ここのところ週末に天気が悪い日が続いていてなかなか釣りに行けませんでした。
ストレスもたまり始めていて、今日も午後から天気が悪いという予報の中、「それなら午前中だけでも」と余市方面へ釣りに行ってきました。
今日のポイントは、余市市内のヌッチ川。
ヌッチ川とは、いかにもアイヌ語由来の地名らしい名前です。
家に帰ってきてから、手元にある山田秀三さんの著書「アイヌ語地名辞典」を開いてみましたが、そこでもどうもその意味ははっきりしないよう。
同署によると、「西蝦夷日誌は、『ノツ。ヌウチ川と云。訳て沙の岬の事なり』と書いたが、それには砂の意味はない。ノッ(岬)を考えた解らしい。あるいはノチ(その岬)と読んだものか。
永田地名解は『ヌ・オッチ。豊漁場。豊漁をヌーと云ひ、漁獲多き処をヌーウシ或は又オッチと云ふ。ヌツチと云ふは訛なり』と書いた。音から見てむりのない解らしい。
なお、知里博士地名アイヌ語小辞典には『nut,-i。川が一様の深さでゆるやかに流れている所;とろ』という語がある。『そのヌッ」という時はニチ(nuchi)となる。この川は大川ではないが、ゆったりとした川なので、もしかしたらと思って参考のために書き添えた。』
と記されています。(以上、「アイヌ語地名辞典」より)
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アイヌ語の地名って、本州から来た人にとってはとても不思議な感じがするようで、「それってアイヌ語でどういう意味なんですか」とよく訊かれます。
すぐに「それはね…」と答えられるとかっこよいのですが、「川はペツとかナイとかいいますね」くらいのことは言えても、細かな地名の全てにスラスラと答えるのはなかなか至難の業。
実はアイヌ語地名は、北海道遺産の一つにも挙げられていて、北海道を代表する歴史的文化遺産です。
道庁の説明では、「北海道の地名の約8割はアイヌ語に由来するとされている。アイヌ語の地名は、知らない場所でも、その名から地形や位置づけなどが分かるものとなっており、現在は片仮名や漢字で表記され原音と異なる場合もあるが、本来はアイヌ民族の自然と調和した伝統的生活の中から歴史的に形成された。アイヌ文化の意義を理解する重要な手がかりとなっている」となっています。
日頃から気になるアイヌ語地名の由来などを勉強しておいて、いざというときにパッと答えられたらcool!ですね。
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さて、肝心のヌッチ川の釣りですが、護岸に囲まれた中でも大きな石から落ちる瀬があって、それなりの渓相ではあるのですが、いるのは小さな新子(シンコ)ばかりで、フライをつつきはするものの食うにはいたりません。
たまにかかるのはウグイばかりで、ちょっとがっかりでしょうか。
最上流の端まで行ってみると、さらに渓相は良くなるのですが、ここでも魚影なし、魚信なし。
餌釣り者がたまに入っているようなので、もっていかれたのかも。
堤防が続いていて歩きやすい川なのですが、もう少し魚がいてほしかったです。
川筋はそろそろ秋の風情が漂ってきました。