こんな気持ちでいられたら・・・一病理医の日々と生き方考え方

人生あっという間、私の時間もあと少し。
よりよく生きるにはどうしたらいい?

月は黙して語らないけど

2021年05月26日 | 生き方について考える
 今夜、20時前後に月食が見えるということだ。ちょうど帰宅の時間帯だが、途中で空を見上げたら満ち欠けを見ることができるはずだが病院を出たときは薄曇り、あとは鎌倉に着いたときに雲が月を覆っていないことを願う。

 こういう、自然現象、というのは確実に身の回りで起こっていることだ。遠い未来に変更されてしまうーーー月、地球、太陽が消えて無くなるようなーーーことはあるかもしれないが、それとて真実といえる。これに対して、人間社会というものにどれほどの真実があるか、そんなことを最近よく考える。

 それぞれの現場で起きていることと、漏れ伝わってくることとの間には大きな隔たりがあるだろうが、たとえ自分が当事者であったとしても目の前で起こっていることがどれほどの真実であるかなど確かにはわからない。それは言葉というものを発達させてしまったが故に引き起こされたことなのかもしれない。

 言葉もはじめは人間同士が身を守るための道具の一つであったのかもしれないが、やがてはそれが一人歩きしてコントロールできないものとなってしまった。誰が何を言おうとそれが果たして真実なのかは誰にもわからない。今夜月の欠けている姿を見て、それをいかなる言葉で表現しても、誰かの言葉である限りその人によるバイアスが介在する。今夜、月は地球の影に入り、やがて何事もなかったかのようにやがて出てくる。それを見て、解釈して、言葉にする人がいなければ、何もなかったことと同じことなのかもしれない。
言葉を尽くす?

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