Kobby loves 埼玉&レッズ

埼玉と浦和レッズを愛する管理者のブログです。

左アウトサイドの本職

2010-02-19 18:53:17 | 他チーム
かつて、3バックの左アウトサイドは花形のポジションでした。90年代後半のJリーグは3バックのチームが多かったので、攻撃力のある左利きの選手はそれだけで重宝しました。代表的な例では、アルディレス監督が基礎を作ってペリマン監督が開花させた清水の3-5-2だと思います。

このチームで左アウトサイドに入っていたのは、三都主(当時アレックス)でした。浦和サポの私も、日本平スタジアムで初めて彼のプレーを見たときは、その高速ドリブルにしびれました。1999年には清水の2ndステージ優勝に貢献して、リーグMVPに輝いた活躍でした。

左アウトサイドといえば、オシム監督の率いた千葉も忘れられません。村井、山岸と選手は入れ替わっていますが、村井はその正確なクロスで崔ヨンスのヘディングシュートをアシストしましたし、山岸も細かいドリブルで攻撃の起点になっていました。

しかし、今のJリーグは3バックのチームは上位では広島だけです。その広島にいる服部公太だけが今でも左アウトサイドのポジションを維持していますが、かつての左アウトサイドの本職は軒並み悲哀を味わっています。

小宮山(横浜FM→川崎F)のように4バックの左SBで使える選手なら重宝しますが、かつて攻撃力を武器にしていたタイプは軒並み苦戦で、村井は磐田を放出されて古巣千葉に戻っていますし、山岸も川崎Fから広島に移籍しています。

日本代表で左サイドの選手では最多キャップを持つ「左アウトサイドの星」三都主も、名古屋ではマギヌンの壁があって左MFでは出られず、今やボランチに入ることもあるほどです。時代の変わり目には常に起こることなので仕方ないですが、不運だとは思います。

そういう意味では、どこでもできるポリバレントな選手なら、戦術的変更にもすぐに対応が効き、長く現役でプレーできます。本山(鹿島)あたりも、トルシエ監督時代に左アウトサイドをやっていた経験を生かして、退場者が出たときに急造SBに入れます。できるポジションは多ければ多いほど、選手にとってはいいことでしょう。
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ポジショニング(シェルミティ)

2010-02-18 18:49:13 | ワールドサッカー
今さらながら、先日病気で会社を休んでいたタイミングで昨年11月に行われたACL決勝のビデオを見ました。カードはアルイテハド(サウジアラビア)対浦項(韓国)でした。サウジアラビアも韓国もW杯最終予選は日本と違う組で、今の代表選手といえどもわからないので、一人いた知っている選手に注目して見ていました。

その選手は、3年前のクラブW杯の3位決定戦で浦和と対戦した、当時エトワール・サヘルのFWシェルミティです。浦和と対戦した時点で既に19歳でチュニジア代表に入っていた逸材ですが、同じイスラム圏の中で最も資金力がありそうなサウジアラビアに移籍したとは一つの出世です。

クラブW杯当時、エトワール・サヘル(以下サヘル)の試合は2度見ています。しかし、サヘルで目立つのは2トップを組むベンディファラーの方でした。試合中はどこにいるかわからないシェルミティとは対照的にベンディファラーは長身を生かしたポストプレーで何度も起点を作っていました。

しかし、ベンディファラーは点が取れないという弱点があります。チームプレーができて点が取れないベンディファラーと、どこにいるかわからないけど点は取るシェルミティのうち、守備的選手を入れるためどちらか一方しか使えないボカ戦で、監督の決断はシェルミティの起用でした。

日本人の監督だとベンディファラーの方が好きな監督もいると思いますが、外国の監督はとにかく点を取れという起用をするものだと当時は思っていました。そのシェルミティの点が取れる秘密がわかればと思って見た試合ですが、基本的にポジショニングで勝負する選手です。

浦項が両SBを同時に上げる攻撃的サッカーだったので、シェルミティの位置は相手の2CBの外側でした。ここにポジションを取ることによって、縦パス一本で相手CBと1対1になれるという戦略でした。

一見、ボールが出てからどこにいるかわかる選手なので、それ以外の場面は何をしているのだろうかと思う選手ですが、良いポジションを取ることを考えてどこにいるべきか決めている選手なのです。ただぶらぶらしている選手ではなかったのだとわかりましたが、チュニジアがW杯に出ないので、そんなことを知ってどうすると言われても反論できませんが。
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スピードスケート男子500m

2010-02-17 18:40:45 | 他スポーツ
昨日は、スピードスケート男子500mで長島圭一郎選手が銀メダル、加藤条治選手が銅メダルの活躍で沸いた一日でした。普通の社会人の私は仕事中だったので、夜放送されたダイジェストでようやく映像を見ました。

スピードスケートは、比較的古くからの種目で、陸上トラックとほぼ同じ長さの400mを競馬の馬と比べても遜色ないスピードで回るという、一般人の常識からは想像もつかないスポーツです。

事実、私は長野五輪でスピードスケートを見に会場のエムウェーブに行ったのですが、スタンドの大きさや逆サイドの見え方などは、今は知っている方は少ないでしょうが、改修前に1万人収容だった駒場スタジアムとほぼ同じでした。

おそらく、競馬の馬がそんな小さな曲率を回ったら多くの馬が故障してしまうでしょう。人間にそういうことが可能なのは、鍛え上げた筋力で遠心力に打ち勝つコーナリングが可能だからです。

それでも、トップレベルの選手でも遠心力に振られることはあるようで、長島の二回目の滑りでは最終コーナーで隣のレーンに踏み越していました。怪しげな記憶をたどると、リレハンメル五輪銅メダルの堀井も最終コーナーで膨らんでいました。

それでも、無理に抑えつけてレーンを踏み越さないよりも速いことがあるのはスピードスケートの面白いところで、長島の銀メダルも踏み越した二回目で34秒台を出した逆転の銀メダルです。ただ、隣のレーンの選手より十分なリードを奪っておかないと接触の危険もありますが。

また、なぜ500mは二本のレースの合計タイムで競うのか、ご存知ない方もいらっしゃるでしょう。実は、以前は一本のレースで決着をつけていた時代があります。しかし、インコースがアウトコースに比べて有利なのはおかしい(事実アウトコースの金メダルはほとんどなかったそうです)という議論が起こり、怪しげな記憶では1994年リレハンメル五輪からインコースとアウトコースの二本の合計タイムで競う現在の方式になりました。

ただ、微妙なルール改正はどんなスポーツにも常にあります。以前は2日かけて二本のレースを走っていた500mですが、今は一日で二本を走ることになりました。整氷作業の遅れで一本目と二本目の間隔が開きましたが、それをはねのけた長島、加藤両選手の集中力はさすがでした。
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新アンカー(宇津木瑠美)

2010-02-16 19:08:11 | レディース
男子の日本代表に見るべきものがなかったので、今回はなでしこジャパンから注目選手を取り上げます。その選手は、新しいポジションのアンカー(守備的ボランチ)を自分のものにしている、日テレ・ベレーザの宇津木瑠美選手です。

北京五輪の前になでしこジャパンの監督に就任した佐々木監督は、ボランチの位置からでもゲームを作るという意図で、チーム一のキックの精度を誇る澤をボランチに置きました。ただ、澤には攻守が切り替わったときの戻りの遅さという欠点があるので、誰をダブルボランチの一角に置くかは重要な課題でした。

北京五輪でその役割をやっていたのは、当時20歳の若手の阪口でした。阪口は本来攻撃的MFの選手ということもあって、マイボールを確実につなぐプレーには課題のある、荒削りな選手でした。しかし、北京五輪が暑さの中の大会になったので、阪口のどこまでも諦めずに相手を追う身体能力の高さは日本の一つの武器になっていました。

そのため、将来性を考慮したはずの阪口を今回の代表から外していたのは驚きましたが、代わりにそのポジションに入った宇津木もいい選手でした。宇津木は21歳と若い選手ですが、高校生の頃から日テレ・ベレーザでプレーしていて、実戦経験は豊富です。

ただ、宇津木は日テレでは左SBで出場することが多い選手でした。アンカーという新しいポジションをどれだけ自分のものにしているかは未知数でした。しかし、試合を見ると、何年もアンカーをやっているように思えるほど、落ち着き払ってプレーしていました。

どうしても澤が上がることがある日本の中盤は、戻ってくる時間を稼げる選手が必要です。宇津木が一枚だけ残っている場面が能力の見せどころでしたが、派手にボールを奪おうとせずに近賀や宮間が戻ってくる時間を確実に稼ぐプレーには感心しました。

韓国戦で、足が止まり日本らしい中盤の組み立てができなくなったのは課題ですが、宇津木のアンカーにメドが立ったのは大きな収穫だと思います。FWにも山口という新戦力が出ていますし、なでしこジャパンの将来は明るいように思えます。
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パスのためのパス(2/14日本対韓国)

2010-02-15 15:45:54 | ワールドサッカー
ここのところの体調不良の影響で、昨日の韓国戦も生観戦はあきらめてテレビ観戦にとどまりました。そのため、細かいところはわからないのですが、昨日の日本代表の試合には正直がっかりしました。韓国相手に、ホームでだらしない試合をしたら当然、W杯に向けた強化にはつながらないはずです。

この結果は展開が生んだ結果ともいえます。日本はPKで先制しましたが、すぐにPKで同点に追いつかれ、イ・スンヨルのミドルシュートが中澤の背中に当たってコースが変わる不運でゴールになり、1-2とビハインドを背負います。しかし、これだけならW杯4強を目指すというならなんとかできないといけないビハインドです。

その後、闘莉王がレッドカードで退場して日本は10人になります。これを見た韓国ベンチは無理に攻めに行かない道を選択し、日本のパスワークをゴール前で寸断にかかります。そこに、パスで崩そうとしても崩れない悪循環で、日本は韓国のカウンターの前に何度もピンチを迎えます。

やはり、リードしてカウンター狙いに絞れる余裕があれば、さすが韓国です。日本は何度も後ろを向かされ、攻撃に出る余裕を与えてもらえないまま、時間だけが過ぎていきます。韓国も金正友(元名古屋)が2枚目のイエローで退場して数的優位を失っているのですが、しっかり最終ラインとボランチのラインがリトリートした韓国のバランスは崩れませんでした。

こういうときは、遠目からでもどんどん打ってほしかったというのが希望で、一本だけ中村憲剛のいいシュートがありましたが、それ以外はパスのためのパスになっていて、結局ラストパスを相手にカットされてチャンスにならないという場面ばかりになってしまいました。

内容的にも完敗だったこの試合から得るものはほとんどありませんが、救いを見出すとすれば、まだ少しは時間があることです。また、岡田監督自らが「代表選手にはオフを取らせる」と明言し、この東アジア選手権をしゃかりきになって取りに行ったわけではないことは明白です。

次のバーレーンとの試合は消化試合になるので、バーレーンはベストメンバーで来日してはくれないでしょうが、ここで少しでも内容のある試合をして、W杯に向けた強化を図って欲しいと思います。
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27秒台の決着(女子モーグル)

2010-02-14 17:02:59 | 他スポーツ
先ほどまで、上村愛子選手が話題を呼んでいた女子モーグルの予選と決勝の2本のレースを見ていました。4年に一度の五輪のときしかモーグルを見ないにわかファンの私ですが、そんな素人目にも伝わってくるものはあります。

モーグルの採点方式は、ターン50%、エア25%、タイム25%です。一見、モーグルの華は華麗に空中を舞うエアのように思えますが、実際の採点はわずか1/4で、地味にターンを磨いた方が結果は出る競技です。

事実、日本代表のコーチに就任した、フィンランド人のソルトレーク五輪男子モーグル金メダルのヤンネ・ラハテラ氏は上村の滑りを分析した結果、ターンに向上の余地があることを見抜いています。ラハテラ氏の現役時代はスピードあるターンが武器でしたから、そのノウハウを彼女に伝えようとしたようです。

それは「カービングターン」という、比較的直線に近いルートでこぶの上を跳ねていくターンでした。これは男子選手でも難しいとされ、女子の上村選手がこれを習得するのは相当の苦労があったと思いますが、それが向上することで、昨年の世界選手権(福島県開催)では金メダルと結果もついてきました。

しかし、それから約1年の歳月が過ぎた現在、どうやらこれを他の外国勢もならったようで、予選での上村のタイムは平凡で5位と出遅れ、これは決勝をよほどしっかり滑らないとメダルは苦しいかなと思っていました。

このバンクーバーのコースは、普段のW杯に比べると非常に長いコースで、ターンに差があるともろにタイムに跳ね返ってしまいます。アメリカやカナダの選手が予選で28秒台のタイムを叩き出しているのを見ると、上村選手も28秒台を出せないとメダルは苦しいように思えました。

上村選手は、それでも28秒台を叩き出して意地を見せました。しかし、表彰台に立った選手はさらにその上の27秒台を出してきました。エアが安定していた上村選手も、タイムの差は誰でもわかる歴然とした差で、これは仕方ないですが、本当に残念でした。今後の去就はまだ考えられる状況ではないと思いますが、とりあえずゆっくり休んでくださいと思います。
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韓国戦プレビュー

2010-02-13 21:19:08 | ワールドサッカー
明日は日本代表の東アジア選手権最終戦、韓国戦です。日本は1勝1分けの勝ち点4ですが、同じ勝ち点4で並んでいる中国が先に香港と対戦します。ここで中国は香港に圧勝する可能性が高く、得失点差の勝負になると韓国から大量点が必要という条件になる可能性もあります。

それにこだわって、無理に攻めに出て失点しては意味がないですから、東アジア選手権優勝というタイトルにはこだわらず、韓国相手にベストのサッカーをしてW杯につなげることを意識して欲しいと思います。今回の韓国代表は国内組とJリーグ組を合わせたメンバーで、イ・グノ(磐田)、イ・ジョンス(京都→鹿島)、パク・チュホ(鹿島→磐田)らおなじみの名前もいます。

特に楽しみにしているのは、やはりイ・グノの代表姿で、既に代表でも中心選手だそうですが日本戦は初めてなので、どこまで細かく動いてフリーになるJリーグで見せているプレーができるかは注目です。また、イ・グノと2トップを組む可能性のあるイ・ドングも久々の復活で、今回の日本戦には賭けているでしょう。

しかし、韓国代表は史上初めて中国代表に敗れるなど、今のチーム状態は良くありません。しかも0-3とスコア上も完敗で、許丁茂監督も「Jリーグ組と国内組の連係が取れていない」と敗因を分析していました。

こういうときは、一気に畳み掛けるに限ります。これまでのサッカーの歴史上、日本が韓国に対して優位に立っていた経験はほとんどありません。一緒に出場したW杯でも、日韓W杯は日本ベスト16、韓国ベスト4、ドイツW杯は両者1次リーグ敗退でしたが、日本勝ち点1、韓国勝ち点4と差をつけられています。

これまで一度もなかったような、大差をつけて韓国代表に勝つなどという経験ができれば、W杯を控えて沈滞気味のムードを一遍に好転させることができます。冬の夜という最悪の気象条件でも、日韓戦ということで試合のチケットは売れているようですから、そこで日本の勝利という結果を見ることができれば、きっと岡田監督批判などということはなくなるでしょう。
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動きが止まった後(2/13なでしこ対韓国)

2010-02-13 19:17:04 | レディース
これまで、東アジア地域の女子サッカーで、韓国は遅れた存在でした。朝鮮民主主義人民共和国、中国の2強を日本が追い、韓国はその下という位置づけでした。そこに、豪州という強豪が割り込んできたので、韓国女子サッカーは相当苦しい立場に置かれていました。事実、前回の北京五輪の予選では、日本に1-6という惨敗を喫しています。

しかし、今回の韓国代表を見ると、格上日本相手に引いて守るのではなく、あえて日本がカモとしている高いDFラインを引いて、強気に攻め勝つプランで臨んできました。裏に大野を走らせる日本の必勝パターンは覚悟の上でした。

その理由として考えられるのが、韓国の女子サッカーがプロ化したことでしょう。地域密着やサポーターの集客は度外視して、プロ野球や男子サッカーをやらない月曜の夜に試合を行い、テレビでの露出を増やしました。その結果、五輪銀メダルのブラジル代表FW、プレチーニャが加入するなどリーグ全体のレベルは上がっています。

それを格上日本にぶつけたいという韓国の意図は感じましたが、ゲームプランは日本の意図通りに進みました。韓国の中盤でつなぐサッカーを、アンカーの宇津木が遅らせて澤や宮間を早めに帰陣させて止めるやり方で数的優位を作り、攻撃はシンプルに縦パスで大野や山口を走らせるものでしたが、これが前半は非常によく機能していました。

大野を走らせる狙い通りのカウンターでうまく1点目を取ると、2点目も高い位置でボールを奪ってから矢野→大野→山口とつないで決め、日本は圧勝ムードを作り出すことに成功しました。後半の立ち上がりにも、「あと2点取ろうぜ」と選手間で声を掛け合うほどでした。

しかし、それからは日本は苦しみました。チリ遠征から通算7試合目の試合だったこともあって、選手の疲れはピークで、韓国の中盤のパスワークを止めきれなくなってきました。それでも何とか韓国の反撃を1点に抑えて、東アジア選手権の優勝という結果を出したのは評価しますが、動きが止まった後に何ができるかは今後の課題として残りました。

そういうときに、CKからパワーサッカーをできてしまうのが、世界トップレベルの米国やドイツですから、それができない日本は何か「一芸」が必要なはずで、それをW杯の舞台で見られることを期待しています。
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日の丸飛行隊(1972年札幌五輪)

2010-02-12 20:23:43 | 他スポーツ
ちょうどバンクーバー五輪の時期なので、札幌五輪で70m級で表彰台を独占した「日の丸飛行隊」の話をします。この五輪は私が生まれた頃の話なので、昨日のNHKアーカイブスで初めて映像でこの頃のジャンプ競技を見ました。

まず、当時のジャンプ台は、今のようにカンテにバーを通して腰掛ける形ではなく、横に待機路を用意して割り込むようにジャンプする形だったことが、一つのカルチャーショックでした。この形だと、風向に応じて「ゲートを上げる」ことはどうやってやっていたのだろうと、今となっては解決しない疑問を抱いてしまいます。

また、ジャンプ競技のレベルも、V字ジャンプ以前の時代ということもあり、70m級(ノーマルヒル)で80m飛べば大ジャンプの部類に入っていました。今のジャンプはノーマルヒルでは90m以上を要求されますから、やはりジャンプの世界も日進月歩で、38年という時間の長さを感じます。

当時、金メダルに笠谷、銀メダルに金野、銅メダルに青地というメンバーで表彰台を独占したのですが、まず一つ目の衝撃の事実は、銀メダルの金野が一発の大ジャンプに期待されて最後の4人目の枠で滑り込んだ選手だったということです。以前、Numberでも同様の話を聞いたことがありますが、金野は「自分が期待度は一番低かった。出来すぎの銀メダル」と語っていた記憶があります。

また、初めて見た映像にも衝撃を受けました。それは銅メダルの青地の2回目のジャンプです。当時ベテランの域に入っていた青地にしては、このジャンプは失敗ジャンプで、スキーの板が上下左右にぶれているのを必死で押さえ込んで、まさに根性で飛んだ77.5mでした。当時としては、この距離は標準的な距離で、1回目で2位につけていた青地は銅メダルに滑り込むことができました。

笠谷に関しては、今見ても抜群の安定感でしたが、当時はマスコミのシャッター音が気になるほど精神的にピリピリしていたようです。迷惑をかけるにしても身内数名だけだと開き直った結果、2本とも大ジャンプをそろえた結果の金メダルでした。笠谷は今でもジャンプ競技の飛形点の審査員として、ジャンプの会場に姿を見せるそうです。笠谷が審判として見守った長野五輪の日本勢の活躍は彼らにとっても嬉しいものであったに違いありません。
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キッカーの人選(2/11日本対香港)

2010-02-12 18:55:04 | ワールドサッカー
この日の香港は、日本相手に勝ちに行くよりは、できるだけ点を取られないことを重視した4-4-1-1の布陣でした。前からはまったくプレッシャーがかからない分、バイタルエリアにもサイドにもスペースがない状態でした。

ベネズエラ、中国が日本を完封した布陣を参考にした可能性は高く、日本から勝ち点1を取れば歴史的という発想に思えました。香港は韓国に0-5で敗れていますが、そのうち4点がセットプレーという事実があります。

香港のDFは体格はそんなに劣ってはいませんが、複雑にゴール前で細かい動きをすると比較的簡単にマークを外せます。そのため、この日の日本にとっては中澤、闘莉王とアジアトップレベルのターゲットがいる以上、セットプレーが最も大事な得点源でした。

しかし、どうしても納得がいかないのは、セットプレーのキッカーが玉田ということがあることです。確かに、この日のスタメンで左足のキッカーは玉田一人でしたが、右足のキッカーは遠藤、中村憲剛、小笠原といて、玉田とは明らかに格が違うはずです。

どうしても左足でないと狙えないところ以外は玉田に任せる必要があったのかという疑問があります。数多くのセットプレーを得た以上、もっと精度の高いキックができれば、もっと早く試合の決着をつけることができたと思います。

また、後半から入った平山ですが、点を取る以外の動きにはいいプレーもあったと思います。味方が縦パスを入れてくれるようになった事情はあるにせよ、うまくくさびに入ったり、頭で起点になる動きはできていました。

平山のプレーに可能性は感じましたが、香港相手にノーゴールのFWがW杯で点を取れるのかと言われてしまうと反論できないのが辛いところです。今の代表にいないタイプという理由でこの東アジア選手権は使われていますが、もっとJリーグでアピールしないとW杯のメンバー入りは難しいように思えます。

また、小笠原が代表のサッカーに合っていないように映像を見る限りでは思えます。鹿島でいいときはロングボールで展開してくれるのですが、この日は味方に気を使い過ぎてパスが弱くなったところでカウンターを食っています。小笠原は遠藤、長谷部と同等の力を持つボランチと期待していますが、何とか韓国戦で代表にも合うことを見せてほしいです。
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