北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

公園に冬の雪置き場にしている実態の研究 ~ 都市計画学会研究発表会

2024-11-30 23:12:59 | Weblog

 

 雪の中を北海道大学工学部で開催された日本都市計画学会北海道支部研究発表会に参加してきました。

 北大13条の銀杏並木に雪が乗っているさまは実に美しく、学問の拠点である大学には樹木が実に似合います。


 支部研究発表会での論文発表は今年は6本とちょっと少なくて残念でしたが、それぞれに街づくりに対して様々な角度から切り込んだ調査研究成果が聞けました。


      ◆


 私が興味を持った発表は、札幌市立大学4年生の塩原ななさんの「清田区の街区公園における雪置き場としての現状と課題~札幌市「公園の雪置き場としての利用制度」に着目して」という研究でした。

 冬に大雪の降る札幌市では郊外戸建て住宅の多くが敷地内だけではなく、公園や空き地などの敷地外への排雪に依存していることが明らかになっていてい、地域内での雪処理の推進が課題とされています。

 一方札幌市では2005年から、遊具の保護などを条件に、町内会単位での公園を地域の雪置き場として利用する制度を開始しています。

 今回の塩原さんの研究では、清田区の住宅街区を事例にしてアンケートなどを取ることで、郊外住宅地での地域内雪処理の実態を把握しようと試みられました。

 札幌市の清田区は、他の区に比べて住民が公園を雪置き場として利用する協定を利用している割合が最も高いのだそうで、まずはそこから調査を始めたとのこと。

 調査では三か所の、様々な特徴を持った街区公園を抽出して、そこを雪置き場として利用している人の声、利用していない人の声を聞いています。

 民間の除排雪業者を利用しているかどうかとか、融雪層などがあるかどうかで公園に雪を捨てるかどうかの行動パターンに変化があるかどうかをちょうさしたりもしています。

 札幌の住宅地で、雪をどのように処理しているかは結構大きなテーマなはずですが、これまで案外そうした研究の事例は少ないようです。

 面白いところに目をつけてくれました。

 この発表は支部長奨励賞を授与しました。

 未来に役立つ調査研究の種がまた一つ見つかりました。

 

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ビジネス手帳を新しいものに替えました ~ 心機一転

2024-11-29 23:56:02 | Weblog

 

 12月を目前にして、使っているビジネス手帳を来年のものに替えました。

 私が愛用しているのは「手帳の高橋」の#411番。

 一週間を見開きにしているほか、一か月の見開きと一年間の見開きページがあるので、予定全体を把握しやすくてもう何年も愛用しています。

 ただ昨年買った時より100円ほど値上げしていました。

 私は予定調整のほかに、やったことやあったことの記録のためにも手書きの手帳が便利だと思っています。

 ところで単に「手帳を替える」といっても、移行は結構な手間がかかります。

 それは、手帳には過去数年の年間スケジュール表と各種のIDとパスワードの記録も一緒に新しくして移すから。

 過去の年間スケジュールには今年のものも加わって、過去4年間が振り替えられます。

 この時期にどこへ行って何をしたのかを一目で俯瞰できると、今のこれからの予定も立てやすくなりますし、やってきたことの積み重ねも見ることができるというわけ。

 IDとパスワードは、一年の間に新しいものが加わったり、もう使わなくなったものを除去したりして、最新の形の表にしておきます。

 パスワードは単語や数字を自分だけにわかる暗号にしてあるので、落として他人に見られてもすぐにはわからないようにしています。

 手帳を替えると、年末年始とはまた一味違った、心機一転の感じがありますね。

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老親のマイナカード取得

2024-11-28 22:31:02 | Weblog

 

 任意後見人の手続きのために、父の住民票、戸籍謄本、印鑑証明書が必要になりました。

 代理人ではなにかと面倒なので、父を連れて市役所へ行き上記の書類の交付を受けようとしました。

 一応本人確認が必要と思いましたが、父はマイナンバーカードも自動車運転免許証も持っていません。

 母から「健康保険証くらい持っていったら」と言われて、ビニールケースに入った保険証をもって窓口へ。

 申請書類を提出する際にやはり「ご本人ですか?ご本人と分かる証明書をお持ちでしょうか?」と訊かれました。

「健康保険証を持ってきました」というと、「お顔の写真がないので二種類必要なんです。何かもう一種類の証明書はありませんか」と二種類の資料が求められました。

 うっかり健康保険証しか持ってこなかったので、「これしかないんですが…」というと、「ああちょっと中を拝見します…、あ、ありました」

 そういうと、健康保険証と一緒に介護保険被保険者証がケースの中に入っていたのを見せてくれました。

「これで確認できました。では待合席でお待ちください」


      ◆


 実家に戻って母に「介護保険証も入っていたので助かったよ」というと、「やっぱりマイナンバーカードを取った方がよくないかい?」と言います。

 以前から両親とも、「保険証もマイナンバーカードに統合されるなら、カードを取得した方がよいのじゃないか」と言っていたのですが、弟はそこに意見を異にしていました。

 弟曰く、「なくすリスクとか、暗証番号を忘れるリスクとかもあるから、もう持たなくてよいのじゃないか。保険証だって、新規発行はなくなるけど、今のままで当面使えるし、市役所から資格確認証明書も届くはずだよ」とのこと。

 当面は病院にかかるのも支障がないか、と結局そのままにしていたのですが、もうこれからの時代、顔写真入りの証明書がないといざというときに不便だということもわかりました。

 母は「今だったら市役所で写真を撮ってくれて手続きも手伝ってくれるんだよ」というので、市役所のホームページを見てみたら、「予定の人数に達しましたのでサービスは終了します」とありました。

 しかし両親がもうその気になったのなら、その勢いで取得する支援をすることにしました。

 必要なことは写真を撮って申請書を作ってそれを発送するだけです。

 受け取りの際にパスワードの設定がありますが、それも直前に打ち合わせればよいでしょう。

 健康保険証とのリンクも手伝えば何とかなるか。

 時代の流れに逆らってはいけません。

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任意後見人に向けて勉強開始 ~ 認知症になる前が肝心

2024-11-27 22:07:01 | 後見人の話

 

 成年後見人制度で長男である私自身が父の後見人になるべく手続きを始めました。

 成年後見人制度については、裁判所が指名する法定後見人と、誰もがなれる任意後見人があるとのことですが、細かいことがわかりません。

「困ったときは近くの公証役場に問い合わせてください」という記述を見つけて、職場近くの公証役場にアポを取って訪問してきました。

 やはりインターネットで勉強するだけではわからない細かい点も教えてもらって、今後の手続きの道筋が開けました。

 
 教えてもらったことで印象深かったことは以下の通りです。

①後見人には法定と任意があるが、被後見人(ここでは父のこと)が認知症になり判断力を失ったとみなされたら、任意後見人にはなれず法定後見人にお願いするしかないこと。

 これは、もう判断力を失っている人を利用しようという悪意のある後見人の選定を避ける意味があります。

②任意後見人になるには、事前に被後見人(父)と後見人(私)との間で、事前に契約書を交わすことが必要。

③契約には、「将来型」と「移行型」(と「即効型」)がある。

④「将来型」とは、まだ判断力があるうちに契約を交わしておいて、被後見人の判断力が落ちた時に裁判所に申し立てを行って、後見契約が効力を有することになるタイプ。

⑤「移行型」とは、契約と同時に財産管理や身上保護などの事務を行えるという内容の委任契約を結ぶタイプ。

⑥後見契約が発動されたら裁判所は、後見人監督人を指名し、後見人はこの監督人に3~6か月ごとに後見活動報告を行う。

⑦後見人就任後は、一か月以内に被後見人の財産調査を行い、財産目録を作成する義務が生じる。財産目録は、預貯金や不動産などの財産の内容を記載した書面のこと。

⑧後見人や後見監督人に対しては報酬が発生する。

⑨今後は被後見人の戸籍・住民票・本人確認書類と後見人になろうとする者の住民票・本人確認書類を公証人役場に提出して、王証人役場に契約書の原案を作成してもらう。

⑩契約書が妥当とされたら、被後見人と後見人が公証役場に出向いてその場で契約書を交わし、契約書の原本は法務省に登記される

 …などなど、これからも結構な手間がかかりそうです。

 認知症になってしまえば法定後見人しか認められず、報酬も発生することから任意後見人になろうと思っている方がおられたら、事前に早めに契約を交わしておくことが重要です。

 皆さんの親御さんや身近な方で、任意後見人になろうという方はいらっしゃいますか?

 何事も早めの対応がよろしいようで。

 

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使い勝手の良い品は…

2024-11-26 22:43:20 | Weblog

 職場の給湯室で出張の際に車の中で使うハンディポットを洗おうとして、居合わせた女性職員と会話になりました。

「それはオフィスで使うんですか?」
「いいえ、出張中の車の中で使うんですよ」

 そういって、このポットの説明をしました。

 私が気に入ったのは、

①入るドリンクの量がちょうど良くて大きすぎないこと
②運転中に左手で開けられて、左手で閉められること
 …という2点でした。

 社用車のホルダーは運転席から見て左前方にあります。

 そのホルダーに置いてあるものを左手で取り出して片手で蓋を開けて飲めて、また蓋をして元に戻すという動作が簡単にできるのがこの製品でした。

 同じようなタイプのハンディポットは実にたくさんあるのですが、同じタイプでも開けるときのボタンを押すのに力が要るのがあって、これはボタンが軽いのが気に入りました。

「それで、これはどこの製品ですか?」

 そう聞かれて、そこに貼ってあるラベルを見ると「ニトリ」とありました。

 そう、ニトリの商品は価格もリーズナブルで使い勝手の良い商品が多いのです。

 するとその女性職員も、「ニトリですか!私もニトリの商品で最高に気に入っているのがあるんです」と言います。

「それは何ですか?」
「着る毛布です。これが本当に暖かくて、ベッドから出てちょっとした作業をするのにも動きやすくて本当に良いんです」

「そうなんだー」
「でも大人気商品なので、すぐに売り切れちゃうんですよ。もし見かけたらちょっと気にしてみてください」

 
 最近はその道の専門メーカーの大手企業ではなくても、性能というよりも総合的な使い勝手が良い商品が増えました。

 企業努力というべきか、飽くなき改善志向というべきか。

 消費者にとっては選べる種類が多いということは喜ばしい事ですね。

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冬の災害への備え

2024-11-24 21:47:37 | Weblog

 

 妻がテレビで防災特集の番組を観て、何かしなくちゃと思い始めたようです。

 これまでも、ポータブル電源を購入したり、水のボトルをストックしたりしていましたし、キャンプ道具はいざというときの備えにもなるので充実させてきました。

 しかし「実際に水も電気も使えない前提で3日間くらい暮らしてみる練習をしたほうが良いかもしれない」と言われて、それも夏の温かい時期ではなく、これからの寒い季節となると笑い事ではありません。

 ポータブル電源も買ってはみたものの、本当にどの電化製品がどれくらい使えるのかはやってみたことがありません。

 自家用車のノアは、エンジンを動かせば1500wまでの給電ができることになっていますが、実際冬での被災となると、暖房器具を動かせるのか、冷蔵庫は動かせるのかなどは不明です。

 多くの災害は訓練の想定を超えた形で襲ってくるものです。

 普段からの練習しかないのでしょう。


 買い物に行ったついでに思わず電池を買い込みました。

 電池も買うだけではなく、電池を収納しておく専用ケースを備えてそれを置いてあるところも決めておくのが良いのだそう。

 小さなことから実践することが必要です。

 ポリタンクにストックしてある水も交換しておこうとキャップを開けようとしたら、プラスチックが劣化してキャップが壊れてしまいました。

 こんなこともあるんだと驚き、ポリタンクも買い足しておこうかと思いました。

 災害も冬だと厳しさが違います。

 札幌は積雪が10センチになり、いよいよ冬の始まりです。

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「一人でできる?」と聞かれたけれどできなかった記憶

2024-11-22 22:45:35 | 介護の世界

 

 まだ3歳だった時に、長期出張中の父の宿泊所に私一人だけが連れられて行ったことを覚えています。

 はじめは父の職場にいたのですが、宿泊所に帰るときに父は「一人で帰れるかい?」と私に聞きました。

 たぶん私は「うん」と答えたのだと思いますが、そこで父と別れて私は一人で宿泊所に向かいました。

 後から母に聞かされたのは、「お父さんはたぶん麻雀に行ったんだよ」とのことでした。

 一方「帰れる」と言った私は、曲がるべき道を間違えて迷子になってしまいました。

 一人寂しく道路で泣いていると、それに気が付いた女性が家に招き入れてくれたようで、私は寂しいのも忘れてそのお家で遊んでいました。

 そこで父の名前を言ったのかどうか、どうしたのかは覚えていないのですが、やがて血相を変えた父が玄関を開けて、私は引き取られていったのでした。

 父から「一人で帰れるかい?」と訊かれたけれど結局できなかった私。

 まだ3歳の頃の苦い思い出です。


      ◆


 今日はその父の月に一度の通院日で、私は休暇を取って父に同行しドクターから父の診断書をもらうことにしていました。

 病院では毎回少し待たされた後に、腕に点滴の針を刺して袋2つをローラーのついた点滴スタンドに吊り下げ、さらに待たされたところでドクターの診察を受けます。

 父と一緒に診察に入れてもらって、父の問診を終えて血液検査結果を聞いたところでドクターは「ではお願いされていた診断書も出しておきますね」と言いました。

 そこで「ありがとうございます。それで、診断書の病名は何になるのでしょうか?」と訊くとドクターは、「まあ、脳血管性とアルツハイマーの混合型の認知症なのですが…」と言いましたが、後で受け取った診断書には「アルツハイマー型認知症」となっていました。

 診察を待つ間も、「こんだけ点滴の量があると、30分はかかるかなあ」という父に、「うーん、もっと2時間くらいかかると思うよ」「2時間か!じゃあお昼を過ぎちゃうなあ」という会話を5回くらい繰り返しました。

 なので診断書にも驚きはありません。まあそういうことで。


      ◆


 診察が終わっても、点滴が終わらなければ父は帰りの送迎バスに乗るわけにもいきません。

 その間に事務の方がやってきて、「小松さん、処方箋も出ていてお会計もできますけど」と言われたので、「じゃあ、僕が行きます」と私が父の代わりに会計を終えて処方箋を受け取りました。

 以前からここまでやれば用は足りて、後は父に任せれば薬をもらって帰りの送迎バスに乗り込んで家まで帰ってこられます。

 なので、私は一足先に母のいる実家に帰っていることにしました。

「処方箋はこのバッグに入れてあるからね。薬はもらって帰ってこられるよね?」

 父は一瞬ぽかんとしましたが、「ああ、うん」と言い、私はそこで父を病院において帰ってきました。

 実家では母を買い物に連れて行き、それが終わったところで私の家まで帰ってきました。


 すると家についてから1時間くらいしたところで母から電話がありました。

「お父さん、薬をもらわないで帰ってきちゃった。処方箋がバッグの中にあるの」

 (ああ、失敗した)と思いました。

 何のことはない、点滴を待っている間に私が薬を取りに行ってしまえばよかっただけのことで、父に任せなければ良かったのです。

「わかった、じゃあもう一度行くよ」

 結局、もう一度実家へ立ち寄って処方箋を預かって薬を受け取ってきました。

 これから先もこんなことがあるのかな、と思いながら、私には冒頭の昔迷子になった時の記憶がよみがえりました。

「一人で帰れるかい?」と訊かれてできなかった私。
 
 それが今は「薬をもらって帰れるかい?」と私に訊かれた父はもうそれをできなくなっていたのです。

 
 実家に薬を届けると、母は「ごめんねー、二度手間にさせちゃって」と言いますが、失敗したのは私です。「いや、僕が薬を取ってきちゃえばよかっただけさ、かえってすみません」

 今回はこんな失敗ですみましたが、さてさて次回の通院からはどうなることか。

 早く成年後見人の手続きを進めようと思います。

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成年後見人制度に挑戦するとしますか

2024-11-21 23:03:33 | 介護の世界

 

 今回稚内宗谷方面を訪ね歩いて、またまたいろいろな方と会って情報交換ができました。

 そんななか、ある建設会社の方が、「次の自分のテーマが『成年後見人』なんです」と教えてくれました。

 会社の中には自分よりも高齢で単身の職人さんがいて、将来なにかあったときの財産や事務処理などに後ろ盾となる人がいたほうが良いだろう、と思うことが多くなったのだそうです。

 そしてそうした後ろ盾となるのが成年後見制度です。

 成年後見制度のホームページを見てみると、制度の説明として下記のようなことが描かれています。

 ---【以下、「日本公証人連合会」ホームページより】--

 一般的に後見とは、保護を要する人の後ろ盾となって補佐することをいいますが、法律上の後見は、後見人に財産管理や日常取引の代理等を行ってもらうことによって、保護を必要とする人を守る制度をいいます。

   成年のための後見制度は、認知症、知的障害、精神障害等の理由で判断能力の不十分な方々を保護し、支援する制度です。判断能力の不十分な方々は、不動産の管理や預貯金の預入れ、払戻し等財産を管理したり、身の回りの世話のために介護保険を利用してのサービスや施設への入所に関する契約を結んだりすることが難しい場合が少なくありません。

 自分に不利益な契約であっても正しい判断ができずに契約を結んでしまい、悪徳商法の被害にあうおそれもあります。成年のための後見制度は、このように、認知症や精神障害等の理由で判断能力の不十分な方々を保護し、支援する制度です。 


  成年のための後見制度は、法定後見制度(成年後見制度)と任意後見制度の二つがあります。

   この法定後見制度は、裁判所の手続によって成年後見人等(成年後見人・保佐人・補助人)が選ばれ、後見が開始する制度で、判断能力の程度等本人の事情に応じて、「成年後見」(判断能力が欠けているのが通常の状態にある人を対象)、「保佐」(精神上の障害により、判断能力が不十分な人を対象)、「補助」(軽度の精神上の障害により、判断能力の不十分な人を対象)に分かれています。なお、成年後見人等は裁判所が選任するので、当事者の希望される方が選任されるとは限りません。

  これに対し、保護を必要とする人が、判断能力が十分なうちに、自分の意思(任意後見契約)によってあらかじめ後見人を選任するのが、任意後見制度です。

 ---【ここまで】---

 この方の話を聞いて、まさにそれは我が家でも同じ問題が起きるなあ、と思いました。

 私の父も軽度の認知症という診断がなされています。

 母がまだ元気で頭のしっかりしているので今は良いのですが、今後母に何かあったときに父が単独で何かを判断するということは時間が経てばたつほど難しくなってゆくと思われます。

 任意後見制度は、「委任者が自分の判断能力が十分なうちに、あらかじめ後見人となってくれる人(「任意後見受任者」といいます。)と任意後見契約を締結し、そこで選任しておいた任意後見人に、将来、自分が認知症や精神障害等で判断能力が不十分になったときに支援を受ける制度」とされています。

 そのため、父の判断能力が十分なうちに後見人を決めておいて、判断能力が落ちた時に効力を発揮するというものなので、まだ元気なうちに決めておかなくてはならないのです。

 任意後見人を決めるにも時間の限りがあるということです。


     ◆


 任意後見人となるのには特別な資格はいらないそうで、法律が任意後見人としてふさわしくないと定めている事由がない限り、成人であれば、誰でも、委任者本人の信頼できる人を任意後見人にすることができて、本人の子、兄弟姉妹、甥姪等の親族や知人でもかまわないとのこと。

 法律が「ふさわしくない」と定めているのは「破産した人とか行方不明者、本人と訴訟をしている…」などの要件で、一見、息子である私には当てはまらないと思われます。

 母や弟と相談したところ、「その方が良いね」ということになり、まずはどんな手続きになってゆくのかを公証役場に相談に行くことにしました。

 これもまた老いを迎えるための生涯学習の新しいテーマになりそうです。

 皆さんのご家庭は大丈夫でしょうか?

 ご両親の世話でできることに一つかもしれませんよ。

【成年後見人制度】 成年後見はやわかり|厚生労働省 
 

 

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それを世代間ギャップと呼ぶのだろうか ~ 現実に自分を寄せなくちゃ

2024-11-20 23:20:39 | Weblog

 

 旭川から南下して札幌へと戻ってきました

 途中で建設会社やら役場やらを訪ねながらの行程は、営業活動でもあるし情報収集でもあるし、情報提供でもあります。

 大半は世間話ですが、世間話をするにもネタを町の中から拾うには種となるネタが必要です。

 以前ある研修で、ある事務職の方が、「今までは書類ばかり相手にしていたが、突然地域の自治体を相手にするポジションに異動となり戸惑っています」と悩んでいました。

「まずは世間話からするのじゃないですか」と言ったところ、「そういう人たちと世間話をしたことがないんです」という答えが帰ってきました。

 そうか、世間話をするのも経験や練習やスキルということになるのか、と目からうろこでした。

 まさか世間話の練習をするわけにもいかないだろう、と思いつつ、もしかしたら研修で受講生を隣同士で世間話をさせる、ということだってあるのかもしれません。


     ◆


 そういえば、ある自治体の市役所の副市長を訪ねたときにこんな話を聞きました。

 それは、その自治体の市長さんが、「いやあ若者の考えていることが全然わからない、世代間ギャップを感じるなあ」と言うので、では、と副市長さんが、今年採用の新卒職員全員に対して対面で面談をしたというのです。

 そこで、「市役所で働いてみて今何か悩みはありますか」と訊いてみたところ、「電話が怖いです」という若者が思いのほか多かったのだそう。

「大卒の子ならまだそれほどでもないのですが、高卒で入ってきた子たちはほとんどが『電話が怖い』と言う」のだと。

「その世代の若者は電話をしたことがないとか?」
「まさにそれです。友達とのコミュニケーションはほとんどがメールやLineで、文字で打つことでやりとりするので、彼らは『顔の見えない人とどうやって会話したらよいかわからない』と言うんです。電話をする機会って、せいぜい家族に『迎えに来て』というくらいなんだそうで。
 しかも市役所に外からくる電話ってともするとクレームとお叱りの電話じゃないですか。他人に怒られるという経験もないのですよね」

「でもいつまでも怖いと言われていても困りますよね」
「ええまあそこで、二人一組にして電話に出てやり取りをする練習をさせたりもしてみていますがね。やはり我々の世代には考えられないような未熟さ、というか、それもまた世代間ギャップでくくられるということでしょうかねえ」

 
      ◆


 違う役場へ行ったところ、今度は職場を辞めてすぐ転職をしてしまう若者の話になりました。 

「最近はうちでも卒業直後ではなく、転職者を対象とした中途採用を増やして職員募集をかけています。ところがなかには、履歴書にものすごい数の職歴をずらっと書いてくる人がいるんです」
「それって、転職を繰り返しているという意味ですか?」

「そうです、そういう人には、希望をもって就職してみたもののそれは自分が意図した職場とは違うという思いが募って、『もっと自分に合う職場があるはずだ』と新たな希望を抱いて転職を繰り返すというわけです。できるだけそういう人ではない人を採用したいと思いますが、最初に夢破れる職場がうちでは困りますね。
 ある人はそういう人たちを称して、『夢を追い続ける若者たち』と呼んでいました。ここではないどこかに自分の理想とする場所があるはずだという夢を追い続けてしまって、そこに自分を合わせようとは思わないんですね。
 でもどうやっても、そういう人が一定の割合でいるんだ、ということに最近気が付いてきました。願わくば採用した人がそうでないことを祈るばかりです」

 どれも私が生きてきた社会の常識の範囲を超えていて、"世代間ギャップ"でくくられてしまいそうですが、ある程度は社会とはそういうものだ、という風に自分を現実に寄せていってほしいものです。

 
 こういうことが一日や二日の研修で心変わりしてもらえるものでしょうか。

 普段からのOJTと職場のコミュニケーションの問題かもしれませんが、さてさて、答えはどこにあるでしょう。
 

 

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家族がそろって休みたい ~ 休めない職場は選んでもらえない時代

2024-11-19 20:35:50 | Weblog

 

 稚内市内で知人に挨拶をして、ゆっくりと南下し今日は旭川泊りです。

 道路は圧雪状態のところも多く、慎重な速度管理とハンドルさばきが求められました。

 冬道の運転は慎重になりすぎることはありませんね。


     ◆


 ゆく先々で「人手不足の将来はどうなりますか?」と訊いて歩いているのですが、答えなどあるはずもありません。

 ある建設会社では、「あと10年はなんとかもちますが、その先は見えません。そして会社のメンバーの顔触れはずっと変わりません(笑)」と自嘲気味の答えが返ってきました。

 別な建設会社では、「特に現場の社員の負担を減らしてやろうと、建設ディレクターを導入して、しかも若い女性にそれを担ってもらっています」という前向きな対応も聞かれました。

 建設ディレクターというのは、ITとコミュニケーションスキルで建設現場を支援する新しい職域のことで、今建設会社では積極的に導入しているところが増えています。

 やることは主に、工事施工に関する書類作成やICT業務で、現場とオフィス、経営をつなぐ役割が期待されます。

 現場に出て現場の監督と一体になって書類作成をするというやり方もあれば、本社などのバックオフィスで書類を専門に作るというやり方もあります。

 建設工事の仕事の中でも、書類づくりは一定の業務量がある反面、必ずしも現場にいる人がやらなくてもよい仕事を切り出して、支援要員がサポートすることで現場の職員は現場に集中することができて残業時間も減らすことが期待できます。

 しかも若手や女性従業員などでもそれらのスキルを身に着ければが最新のスキルを身につけながら、やりがいを持って建設会社で働けるようになります。

 こういう形で仕事をより効率的にこなすことはこれからのトレンドになってゆくことでしょう。


      ◆

 
 一方で、仕事が偏ることの弊害を指摘する方もいました。

 その方は「国は現場の技術者へ求める要件が厳しすぎる」と指摘しています。

「うちの会社では、国の仕事で道路事業、港湾事業、農地整備事業の三種類をやらせていただいています。
 今年からの残業規制や職員の負担軽減もあって、できるだけ週末の土日は休むように工事の調整をさせているのですが、道路事業は道路の規制くらいが課題なので土日を休むことが比較的容易です。
 しかし農地整備では、農家さんが働くことが天候に左右されてそれが工事にも影響します。なんとか日曜日だけは休むようにしていますが、土曜日は出ることもあるのが実態です。
 また港湾の港整備事業も波があるときは工事ができませんが、凪いでいるときは工事を進めたい意向が働いてやはり出ることがあるんです」

「なるほど、工事の種類によって働き方も微妙に違うんですね」

「それで、国の工事の入札の際には、技術者を登録してその者個人に『過去に同種の工事の経験があるかどうか』を問われて、その経験が点数として反映されて工事の受注に影響します。
 なので、道路事業の経験がある技術者はどうしても次も道路の工事をやってもらうことになり、同様に農業工事ばかりやる技術者、港湾工事ばかりやる技術者という風に、得意なというよりも経験のある工事に張り付いてもらうようになってしまいます」

「なるほど、でもそれはなにか問題があるのですか?」

「はい、技術者が家庭の中の父親としてみたときに、道路担当の技術者は割と確実に土日が休めるので家族サービスがしやすいのです。
 逆に農業工事や港湾工事では土曜日の予定が立たなくて、家族との触れ合いがやりにくい、という声が上がりました」

「あ、あー、そういうことですか」

「できれば今年は農業でも来年は道路工事を担当してもらって、来年は確実に土日が休める、というようなローテーションをしてあげたいのですが、先ほど言ったように技術者個人の経験が問われているものですから、そこで経験のない者をつけることは入札上不利になってしまいます。
 なのでなかなかその担当の工事を変えることができないんです」

「それはどうしようもないのですか?」

「道庁さんの工事では、過去の工事経験について技術者個人の経験は問わず、会社として経験があるかどうかだけを問われます。なので、工事が取れてからだれを担当にするかを考えて振り分けることが可能です。
 しかし国はその要件が厳しいんですよね、はあ」
 

    ◆


 今日、社員がちゃんと休みをとれるかどうかは建設産業で働いてもらえるかどうかに関して非常に重要な項目になっています。

 休めない職場には若者は来ないのです。

 かたや工事の出来具合を気にする発注者側と、それに応えようとし続けると将来それをやってくれる働き手はいなくなるという矛盾が見え始めているのかもしれません。

 働き方改革の視点で目からうろこの現場感覚でした。

 常に時代の変化を踏まえた改善が求めらますね。
 

 

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