今日は支部長を務めている、公益社団法人日本都市計画学会北海道支部の総会がありました。
私や副支部長などの執行部7名が会議室に集まって、そのほかの参加者はZoomによるリモート参加でした。
令和2年度の事業報告と会計報告を行った後に、令和3年度の事業計画と予算計画、そして新年度の執行部の体制を議題として会員に諮り、新しい年度のスタートです。
私も2年の支部長任期を終えて、次は北大の高野先生に支部長をお譲りすることとなりました。
…といっても、学会の正式な理事・支部長交代は6月の総会がタイミングなので、2か月後の交代です。
支部長を降りても、引き続き地理総合支援の担当は続ける予定なので、まだこの分野の責任は続きます。
振り返ると、この2年間はコロナにかき回されっぱなしで、与えられた予算も出張旅費などを使う場面が激減して、かなり余らせてしまい本部にお返しをすることになりました。
せっかくいただいた予算でしたが、上手に使ってもっと活動的にやれなかったのが残念なのですが、こればかりはやむを得ない状況でした。
この間支えていただいた、幹事の皆様ならびに支部会員各位には感謝申し上げます。
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さて、今回は総会に合わせて講演会を企画しました。
講演会の講師には、わが都市計画学会の会長で東京大学教授の出口敦先生にお願いをし、「ポストコロナに向けた都市計画を考える」というタイトルで、都市計画問題の最前線の話題についてお話を聞くことができました。
興味深かったのは、『コロナ禍を経験する中で都市計画はどう対応するか』という問いに対して、
・都市の利便性に依存した集客ビジネスモデルの見直し
・住宅・オフィス・飲食空間・移動空間の空間仕様の転換が必要
・「密」を避けるための行動変容の誘導で、そのためにはデータ駆動型社会であるべき
・新しい生活様式として、地域のストックを生かして市民目線で今日住環境を機動的に改善してゆく取り組みが必要
…といったことを示されました。
また国交省都市局では、『ニューノーマルに対応した都市計画のあり方』について学識者による検討会を開催して、先日その中間取りまとめがホームページにも公開されたとのこと。
印象的だったのは、「都市を空から見ているような計画論ではなく、地上の市民目線で求められることや必要なことを、実験的な取り組みも試みながら素早くやってみることが大切ではないか」というご指摘でした。
コロナで在宅勤務が増えた結果、改めて自分の住んでいる地元の魅力や課題に気がついた人が増えているようだ、ということ。
従来型の維持管理から、より広い人たちを巻き込んだ「マネジメント」によって理想に近づける取り組みが求められているようです。
改めて、ハイレベルなお話を聞くというのは刺激的でした。
さて、北海道は北海道のまちづくりを進めましょう。