今日は一日かけて札幌市内の官庁五カ所に対して要望活動を行ってきました。
要望の内容は、道路予算の確保や、高規格道路網の早期の整備、道路の維持管理の推進などですが、特に今年は、働き方改革に対する対応についても話題にしました。
働き方改革の動きですが、今のところ建設業に対しては残業時間の上限規制などの労働基準法は適用除外になっています。
しかしこの労働基準法の上限規制を、建設業にも一定の期間後(5年をめど)に適用するというのが、大きな流れなのです。
東京の大手建設業者の中には、すでにそうした流れを当然と受け止めるところも出ています。
それは、法律違反にならないように先に手を打つ、という意味もありますが、それ以上に、残業を野放しにしているような企業や業界には、もはや若者たちは就職してくれないという切実な現実があるからです。
休日や休暇が計画的に取れて、残業も多すぎたりしないというような職場が、給料が多いことよりも重視されるのが現代若者気質。
そうした受け皿づくりを急がなくては、次の時代を担ってくれる働き手がおらず人手不足による企業倒産の可能性もあります。
こうした事情から、働き方改革の波にいち早く乗ろうという動きがあるのです。
しかし、一年中雪がなく仕事ができる本州ならばいざ知らず、北海道のような積雪寒冷地では、道路舗装がスムースにできるのは雪のない時期に限られています。
工事ができる期間が本州に比べて短いのに休んでいるのは、とてももったいないことに感じられて、つい頑張ってしまうのがこれまでの業界のスタイルでしたが、そんな常識を変えながらなお企業の経営が成り立つような条件が整うのでしょうか。
とても不安に思えますが、その一方で「とにかくやらねばならぬ」と言う思いもあって、まだ心が定まらないというのが本音です。
そうしたことも含めて様々な意見交換ができて有意義な一日でした。
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なお、北海道開発局を訪ねた際には、和泉開発局長より、「今般の日勝峠の開通に当たっては、本当にお世話になりました」と暖かいねぎらいの言葉がありました。
実際、日勝峠の工事を担当した企業からお話を聞くと、工事はそれが始まった7月からもう夜間工事を含む昼夜兼行の体制になったそうです。
また現場の近くのアスファルト合材を供給してくれる工場がなく、120km離れた日高門別の工場から長い距離を運搬して工事に当たった、と苦労話を聞かせてくれました。
舗装事業者も災害復旧の一翼を担う、責任ある業界なのです。
担当してくれた関係企業の皆様に改めて敬意を表します。お疲れ様でした。