値が下がっている。なにが、「いつも笑っていたい」だ。


すぐ怒ってしまうのはここ数年来の私の悩みであるが、ここのところ、通勤といわず、仕事中といわず、その悩みがつよい。

先日、妻を助手席に乗せて車の運転をしていたら、「健ちゃん、そんなにいちいち怒れるなんて、若いわね」と、皮肉を言われてしまったほどだ。一時停止無視、割り込み、ハイビーム、左方優先無視など、マナー違反、軽微な反則行為に対して一々腹が立ち、その度ごとに悪態をつきながら運転をしていた。思い返せば、一緒に乗っていて、さぞ不快だったろう。

その後、一人で運転することがあった。

妻には、出かける前に「気をつけてね、心おだやかに(運転して)ね」と懇願され、
私も「大丈夫、(怒らないように)頑張る」と言って家をあとにした。

ところが、運転を始めてものの2、3分、マナーの悪い車がいてイライラし始め、次には仕事のことだのなんだの、いろいろ思い出してもう完全に不機嫌になってしまった。知らず知らずのうちに前の車との車間が狭まっている。

「いけない、このままでは事故る」真剣にそう思って、どうしようか考えた挙げ句思いついたのが、「笑いながら運転する」だった。

そう、笑うことにしたのだ。

声も出しながらというのはちょっと難しいので、口を『い』の形にしてみる。
まるで、マネキン。だが、そのままハンドルを握っていると、案外怒る気にならない。

ETCのゲートにバイクが割り込んできたときには口を閉じて悪態をついてしまったが、「いけないいけない」と気を取り直して『い』。
都内に入る頃にはずいぶん落ち着いて『い』を続けることができた。

そんなことをしている自分がずいぶん滑稽に思えたが、『い』にしている間は、怒らないでいられた。

外から見たら、笑いながら運転しているように見えるだろう。
ほかのドライバーも、笑ってくれるかもしれない。

これをしばらく続けたら、運転のとき以外にも、少しは笑顔でいられるようになるだろうか。

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