こんな気持ちでいられたら・・・一病理医の日々と生き方考え方

人生あっという間、私の時間もあと少し。
よりよく生きるにはどうしたらいい?

または、ヒトはどこから来てどこへ行くのか、参考文献・・・2012年7月の読書記録

2012年08月02日 | 読書、映画、音楽、美術
それぞれの本は、まったく別のタイミング、目的で手に取った。
ところが、それぞれが共鳴して、今回の「ヒトはどこから来てどこへ行くのか」を書くきっかけとなった。いわゆる、インスパイア(inspire)された、ということか。
9月に学会が詰まっているので、文献を読み込まなくてはならないのだが、読まないとなると7、8、9月となってしまうのでよくない。思案のしどころだ。


7月の読書メーター
読んだ本の数:2冊
読んだページ数:342ページ
ナイス数:30ナイス

一文一文が無駄なく美しい。過不足無い内容は名著と言える。 ただ、基礎力の無い発生学初学者が薄さと安さに惹かれて購入しても、背景にある広大な発生学の知識に追いついていけるか、疑問。まずは、ラングマン、ムーアを読んでからの方がいいでしょう。余白の多さは、発生学関連の研究者が、いろいろ書き込んで、知識の確認、研究の展開といったことを書き込むのに適している。
読了日:07月31日 著者:藤本 十四秋,受島 敦美


やや若手の気鋭の哲学者、倫理学者が集まって作ったという感じの本。 書いている学者さんたち自身がまだ悩んでいるといった風で、話はいずれも堂々巡り。 医学倫理にしても、問題提議だけ。 医療現場の抱えている矛盾の解決に結びつくことはない。ちょっと残念だったが、考える方法論は参考になった。
読了日:07月23日 著者:


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ヒトはどこから来てどこへ行くのか(1) イントロダクション

2012年08月01日 | 病理のこと、医療のこと、仕事のこと
ヒトはどこから来てどこへ行くのか。

どこから来たのかはよくわからないが、どこへ行くのかはわかっている。それは死だ。
ヒトが死ぬために生きているということは、これまでに何度も考えてきたことだから、ここでそれを繰り返すことはしない。

だが、ヒトは何のために生まれて、生きているうちに何をし、そして死んでいくのか。

そのことがわかって生きている人はいるのだろうか。

発生学という学問がある。

ひとことでいえば、卵子と精子が合体し受精卵となり、それがヒトの体になっていく過程を研究する学問だ。

先日、学生さんへの講義の準備のために、発生学の教科書を読み直していて、疑問に思ったことがある。

なぜ、1個の受精卵が、分裂して、細胞分裂の果てに、ヒトとしての形をとるようになり、生まれ、成長して、あれこれ考えるようになるのだろう?
そのことを考える上で、二つの重要な点がある。

一つは、ヒトにとっての心とはなにか。
もう一つは、ヒトにとっての身体の存在意義。

この二つの点を明確にすると、私コロ健があれこれ考え過ぎてしまうことの意義がわかるし、私自身がなぜ、この世に存在しているかの意義がわかるような気がする。

この二つについて、発生学の立場から、できるだけ簡潔に、専門用語を使ったりせずに考えてみたい。


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