【出典:JCCCA】
菅総理が地球温暖化サミットで、「我が国の温暖化ガス排出量を2030年に2013年度比で46%削減させる」ということを表明したのが4月のこと。
総理がこういうことを発現するということは霞が関の中でどれくらい調整されたのか、とちょっと調べてみたのですが、どうも事前に調整を仕切った数字ではないようです。
一部には「経産省は40%さくげんならなんとか」と進言したものの聞き入れられなかった、という情報がありましたが、先に『46%』という数字がありきだったのでしょう。
46%と言う数字は、役人が特によく使う『四捨五入すると繰り上がる』作戦で、50%になるという絶妙な数字のようにも見えます。
まあ小泉環境大臣の『…46と言う数字がおぼろげながら浮かんできたんですよね』に至っては、もうちょっとまともなことを言って欲しかったものですが。
さて実はわが社のCSR報告書などを読んでいると、環境目標の一つが、『2030年までに2013年度比で二酸化炭素を26%削減させる』ということになっていて、これはそれまでの我が国の方針そのものでありました。
今般、2030年度に46%削減ということになると、当然会社の方針や目標もそこに置かれることになるのではないか、そもそも政府が国民や企業に対しても厳しい取り組みを求めてくるのではないか、ということは予想されることです。
そこで、ではわが社が一企業として企業活動の中でどのように二酸化炭素を減らせるか、ということをテーマに調べてみるといろいろなことが分かってきました。
【出典:JCCCA】
まず国全体の問題としてとらえると、大きくは「電力問題」と「非電力」問題に分けられます。
一番大きな課題は、電力をどうやって低炭素→炭素ゼロ(カーボンニュートラル=CN)にできるかという問題です。
そのためには太陽光・風力発電などの再生エネルギーの活用が一番で、合わせ技で原子力発電、水素利用、二酸化炭素回収技術というようなことが考えられています。
電力以外の非電力となると、輸送・製造・オフィスワークなどが主なCO2発生自由ですが、これらについては燃料電池や熱供給のための水素利用など核心的技術に革新的なイノベーションに期待せざるを得ない分野であるため今すぐ対応することはできません。
しかし電力調達を考えると、国全体では大変でも一民間企業や個人であれば、CO2フリー=カーボンニュートラルの電力を調達することはもう現実にできる時代になりました。
ネットで調べると、再生エネルギーを売る事業者は年々増えていて、需要家はどこから電気を買うかが選ぶこともできます。
さらに「みんな電力」という会社に至っては、単にCO2フリー電力を供給してもらうだけではなく、どこで作った電気を買いたい、という要望にも応えてくれるとのこと。
例えば、「震災復興のために福島で発電している再エネ事業者の電気を買いたい」とか「わが故郷の〇〇市で作っている電気のためにお金を払いたい」ということも可能です。
もっとも「みんな電力」さんに言わせると、「単に電気を売り買いするだけではなく、電気の売買を通じて人や物、気持ちの交流につなげたい」ということで、たんなる儲け狙いのビジネスではなく、環境問題への取り組みが地方活性化や地域振興につながるような心をつなぐビジネスとしての志を感じさせます。
こういう面白い取り組みを勉強していると、環境問題が単に自分だけ良ければ良いというところからもう少し視野を広く持つと、もっと大きな社会問題の解決につながるような工夫が必要だと感じます。
CO2対策はまったなし。
周りの様子を見ながらおっとり構えていてはだめで、各自が率先して取り組まないといけない時代がすぐ目の前に迫っていると感じます。