琴冠佑(ことかんゆう)事件(相撲)

今日、相撲界にとんでもない事件が起こりました。それは、幕下の琴冠佑が、取り組みで敗れた対戦相手を、支度部屋で殴るという事件です。当然、琴冠佑は強制的に引退という処分になりました。これは恐ろしいことです。

なぜなら、世の中にあるスポーツは、暴力事件に対する備えを十分にしているから、試合の結果を巡る暴力はほとんど起こりません。相撲の場合、取り組みの後には必ず一礼させて、反対側の支度部屋に戻ります。支度部屋が一緒ではないことで、冷却期間を置いて、頭を冷やし暴力に及ぶことのないようにしています。

琴冠佑の事件が恐ろしいのは、取り組み後、反対の支度部屋に殴り込んだことです。江戸時代からスポーツとして成り立っていた、大相撲の前提条件を覆す前代未聞の暴力事件です。もしかしたら、相手の指が目に入ったり、変な変化を食らって負けたりとか、頭にくる内容が取り組み中にあったかもしれませんが、それでも琴冠佑に弁解の余地はありません。強制引退も当然だと思います。

露鵬が先場所、カメラマンに暴力を振るった事件がありましたが、これは理事長室に呼ばれて叱られた直後の写真(誰もそんな写真は撮られたくない)を撮ろうとしたことも理由として考えられます。今回の琴冠佑事件とは一緒にはできません。この事件で、大相撲の人気に水を差さないといいのですが。