一応今日も夏らしくほどよい暑さの一日。久しぶりに西瓜を買って夏を堪能です。
さて今日は、
■土用の丑と暦の知識 の1本です。
【土用の丑と暦の知識】
夕ご飯を何にしようかという話になって、そういえば先週の28日が土用の丑の日だった事を思い出して、「うなぎが食べたい」と言うと、うちの奥さんが申し訳なさそうに「お父さんが出張中の28日に私たちは食べました…」と言う。
なにー!くそー、おやじのいぬ間に美味しい思いをしていたとは。
ところで土用の丑の日にウナギを食べるようになったのは、江戸時代に発明で有名な平賀源内がウナギ屋からコピーライトを頼まれて「土用の丑にウナギを食べよう」というキャッチコピーを作ったことが最初、という説が有力。
夏の暑い時期にビタミンが豊富なウナギを食べてスタミナをつけるのはなかなかに生活の知恵である。
ところで「土用の丑」と言われながら案外知られていないのが「土用」の方。
夏休みに海水浴場へ行くとよく「土用波が立つともう泳いじゃダメ」などと言われたもので、なんとなく夏だけの様な気がするが、実は春夏秋冬が立つまえの18~19日(つまり各季節の最後の18~19日でもある)は全部土用というのだ。
これは陰陽五行説から来ていて、物質は全て木火土金水の五つの要素からなっていると説明する考え方がベースになっている。
この考え方では四季を五つの要素に当てはめようとして、春を木、夏を火、秋を金、冬を水にあてている。しかし季節は突然に春が夏に、夏が秋になるわけではなく、その中間に変化をする時があるのであって、それが土用というわけである。
土の気の重要なところは、一方で万物を土に還す作用と他方で万物をはぐくみ育てる季節という作用があって、殺すと生かす・育てるという両方の性質を持っていると考えられたのである。
そこで、季節の変わり目に土の気をあてて、過ぎ去る季節を殺し、来るべき季節をはぐくみ育てるのが土用、というわけ。
だから四季の循環の変わり目には必ず土用があるのだが、今ではもっぱら夏の土用しか生活の中で関心を呼ばなくなり、土用の期間の間の丑の日にウナギを食べる事くらいしか生活の中には登場しなくなったのだ。
俳句でも「土用」はもう夏の季語として定着していて、そういう面からももう「四季全部にあるのですよ」と言っても無理なのかも知れないね。
でもまあそんなわけで、夜にはしっかり鰻を食べて元気もりもりなのでありました。
土用鰻息子を呼んで食はせけり 草間時彦
* * * *
そうそう、上述の木火土金水という順番は「もく・か・ど・こん・すい」と覚えておくといろいろと暦を読む上で役立ちます。
子、丑、寅…の十二支の他に十干というのがあって、甲(こう)乙(おつ)丙(へい)丁(てい)戊(ぼ)己(き)庚(こう)辛(しん)壬(じん)癸(き)の十個の漢字を充てる。
昔の通信簿は甲乙丙丁戊でつけられていたのを知っているのはもうだいぶお年寄りかな。
今でも年号はこの十干と十二支の組み合わせで60年に一度の年回りを示している。十干はコウ、オツ、ヘイ…という読み方の他に、キノエ、キノト…という読み方もあって、ちなみに今年は乙酉(きのととり)というわけ。
十干の読み方が分からないという方は、木火土金水のそれぞれに「兄(え)」と「弟(と)」をつけると読み方になる。
つまり、甲は「木の兄」で「きのえ」、乙は「木の弟」で「きのと」と読むという法則がある。これさえ覚えれば、丙は(ひのえうまの)「ひのえ」、丁は「ひのと」…と続くというだけのこと。
問題は「木火土金水」という順番と「甲乙丙丁戊…」という漢字が覚えられない事。
これだけはちょっとだけ努力をする必要があるかも知れないけれど、これを覚えているだけで、甲子園が作られた大正13年8月1日が、奇しくも、十干、十二支のそれぞれ最初の「甲(きのえ)」と「子(ね)」が60年ぶりに出合う年で、そのおめでたさをこういう形で伝えたのだ、なんてことも分かったりする。
鰻を食べるとすこしは頭も冴えるかもよ。
さて今日は、
■土用の丑と暦の知識 の1本です。
【土用の丑と暦の知識】
夕ご飯を何にしようかという話になって、そういえば先週の28日が土用の丑の日だった事を思い出して、「うなぎが食べたい」と言うと、うちの奥さんが申し訳なさそうに「お父さんが出張中の28日に私たちは食べました…」と言う。
なにー!くそー、おやじのいぬ間に美味しい思いをしていたとは。
ところで土用の丑の日にウナギを食べるようになったのは、江戸時代に発明で有名な平賀源内がウナギ屋からコピーライトを頼まれて「土用の丑にウナギを食べよう」というキャッチコピーを作ったことが最初、という説が有力。
夏の暑い時期にビタミンが豊富なウナギを食べてスタミナをつけるのはなかなかに生活の知恵である。
ところで「土用の丑」と言われながら案外知られていないのが「土用」の方。
夏休みに海水浴場へ行くとよく「土用波が立つともう泳いじゃダメ」などと言われたもので、なんとなく夏だけの様な気がするが、実は春夏秋冬が立つまえの18~19日(つまり各季節の最後の18~19日でもある)は全部土用というのだ。
これは陰陽五行説から来ていて、物質は全て木火土金水の五つの要素からなっていると説明する考え方がベースになっている。
この考え方では四季を五つの要素に当てはめようとして、春を木、夏を火、秋を金、冬を水にあてている。しかし季節は突然に春が夏に、夏が秋になるわけではなく、その中間に変化をする時があるのであって、それが土用というわけである。
土の気の重要なところは、一方で万物を土に還す作用と他方で万物をはぐくみ育てる季節という作用があって、殺すと生かす・育てるという両方の性質を持っていると考えられたのである。
そこで、季節の変わり目に土の気をあてて、過ぎ去る季節を殺し、来るべき季節をはぐくみ育てるのが土用、というわけ。
だから四季の循環の変わり目には必ず土用があるのだが、今ではもっぱら夏の土用しか生活の中で関心を呼ばなくなり、土用の期間の間の丑の日にウナギを食べる事くらいしか生活の中には登場しなくなったのだ。
俳句でも「土用」はもう夏の季語として定着していて、そういう面からももう「四季全部にあるのですよ」と言っても無理なのかも知れないね。
でもまあそんなわけで、夜にはしっかり鰻を食べて元気もりもりなのでありました。
土用鰻息子を呼んで食はせけり 草間時彦
* * * *
そうそう、上述の木火土金水という順番は「もく・か・ど・こん・すい」と覚えておくといろいろと暦を読む上で役立ちます。
子、丑、寅…の十二支の他に十干というのがあって、甲(こう)乙(おつ)丙(へい)丁(てい)戊(ぼ)己(き)庚(こう)辛(しん)壬(じん)癸(き)の十個の漢字を充てる。
昔の通信簿は甲乙丙丁戊でつけられていたのを知っているのはもうだいぶお年寄りかな。
今でも年号はこの十干と十二支の組み合わせで60年に一度の年回りを示している。十干はコウ、オツ、ヘイ…という読み方の他に、キノエ、キノト…という読み方もあって、ちなみに今年は乙酉(きのととり)というわけ。
十干の読み方が分からないという方は、木火土金水のそれぞれに「兄(え)」と「弟(と)」をつけると読み方になる。
つまり、甲は「木の兄」で「きのえ」、乙は「木の弟」で「きのと」と読むという法則がある。これさえ覚えれば、丙は(ひのえうまの)「ひのえ」、丁は「ひのと」…と続くというだけのこと。
問題は「木火土金水」という順番と「甲乙丙丁戊…」という漢字が覚えられない事。
これだけはちょっとだけ努力をする必要があるかも知れないけれど、これを覚えているだけで、甲子園が作られた大正13年8月1日が、奇しくも、十干、十二支のそれぞれ最初の「甲(きのえ)」と「子(ね)」が60年ぶりに出合う年で、そのおめでたさをこういう形で伝えたのだ、なんてことも分かったりする。
鰻を食べるとすこしは頭も冴えるかもよ。
