北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

肥満と脳の関係

2009-08-31 23:34:01 | Weblog
 台風の影響で荒れた天気の関東地方。大変な天気でした。

 さて、現代社会は食べなくて死ぬ人はいなくて、食べて死ぬ人の方が多い時代になりました。

 

---------- 【以下引用】 ----------

肥満は脳を萎縮させるらしい!?
 http://digitallife.jp.msn.com/article/article.aspx/genreid=121/articleid=452012/





肥満は脳を萎縮させるという研究結果が発表されました。(ライフハッカー[日本版])

 Photo by algarius.肥満は生活習慣病のもと。また、体重が増えると腰や膝などにも負担がかかり、腰痛や関節痛の原因にもなりますね。

 しかし、肥満が私たちに与える悪影響はこれだけではないんです。肥満は脳を萎縮させるという研究結果が発表されました。

 米紙「U.S.News」によると、米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の神経学者・Paul Thompson氏が70代の被験者94名の脳を5年間にわたって調査したところ、肥満の人は標準体型の人に比べて脳細胞が明らかに小さいという研究結果が出たそうです。

 肥満の人は16年分、肥満気味の人は8年分、標準体型の人に比べて老化が進んでおり、肥満の人は8%、肥満気味の人は4%、標準体型の脳細胞に比べて小さいことが明らかになったとのこと。特に、意思決定や記憶をつかさどる前頭部や側頭部での脳の萎縮が顕著だそうです。

 肥満と脳の萎縮との詳しい因果関係についてはまだ明らかになっていませんが、この研究結果は肥満と脳の老化との何らかの関連を示すものとして注目されているようですよ。

 たしかに脳もカラダの一部。内臓や関節に対するのと同様、脳にも肥満が何らかの影響を与えうることは、よくよく考えれば納得ですね。ライフハッカー過去記事「お金をかけずにシェイプアップできる8つのコツ(http://www.lifehacker.jp/2009/06/090623_8.html)」や「食事量をセルフコントロールする10の方法」(下記参照http://www.lifehacker.jp/2009/07/090726diettips10.html)などを参考に、くれぐれもメタボ対策をお忘れなく!



【食事量をセルフコントロールする10の方法】

 体重を減らそうとしているにせよ、自分の「食餌療法」をうまく成功させているにせよ、ダイエットのキー・ポイントは「食べる量」です。と、いうことは食べ過ぎないようにするために「ちょうど良い分量」をどうやってコントロールするか? 知りたいですよね。

「Reader's Digest」では、食べる量をコントロールするための10の方法を紹介しています。

 1.それが本当に食べたいのかよーく考える。10分待ってみよう。
 2.お皿の中身をカンペキにキレイに食べつくすのは、もうやめよう。
 3.食べ物が入っている袋・箱・パックから直接食べるのはやめよう。
 4.たくさんお皿にないと満足できない? じゃお皿はちょっぴりドレッシングの山盛り野菜かスープで満たそう。
 5.夕食には巨大なディナー皿じゃなくてサラダ皿を使おう。
 6.何かを注文するときには、常に「Sサイズで」を決まり文句にしよう。
 7.マルチパックやファミリーサイズはやめて、1人分のシングル・サイズを買おう。
 8.栄養成分表示のラベルをまず読もう。
 9.食べる前に「食べない分」を取り分けておこう。
 10.フレッシュ・フルーツで食事の最後を締めくくろう。

---------- 【引用ここまで】 ----------

 こんな話はいくらでも転がっているのですが、それでもなお出てくるというのは、それだけ実践出来ない人が多いと言うことなんでしょうね。

 今日で8月も終わり。9月になると秋の味覚も増えますぞ~。本能と食欲をどれだけ押さえられるでしょうか。

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娘の二十歳の誕生日

2009-08-30 23:13:33 | Weblog


 今日は天下分け目の総選挙でもあるのですが、私の娘の二十歳の誕生日でもあるわけで。

 この次女は頑固なところがあって、「二十歳になるまではお酒は飲まない!」と宣言して、実際に今日まで一滴もお酒を口にしませんでした。

 そしてそれも今日の二十歳のお祝いで解禁。近くのホテルで、引っ越し手続きのために上京している妻と三人で会食です。

 人生最初のお酒はシャンパンでしたが、これから先はお酒を飲むことはあっても飲まれることのないように。

    ※    ※    ※    ※

 夜になってテレビでは選挙速報一色。いよいよ政権交代とのことで、自分たちの生活に良いにつけ悪しきにつけ、どんな変化があるのかをウォッチし続けたいものです。

 長い人生のたった一日ですが、なかなか印象深い一日となりました。
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家電店のポイントに騙されないように

2009-08-29 23:13:06 | Weblog
 娘と奥さんと一緒に都内の家具店や家電量販店を巡って、ひたすら娘の新居移転の準備です。

 暑さがぶり返した中を徒歩と電車で移動するのはなかなかに大変で疲れました。

 それでもベッドや寝具、冷蔵庫に洗濯機などを決めて購入。冷蔵庫は、先に行った家電量販店の価格が、次に行ったところよりも1万円も安くて、「おいおい、前のお店は1万円も安かったよ」と駆け引き開始。

 お店も「本当ですか、確認してみますね」と言ったものの、本当に安いことが分かってからが粘り腰。「向こうはポイントが10%ですが、こちらは15%で、これを考えるとこちらの方がお得かと…」

「だめだめ、それだと今支払うお金が高いじゃないですか。ポイントなんて次の機会に使う分だから、その期間を考えると同じ金額は同じ価値とは言えないのですよ」と逆襲。結局、「この金額でイエスかノーのファイナルアンサーを上司からもらってきてください。それで決定」という最後通牒が効いたのか、こちらの主張を飲んでくれたことで、こちらのお店で買うことにしました。

    ※    ※    ※    ※

 金融の考え方では、今の一万円と一年後の一万円は同じ価値かというとそうではありません。今一万円を金融機関に預けて、3%の利子が付いたとすると今の一万円は来年の一万3百円と同じ価値を持つということになるのです。

 これは正味現在価値(Net present value=NPV)と呼ばれる考え方で、日本でも投資などのリスク判定をする際に用いられ始めている指標です。

 うかつにポイントがたくさん来ることを考えるとお得だ、などと考えてはいけません。その金額は次に使うまでの期間には本来ある程度成長しているはずの価値をもっているはずなのですから。

 ですから、ポイントが多いことよりもやはり現金での支払いを少なくするのがまずは一番の節約なのです。だまされないように。

 まだ少し買わなくてはいけない電化製品が残っていますから、上手な買い物をしなくてはね。 
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住まい選びのキモ

2009-08-28 23:37:11 | Weblog
「100%ご満足いただける物件ということになるとなかなかないかと思いますが・・・」

 夕方に突然飛び込んだ住宅斡旋仲介業の担当者Sさんが「いかがでしょうか?」という表情でこちらを見る。娘の住まいを探すアパート選びでの一コマです。

 この九月から上京して就職する娘の住まいを探すのはなかなかに難渋。最初は都市再生機構の公団住宅を考えたのですが、実際に内覧をしてみると駅からの距離や家賃、室内の調度などの面で娘は気乗りしない様子。

 機構の営業所キャンセルをした後に、近くにあった民間の住宅アパート仲介会社に「情報だけならタダだよね」と飛び込んでみました。

 するとさすがに民間の仲介業者さんには、バリエーション豊富な空き室情報がたくさんあり、条件を入力することで候補地が数多く打ち出されてきました。

 そこで、良さそうな物件を三つほど決めて、現地内覧に案内してもらうことにしたのです。こういうことはやれるときにやってしまわないと気持ちが落ち着きませんからね。

 一軒目、二軒目と見た後の三軒目のアパートは7月に完成したばかりの物件。駅からの距離やちょっとした室内設備なども好印象なうえに新築状態で入れるとのことで、娘としては特に気に入って、もうこれ以上探そうという気がなくなりこちらに決めました。

 冒頭の言葉はこの三軒目の物件を見せてもらっていた時のSさんの言葉です。

 いろいろな条件がある中でも、これは絶対に譲れないと思うことと、本当は気に入らないけどまあ我慢出来ること、実際はどうでもよいことなど、何がお客さんの心の琴線に触れるのかを知るのはなかなか難しいこと。

 望みの全てを満足させる事ができないときに、自分が選択をするキモはなにかを考えてみると、自分の好みや基準が改めてよく分かります。

 さて、今週末はいよいよ総選挙の投票日。

 全てを満足させる政党はなさそうですが、そのなかで何が好みで、何は許せないのか、そして自分が判断する基準は一体何なのかが問われます。

 アパートならばお金を出して変わることもできそうですが、選挙で選んだ家はお金を出してもその屋根の下から変わることはできませんからね。 
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東京の住まい選び

2009-08-28 00:37:58 | Weblog
 9月から東京で働く娘の住まいを決めようと、午後は休暇を取って、申し込んであった東京の東のはずれにある公団住宅を内覧してきました。

 実際に見たらすぐに決めるつもりで乗り込んでみたものの、さすがに昭和47年築の公団住宅。リフォームはしてくれていて、「わ、天袋がある」とか、「ははん、ここは昔煙突があった跡だな」などというのが分かって、私などは楽しかめました。

 しかし娘のような若い娘にはちょっとフィーリングが合わなかったようで、ここに住むことに消極的になりました。

 住まいを決められないまま立川の機構営業所を訪ねて、もっと良い物件がないかと調べてもらいました。内覧したものよりも少し都内に近い物件があったのでとりあえず仮押さえ。

 明日も内覧か…、と思ったところ…

    ※    ※    ※    ※

 さて帰ろうか、と階段を下りたところでワンフロア下の階には民間の住宅仲介業者が入っていて、ちょっとだけ覗くつもりでもっている住宅情報を問い合わせてみました。

 すると、バス・洗面所が別、インターネット、新しいことなどの条件をクリアした物件が数戸出てきて、見るだけならと車で現地を3箇所連れて行ってもらいました。

 すると前二物件はそれほどでもなかったのが、三件目は駅からも近いし、部屋は新築したて、それにインターネットも完備…など、魅力的な物件なのでした。

 妻も娘も気に入って、話しはとんとん拍子にすすみ、ここで決めようということに。

 契約の前提となる手続きを終えたのは夜の9時。熱心に案内してくれた担当の方には頭が下がります。

 さてさて、引っ越しが出来るのが来週の5~6日ということに決めました。父と娘の割と密接な最後の時間かも知れません。

 
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一人で悩まずに

2009-08-26 23:53:04 | Weblog
 今日は予想外のアクシデントに見舞われて、少々落ち込み気味でした。

 気分がブルーなところへ知人のAさんから電話が。「もしもし、ちょっと落ち込んでいましてね」

 すると知人は「なにをそんなことで落ち込んでいるんですか。とりあえず近場の渋谷で会いましょう」と言ってくれました。

 喫茶店で会ってを世間話を少々していると、だんだん気が晴れてきました。

「あ~、なんだか気が楽になってきました」
「そんなの、そもそも僕から見ると『随分小さいことでくよくよしているんだなあ』と最初から思っていました。でも人間、どつぼにはまると自分ではなかなか抜け出せないと言うこともあるんですよ」

 確かにその通り。一人で悩むよりは人に話してみることで、自分自身を省みることが出来ます。

「こままささんも小心ですよね、ははは」

 そういう私も落ち込んだ時のAさんの悩みを聞いてあげたことは言うまいぞ。

 明日は我が身ってやつですね、はは。
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緊急地震速報

2009-08-25 23:30:06 | Weblog


 朝6時37分に枕元の携帯電話から「ヒュイ!ヒュイ!ヒュイ!」というけたたましい音が聞こえてきました。

 すぐに目が覚めて、サービス登録をしてあった緊急地震速報と気づきました。しかしとりあえず何をしたらよいかが浮かびません。うすぼんやりと(あ~、パソコンのモニターを押さえた方がよいのかな~)と思うくらいで、実際には何一つ出来ないものでした。

 来るか、来るか、と布団の上で待ちかまえていたものの…、結局は誤報で済みました。テレビをつけるとやはり緊急地震速報を流しています。

 今のは一体なんだったのか…。


---------- 【ここから引用】 ----------

緊急地震速報:誤報原因は地震計ソフトの改修ミス 気象庁 毎日新聞 2009年8月25日 23時35分
 http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20090826k0000m040134000c.html

 25日朝に千葉県東方沖を震源とする地震が起きた際、同県南房総市の地震計から過大なデータが送信され緊急地震速報が誤って発表された問題で、気象庁は同日午後、この地震計のソフトの改修ミスが原因と発表した。

 同庁によると、この地震計は設置した「明星電気」(群馬県伊勢崎市)が24日に改修を実施。その際、委託された震度情報送信に関するソフトだけでなく、緊急地震速報にかかわるソフトも無断で改修した。その過程でミスをし、過大な観測データが速報システムに送られる設定になった。同社はこの改修を同庁に報告せず、同庁も気付かなかったという。

 同社は大阪市など他の3カ所の地震計も同様の改修をしていたため、いずれも改修前の状態に戻した。同社の役員らが25日に同庁を訪れて謝罪し、作業態勢などを見直すことを約束した。同庁は改修を引き続き委託するという。

 同庁の伊藤秀美地震火山部長は「気象庁にも監督責任はある。改修などを外部委託する際は、どんな作業がどのように実施されたのかをしっかり確認できるようチェック態勢を見直したい」と述べた。【福永方人】

---------- 【引用ここまで】 ----------

 どうやら地震計のソフトの改修ミスだったようで、とりあえずはほっと胸をなで下ろしました。

 いざというときに役立つシステムも、数多くの段階の一つで何かが狂うとちょっとした騒動になりますね。

 昼のニュースでは、最初に「ちゃんとしてくれないと迷惑ですね」とやや憮然とした男性に続いて、「困りますけれど、原因を究明して本当の時はしっかり働くようにして欲しいですね」というコメントが流されていました。

 とりあえずマスコミの姿勢は、二人目のコメントに代表されるのでしょうか。

 どんなシステムだって、失敗を繰り返しながらより良いものに改善されるプロセスがあるわけで、振り返ればまあ良い訓練になったのではないかと思えます。本当の地震が来る時もこういう音がするのだとわかりましたしね。

 これが逆に、震度を過小評価するようなソフトのミスだったら地震が来ても作動しないということもあったわけですから、反省を踏まえて担当者のさらなる精進を期待したいと思います。

 緊急速報「エリアメール」に登録していない方はこの機会に登録してみてはいかがでしょう?
 →http://www.nttdocomo.co.jp/service/safety/areamail/
 でも本当に数秒後、といわれると動けないものですね。こちらは精進が足りん!うーむ。 

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タミフル耐性ウィルス

2009-08-24 23:09:38 | Weblog
 いよいよ新型インフルエンザが蔓延してきたようです。

 こんなに高温多湿な時期にもかかわらず、一向に感染が衰えないということで、冬に向けてはさらなる患者数の増大が予想されます。まずはいろいろな知識を備えておくことと、自分だけでもかからないように手洗いやうがいを実践いたしましょう。

 とは言いながら、やはりかかってしまったときには病院や薬のお世話にならないといけなくなるかもしれませんが、現場のお医者さんはこうした事態をどのように見ているのでしょうか。

 インフルエンザに効く薬として話題にもよく出てくる「タミフル」ですが、これが効かないウィルスも登場したという新聞記事がありました

 事実は事実として大変なことのようですが、MRICという医療関係者のメールマガジンにこの記事を読んだお医者さんからの投稿がありましたのでお届けします。

 お医者さんの本音はどんなものなんでしょう。


---------- 【以下引用】 ----------


        ▽ 「『タミフル耐性菌』」 ▽

       有限会社T&Jメディカル・ソリューションズ代表取締役
       AFP(日本FP協会認定)
       医学博士
        木村 知(きむら とも)

         2009年8月24日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行
                 http://medg.jp
------------------------------------------------------------------------------

 「タミフル耐性菌が発生したんですってね」
 先日、風邪で来院した園児の母親にそう言われた。
「耐性『菌』でなくて耐性『ウイルス』でしょう?」
と私は口をはさんでみたのだが、それを無視して母親は、「この冬はどうなってしまうんでしょうか?新聞には、その患者さんは、リレンザを使ったら回復できた、と書いてあったからひとまず安心しましたけど。でも、リレンザの耐性菌もいずれ出てくるんでしょう?」と少々興奮気味。

 「もともと元気なひとなら特別な薬なんか使わなくたって、自然に治るんだから、あんまり心配しなくていいんですよ」とその場はそれで終わらせたが、実際冬場になったら、このようなやりとりが一日に何度も交わされることになるのであろう。

 高度な情報社会で、インターネットも多くのひとが当たり前に使いこなせる現在では、患者さんの医療に関する知識が以前に比べて格段に増えた。しかし、残念ながらそのすべてが正確な知識というわけではない。今まで医者しか使わなかった専門用語が当たり前のように世間一般に浸透し、診察室で、あまり専門用語に気を遣わなくてもよくなってきたのは、ある意味助かるのだが、この母親の「耐性菌」のように中途半端な知識に基づいた専門用語を耳にするたびに、何とも言えない気持ちになる。


 中途半端なのは世間一般の医学知識だけではない。
 
 この母親が読んだ「タミフル耐性ウイルス」の記事は私も読んで知っていたのだが、その新聞記事には、読者に誤解をもたらす可能性がある、ひとつの中途半端な表現があった。


「国内初のタミフル耐性、大阪で確認・・・リレンザは効果」
 (http://osaka.yomiuri.co.jp/tokusyu/influenza/if90703a.htm  こままさ補足)

 大阪府内の新型インフルエンザ患者から、治療薬タミフルが効かない耐性ウイルスが検出されたことを厚生労働省が2日、明らかにした。6月末にデンマークで世界初の耐性ウイルスが発見されており、国内での確認は初めて。

 厚労省によると、5月15日に発症した別の患者と濃厚接触した人で、予防のためタミフルを服用中に発熱し、新型インフルと診断された。大阪府公衆衛生研究所の遺伝子解析で、タミフル耐性を示す突然変異が確認された。この患者は、別の治療薬リレンザを投与されて回復。周囲への感染拡大は認められていない。

 デンマークでは「公衆衛生上の危険はない」として、タミフルを治療薬として使い続けている。日本も同様に、タミフルを使用する方針は変えない見通しだ。(2009年07月03日 読売新聞)

 この記事を読まれて、なにかお気づきの部分はあっただろうか?

 私の頭にまっさきに浮かんだのは、耐性ウイルス出現の不安ではなく、この記事の読者は「この患者は、別の治療薬リレンザを投与されて回復。」という一文の意味を間違って捉えてしまわないだろうか、という心配だった。

 おそらく「タミフル耐性ウイルスではあるが、リレンザは効く」という意味で書かれた一文であろうが、「されて」という部分に私は強いひっかかりと不安を感じてしまったのである。

 この一文には「リレンザを投与されて(やっと)回復した」すなわち「投与されなければ回復しなかった(かもしれない)」と読者に誤解させてしまうニュアンスが含まれていると思うのだ。先日の母親の言葉からも、その誤解の存在を感じさせる。

 メディアの表現の仕方が中途半端であると、いとも簡単に読者に誤解をもたらしてしまう、ということを今回改めて実感してしまった。タミフルやリレンザを使わないとインフルエンザで大変なことになってしまう、治らない、と思い込んでいるひとが驚くほど多いのは、このような報道の蓄積が原因なのだと私は思っている。


 中途半端で奇妙なことは、まだほかにもある。

 7月22日、新型インフルエンザの届け出基準についての改正省令が厚労省より公布された。これは、新型インフルエンザ患者の全数把握は終了させて、今後はクラスター(集団発生)サーベイランスに移行させるというものだ。

 正式には7月24日からの施行だが、実は、もうすでにかなり前から全数把握などされてはいない。ほぼ全国的に感染者の報告が出た時点であったにもかかわらず、インフルエンザA型陽性患者発生の報告を所轄の保健所にすると、「関西方面に行っていなければ、通常の季節性インフルエンザとして対応してください」と患者の容態すら確認せずに対応されていたのだ。

 このような対応をされると、診察室内でわれわれ医者と患者さんは、「多分、新型だよね~」と目を見合わせるわけだが、「PCR必要なし」と言われてしまえば、現場としてはせいぜいタミフルを処方して自宅で十分休んでいただくよりほかに、なす術はないのである。

 では、単発症例は今までどおり報告しないとして、今後クラスターサーベイランスは本当に機能するのであろうか?

 改正省令では、所轄の保健所長から集団発生が疑われる施設の情報が医療機関に提供され、その集団に属する患者さんがインフルエンザ様症状を呈し、インフルエンザの診断がついた場合に、感染症法第12条の規定に基づく届け出を行うことになっている。したがって、クラスターの存在を医療機関が知って感染者を報告するには、まず保健所からの情報が必要ということになる。

 わが国では、どの医療機関を患者さんが選ぶかは自由であるため(フリーアクセス)、個別の患者さんがどの集団に属しているのかを医療機関側が把握するのはかなり難しい。よって保健所からの通達がなければ、患者さんの周辺情報をもとにクラスターの存在を推測するしかないわけだ。

 しかし、実際は保健所からの情報より案外有力な情報ソースがある。

 それは「お母さん情報」だ。

   *   *   *   *   *

 先日、近隣のある中学校で集団発生があるとの情報を得たが、その情報は保健所からではなく、皮肉にも「お母さん」のウワサから得たものだ。このような経験をしてしまうと、今回の中途半端なクラスターサーベイランスはシステムとして機能しないということを、早くも実感してしまう。
 
 そこで近隣2ヶ所の保健所に、今回の改正省令につき問い合わせをしてみた。どのように医療機関側がクラスターを把握すればいいのかを問うと、「学校ならば、学校から教育委員会を通じて保健所に連絡が入るので、その情報を医療機関に連絡します」とのことであった。

 このやり方では、かなりのタイムラグを生じる上に、会社や事業所など営利団体からの報告が正確になされるのかどうか不明であり、極めて曖昧で中途半端な施策であるといわれても仕方がない。そもそも、複数の患者さんがすでに発生している集団からさらに新しい感染者が出たからと言って報告する意義があるのだろうか。

 それを多忙の中、煩雑な手続きをしてまで行う医療機関がいったいどのくらいあるのだろうか。私にはわからない。乱暴な言い方をすれば、すでに特定されたクラスターから有症状者が出たなら、検査せずともインフルエンザとして対応してもいいくらいなのではないか、とさえ思ってしまう。

 新型の検出キットがない状況で、もはや現場では新型か季節性かの区別などできないし、するつもりもなくなってしまっているのが実情だ。今回の改正省令の通達も7月22日に公布されたものの、私の勤務する現場の医療機関に地域の医師会経由で届いたのは、驚くべきことにそれから2週間近くも過ぎた8月4日だ。現場はもはや、新型インフルエンザ対策についての興味と熱意をすっかり失ってしまっていると言っても言い過ぎではないだろう。

 それでも、もし新型を季節性と区別して、その流行状況を把握し感染拡大を防止しようとするのであれば、まったく周囲に感染者の心当たりがない単発症例だけをピックアップし、その患者さんが属する集団に注意喚起するほうが、よっぽどパンデミック対策として有効ではなかろうか、と私は思う。


 中途半端ついでに、マスクについての私見をひとつ。

 もともと外科医である私は、清潔不潔の区別を新人のころからさんざん叩き込まれてきた。その感性からすると、手術室の外はもはや不潔区域であり、その汚い空間で、いくら高性能のマスクを着けたとしても、どうも中途半端さを感じずにはいられない。それこそ冬場に一日に何十人も、数分おきにインフルエンザ感染者を診療していると、いちいちマスク交換などしておれず、顔中にインフルエンザ患者さんの咳のシブキを直接浴びながら一日過ごしているのが実情だ。

 そんな一日の終わりころには、眼鏡はシブキで曇っているし、汚い話、顔中がツバ臭くなっている。感染予防のマスク着用について否定するつもりは全くないし、正直本来なすべき感染対策を十分しているとは到底言えない状況であるが、やむを得ないいわゆる「裸顔」でインフルエンザに対峙している医者集団も一部には存在するのだ、ということをここに記しておきたい。

 医学の進歩も、医療技術の発達も、医者の技量も知識も、患者さんの医学知識も医療機関の使い方も、メディアの報道内容も方法も、医療機関や行政の感染症対策も、まだまだ「中途半端」である。その「中途半端さ」が杓子定規で融通の利かない、硬直した人間関係を心地よくやわらげてくれるものであればよいのだが、誤解や不安を助長するものであったり、人間どうしの信頼関係を損なってしまう原因になっているのであれば、時間はかかってもひとつひとつ修正していかなければならないのではないだろうか。


著者紹介
 1968年カナダ国オタワ生まれ。大学病院で一般消化器外科医として診療しつつクリニカルパスなど医療現場でのクオリティマネージメントにつき研究中、2004年大学側の意向を受け退職。以後、「総合臨床医」として「年中無休クリニック」を中心に地域医療に携わるかたわら、看護師向け書籍の監修など執筆活動を行う。
AFP認定者として医療現場でのミクロな視点から医療経済についても研究中。著書に「医者とラーメン屋-『本当に満足できる病院』の新常識」(文芸社)。

------------------------------------------------------------------------------

配信・解除依頼は info@medg.jp までメールをお送りください。
手続きに数日要することがありますので、ご了承ください。

今回の記事は転送歓迎します。その際にはMRICの記事である旨ご紹介いた
だけましたら幸いです。

                MRIC by 医療ガバナンス学会
                http://medg.jp
************************************************************


---------- 【引用ここまで】 ----------


 中途半端な知識や思い込みだとパニックにもなれば、中途半端ゆえにそれがまたなんとなく社会の安定を保っているというのが社会や庶民の現実のようです。

 過度に恐怖を抱かずに、それでいて一応やれるだけのことはやるという中庸を保つあたりに社会生活を穏便に過ごすコツがありそうです。

 電車に乗り込んでくる家族が全員マスクをしているなんてシーンをよく見かけるようになりました。それが異様に見える私は、中途半端な危機意識しかないのでしょうか。うーむ・・・。 
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イザベラ・バードのパネル展 in 札幌

2009-08-23 23:27:26 | Weblog
 

 昨日のフォーラムに来てくれた知人のYさんから、駅前の紀伊國屋書店でイザベラ・バードのパネル展をしているということを聞きました。

 そこで空港へ向かう途中に札幌駅で降りて、少しだけ立ち寄ってみることにしました。紀伊國屋の二階のコーナーにその一角はあり、パネル展のタイトルは「翼をもった女」となっていました。

 イザベラ・バードは開国後まだ間もない明治11(1878)年に日本を訪れたイギリスの女性旅行家です。

 彼女はその年の6月から9月にかけて東京から日光、新潟を経て北海道までの北日本を旅しました。

 今回の展覧会は、イザベラ・バードの足跡を辿る会が主宰するものだとのことで、壁には大きな道南地域の地図が貼られていました。

 

 

 彼女は北海道の旅を函館から始めたのですが、七飯町、森町と歩き、そこからは室蘭まで舟で渡り、室蘭からは白老を経由して平取まで行きました。
 函館から室蘭方面を見るとすごく近いことが分かりますね。

 彼女の旅行記は、世界がまだアイヌの文化について知られていない頃に、アイヌの人たちの風俗について書き留めた貴重な文献資料となっています。

 ややきつい表現も散見されますが、総じて日本と日本人に対して好意的な文章を残してくれたイザベラバード。

 函館開港150年の今年、函館に縁の歴史に触れてみるのも良いかもしれません。 

 
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地域SNSフォーラム in 札幌

2009-08-22 23:47:26 | Weblog



 札幌で開かれた地域SNSに関するフォーラムに参加しました。

 タイトルは「地域SNSは『地域力』に貢献出来るか」というもの。この3年間、北海道の地域SNSとして活動を続ける「北海道どっとねっと」の活動を振り返り、あらためてそれは地域に対して貢献できているのだろうか、というテーマでの意見交換です。

 まず最初にネット上で”Helvetia”というハンドルネームで参加してくださっている元大学教授から現代のグローバル社会とそのなかの北海道について、という話題提供がありました。

 Helvetiaさんは、北海道生まれですが長く北海道を離れていて、ネット上で北海道を語るSNSに興味を持って参加したということで、まさにネット時代だからこそできた縁で今回登場して頂いたのでした。

 スイスにお詳しくて、面積が北海道の半分で人口は北海道の二倍というスケールで世界に冠たる独立国となっているスイスになぞらえて、分権を目標とするよりも分国くらいをイメージするくらいでよいのではないか、というご意見でした。

    ※    ※    ※    ※

 私も話題提供者として、「『どっとねっと』の問題解決能力と生涯学習」という話題提供をしました。

 そのエッセンスは、①ネットというツールを使い、②一人一人がネットでのリテラシーを持ち、③知恵や知識を持ち寄る「集合知」を形成すべきだ、というものです。

 集合知は、
①多くの人から収集した個々の判断や知識を蓄積し、
②ディスカッションなどを通じて間違った情報を削ぎ落とし、
③最終的に個々の知識だけでは創造できなかったより高い次元の知識や最適な解を導き出すこと、と考えられますが、このことがネット時代にはとても易しくなりました。

 既にブログや掲示板、2チャンネルや価格ドットコム、アマゾンなど、ネットを介してたくさんの参加者による多くの情報が集まることで、より高いレベルの知恵や知識に到達することができるようになりました。

 地域SNSも多くの参加者が情報を交換するという意味では似たような形をしていますが、上記のような物とは少し様相が違います。

 それは参加者が上記に比べると少ないですし、エリアの話題も地域が中心になるということで、昨日としては①つながりを開拓する橋渡し(Bridging)機能と②つながりを強化する(Bonding)機能に多くの期待があるようだからです。

 人と人の新たなつながり形成やその強化はどのように地域の活性化に貢献すると言えるのでしょうか。

 続いての車座討論で、私は一つの事例を挙げました。

「世の中のことを『物事(ものごと)』と言いますね。これはモノとコトが合わさってできている言葉です。モノとは実物であり実体であり、コトとはそれらを介在して起きている現象と考えられます」

「ネットで交流が盛り上がっているというのは、コトが盛んになっているということですが、それが実体としてのモノの付加価値を生むとかモノの価値を知らせることになるということになって初めて地域に貢献したと言えるのだと思います」

「北海道の農産物も安全で安心、美味しい、というだけでなく、それを加工して付加価値をつけたり、その意義をより多くの人に伝えるようなコトにネットが貢献出来るように努力をしたいものです」

 ネットがネットでいる限りは盛り上がってもただの現象ですが、それが自分自信の向上や経済の発展などの実体に結びついて価値を生み出してこそ、社会の発展があるといえるでしょう。

 ネットの負の面を押さえつつ、効果的に使いたいものです。 
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