今日は北海道総合研究所(=道総研)のオープンフォーラムがありました。
本日のテーマは「北海道で暮らし続けるためにこれからの地域運営をどう支援するか」というもの。
冒頭で明治大学の小田切徳美先生から「地域づくりと地域運営組織の在り方」という演題で50分ほどの基調講演を受けて、まず問題意識を浮き彫りにされました。
全国的にもそうですが、北海道では179ある市町村の多くで人口減少が目立ち、役所だけでは地域の暮らしを支えるサービスを行えなくなる恐れがあります。
人口減少の地域で暮らしてゆくためにある学者先生は「住み続けられる持続的低密度居住社会」を実現しなくてはならないといったそうです。
そうした地域では、なにもかもを行政に任せてしまうのではなく、住民が自ら立ち上がって自分たちの暮らしを支える活動に参加することが必要になってくるのではないでしょうか。
今は総理大臣の石破さんが地方創生大臣だった時から、地方創生とは「まち・ひと・しごと」の創生であり、つまりは「コミュニティ・人材・就業の機会」の三本柱が大切だ、とわかっていたのです。
そのような地域社会を作るためには、行政を助けるような「地域運営組織」が必要になってくるのですが、これがまたなかなか思うようには成立しません。
道総研では手探りの状況の中で、いくつかの自治体と連携して地域運営組織を立ち上げるための支援・協力をしているのですが、そういう意味で、「地域運営組織づくりを導く"中間支援機能"」を果たしてきたと言えます。
行政としての北海道庁でもなく、研究機関である道総研がその役割を試みてきたというのはある意味高い志を感じるところでもあり、またどこかで誰かがやらなくてはならないと切羽詰まったものを感じる現場に近いから、ともいえるでしょう。
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フォーラムの後半では、幌延町の問寒別地区で活動をしているNPO法人『ミナといかんべつ』さん、地域交通のみならず荷物の配達・輸送なども引き受ける下川町のしもかわタクシーさん、そして富良野高校の学生さんと連携して市内の水道の維持に努めている富良野市からそれぞれ担当者の方がこられてパネルディスカッションにも参加されていました。
それぞれ、道総研さんが陰に日向に支援をしてきたことが花咲いた事例です。
いよいよ行政の頑張りのみならず、住民たちが本気になって自らの発意で地域を支えようと思うところとそうでないところの差がついてきそうです。
ちなみに道総研ではこれまでの活動から得られた知見をまとめた「これからの地域運営実践ガイド」という冊子を作って、地域運営組織の立ち上げを支援しています。
どうしたらよいかわからない地域の皆さんもまずは参考にされてはいかがでしょうか。