似た様な朝が続いた連休までと変わって、春から夏へと毎日少しずつ空の表情が変化していることを実感する。チューリップもパンジーもほとんど終わり、紫陽花とバラに主役の座を明け渡しつつある。

新型コロナウイルス感染症で亡くなった人は、今日現在、国内で10,513人、世界では325万人ということだ。亡くなった人の中には基礎疾患を持った人が多く含まれているからコロナだけが原因とは一概には言えない。人の死というのはそれぞれの人それぞれ固有の理由があり、十把一絡げに論じてはいけないものだ。
剖検(病理解剖)で、患者さんの経過を臨床医と話していると、その人固有の人生のあることがよくわかる。直接死因が肺炎だとしても、その原因は新型コロナウイルスであったり、インフルエンザウイルスであったり、他のウイルスであったりして様々だ。動脈硬化にしても、ガンにしても、感染症にしても、その疾患自体が宿主(=患者)に対してあたえる影響、さらにはそこから死に至るプロセスは組み合わせによって大きく異なる。わからないことだらけだ。

医療というものの前に、新型コロナが立ち塞がって、その進歩すら止めようとしている昨今だが、私たち医療者はそんな中でも前に進んでいかなくてはいけないと、ふと我に返って思う。
面倒がらずに