北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

残り1%の中の人 ~ 人口カバー率99%の影

2022-05-31 22:35:49 | Weblog

 私が高校2年生なるときに父が稚内に転勤になり、両親と弟たちは稚内に引っ越して、私は高校卒業までの2年間、旭川で下宿生活を送ることとなりました。
 
 夏休みには稚内に帰省するということになったのですが、その年の夏に稚内に行ってみると家にトランプのスペードの形をした藁で編んだ団扇がありました。

「どうしたのこれ?」と訊くと母が「浜頓別に旅行に行った時のおみやげだよ」と言います。

 まだ天北線のあったころの話で、母は汽車に乗って旅をしてきたというのです。

 自分の中では浜頓別という地名や漁業の町というイメージとそのスペードの形の団扇のイメージがどうにも重ならなくて、「浜頓別」と聞けばそれを思い出すという結果的に強烈な印象を残すことになりました。


     ◆


 そんな子供の頃の思い出の浜頓別町ですが、大人になってから何度も訪ねるようになって、新たなイメージができあがりつつあります。

 かつて天北線の駅のあったところは駅がなくなり道の駅やバスターミナルができています。

 すぐその横には北海道で2番目に作られた"ラウンドアバウト"というロータリー交差点もできました。

 まちの風景が大きく変わりました。

 そんな浜頓別町の南町長を表敬訪問して最近の町の話題を伺いました。

 南町長の最近の問題意識は「知床の事故を見て、改めて携帯電話の不感地帯が問題だと思いました」と言います。

 宗谷地域は人口が少なく集落が点在する散居的な地域になっており、集落感をつなぐ山奥の道路ではどのキャリアも繋がらない不感地帯が残っています。

「やはり電話がつながらないと事故のようないざというときの連絡ができません。実際浜頓別と豊富町を結ぶ道道で事故があったのですが、そのときにもなかなか連絡が付かず、受ける側もどこから発信されているかが掴めないということもしばしばです」

 町長としては総務省や携帯キャリアなどに様々な陳情や状況説明を行ってきたのですが、「やはり知床ですね。連絡ができないというのは、現代社会の通信インフラがないということです。人口カバー率が99%と言われても、カバーされていないエリアの住民としてはゼロですから」


 効率的な民間事業では非効率な事業はしばしば実施されないという事があります。

 行政の対象人数は少なくても、最低限の現代生活は公的にも一定の保証があるべきだと思います。

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安く作れる公営住宅でまちなかの賑わいをとりもどす

2022-05-30 22:36:07 | Weblog

 

 今日から再び宗谷方面へ挨拶回りの出張です。

 今日の宿泊は浜頓別町。

 浜頓別町では商工会議所を訪ねて、こちらの事務局長さんから、地元の零細企業を活用・支援しながら進めようとしているまちづくりについて伺って意見交換をしてきました。

 地方の自他地帯の困りごとはなんといっても人口流出ですが、その背景には案外安く住めるちゃんとした住宅が少ないのではないか、というのが問題意識。

 それはつまり、家賃が安いだけの安普請の住宅ではなくて、ちゃんと暖かく高機能でそれでいて家賃が安い公営の賃貸住宅という事が答えになってくるのだと。

 その際に各種の住宅補助制度をうまく活用すると、自治体にとって安くて負担の少ない工夫も可能で、そこはまさに現場最前線の自治体職員の知恵によるところが大きいのです。

 浜頓別で進めようとしている政策は「街中挿入型公営住宅です」と言います。

 それは市街地の中心部で歯抜けになったところに地元企業でも建築できるレベルの木造の公営住宅を作ってゆくのだと。

「PFI型にして民間会社が自分たちで建設すれば、そもそも安く建設できることが期待できるのと、建設には補助金が半分出ます。さらにそれを公営住宅として自治体が借り受けて低所得の住民に貸せば、支払ってもらえる家賃と本来返済すべきお金との差額にも補助が出る制度があります」

 つまり資金面では補助金の制度を最大限に利用するとともに、地元企業を活用して建設にあたってもらえば地元の仕事にもなる。

 その際に高層の鉄筋コンクリートとなると遠くから大手のゼネコンがやってきてお金をかすめ取られるところを、地元でもできる木造住宅で作ることで地元でのお金の域内循環が図られるという、一石何鳥もの効果を狙おうというのです。

「大きな自治体になると公営住宅もつい鉄筋コンクリートで大きな建物を作りたくなり、それが将来のメンテナンス費用の高騰にもつながるし、メンテナンスも外部の業者にきてもらわなくてはならない。それが地元で建設できて、地元でメンテナンスもできるような規模や建築物が良いのです」

 
 こうして公営住宅街をドカンと作るのではなく、小規模な住宅でまちなかの隙間の土地をゲリラ的に埋めて行き地域の住民と賑わいを創出するのが良いのではないか、というのがこのプラン。

 事務局長さんは「ただしこれを成功させるには、あまり大都市に近くないほうがよかったり、地元にまだちゃんとした建築や設備の会社がいて、域内で仕事ができるという条件も必要でしょう。
 そして何より…」
「何よりも…なんですか?」

「それでいこうという担当行政マンのエネルギーと、それでよいという首長や議会も含めた行政力の協力と結集が必要なように思います」

 
 確かに制度は非常に細かくて複雑なので、それらの制度の間を縫うような精緻なプランニングができる力が必要でしょう。

 問題は今日、それらに耐えうる行政力が地方の役場に残っているかどうかです。

 人口減少を行政による住まいづくりで耐えるという発想、実に興味深いものです。

 どこかで真似をしてくれる自治体は出てくるでしょうか。

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こんなラーメン屋はないものか

2022-05-29 22:24:06 | Weblog

 

 妻と娘と孫を連れて四人で札幌駅近くでの買い物に行きました。

 お昼も食べちゃおうという事で、久しぶりにラーメンを食べることに。

 ただ注文する前から分かっていたことではあるのですが、大人が3人いるとはいえ生後11か月の孫を連れてラーメンを食べるのは大変です。

 孫を左の膝に載せて右手で食べようとしますが、すぐに手を伸ばしてきたり背筋を伸ばして抵抗するので簡単にラーメンをすするわけにはいきません。

 妻と娘と交代交代で抱きかかえながら箸を進めますが結局孫を抱いている間はその者はラーメンを食べられない状態です。

 気を利かせたお店の方が子供用の椅子を持ってきてはくれましたが、椅子にちんまりと大人しく座っていられるわけでもありません。

 ぐずって暴れる幼児を抱えてのラーメンはなかなかに大変です。

 できればせめて5分でも時間差で注文をするとか、一人だけ外で待って時間差で入店するなんてことがやれれば良いのですが、お店に入って注文をせずに待っているというのも気が引けてしまいます。

「『子育て中なのでご協力していただけますか?』ってお願いすればお店も『困ります』とは言わないんじゃないか?」と娘に言ってみましたが、「いやあ、できないわ」と消極的な答え。

 結局三人同時に注文して三人に同時にラーメンが出来上がってくるので上記のような有様です。

 まあお昼のピーク時間帯はとても無理でしょうけれど。実際は昼をだいぶ過ぎて混んでいない時間帯だったので、本当は素直に時間差で注文ができないかお願いしてみればよかったかな。

 子連れ、子育てにまだまだ心理的な制約があることを痛感しました。

 麺の固さ、スープの濃さには何でも注文できるとして、「時間差注文もご用命ください」というラーメン屋があるといいのですが(笑)。

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袋の文字も剥がれたブースターケーブル

2022-05-28 22:40:29 | Weblog

 

 午前11時過ぎに近くに住む長女から電話が入りました。

「うちの車のバッテリーが上がったみたい。助けてもらえる?」
「わかった、とりあえずブースターケーブルを持ってくよ」

 どうやら先週キャンプに行った際に後部トランクのランプがついていたのがそのままになっていたようで、一週間ぶりに運転しようとしてバッテリー上がりに気がついたとのこと。

 車を運転するうえでブースターケーブルと牽引ロープはいざというときのレスキューに必需品です。

 すぐに駆けつけてブースターケーブルを装着。

「実は僕はやったことないんです」という婿さん。「プラスとプラスの端子をつないで、マイナス端子はマイナス端子と繋ぐのが鉄則だよ」と言いながら端子をつないでこちらの車もエンジン始動。

 給電の負荷を上げるために車のエンジンはかけるのです。

 かつて車にチョークがついていたときはチョークでエンジンの回転数を上げたものです。

 婿さんの車はすぐにエンジンがかかってまずはOK。

「でも一度上げたバッテリーは充電する力が弱くなるから、もう何年もバッテリーを替えていないのならこの機会に新しいバッテリーにした方が良いよ」とアドバイス。

 「これから夏を迎えてエアコンの負荷もかかるということですぐに交換してきました」というメールが返ってきました。

 そういう素直さが良いですね。


     ◆


 実はもう30年以上前に吹雪の雪道で路肩に突っ込んだことがありました。

(困ったなあ)と思っていたら丁度その時に緑色の開発局の除雪車が近づいてきて(助かった!)と思ったのもつかの間、「牽引ロープあるかい?」「…いえ、もってないです…」「あー、じゃあダメだわ、ごめんな」

 そう言われてすぐに助かるチャンスを棒に振ったことがありました。

 結局もう少し後に牽引ロープを持った車が通りかかってくれて助けてくれたのですが、そのときに「助けてもらおうと思えば、自分で助けてもらえる用意をしなくてはだめだ」ということを知ったのでした。

 そのあとすぐに買い求めた牽引ロープとブースターケーブルが一緒になったセットでした。

 もう何十年も使っていなかったブースターケーブルでしたが、頻度は少なくとも「いざ」というときがあるものです。

 何もない時にこそ備えをしておきましょう。

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まだまだ介護や支援の世話にはならぬ…の心は

2022-05-27 23:01:25 | Weblog

 

 先日コロナ罹患後に初めて実家の両親のもとを訪ねました。

 もう父親は満92歳で母親は89歳、二人とも変わらないようでいて日々少しずつ衰えたと感じることが増えているといいます。

「まだ毎日朝のラジオ体操にお父さんと二人で行ってるんだよ。でももう立って体操ができないのさ。行くときは4輪カートを前にして歩いていくんだけど、体操の時はそれに座ってするの。体がどんどん動かなくなるわ」
「家事はできているの?」

「座ったら両手が高く上がるんだけど、立ったら腕が肩までしか上がらなくなった。腹筋がないからなんだね」
「じゃあ洗濯物を干すのは?」

「お父さんに手伝ってもらってる。まあお父さんは足腰は大丈夫だからね」

 
 実際父は92歳と言えども、日常的に歩いたりするのは全く平気な様子。肝心なのは脳の衰えでしょうか。


「この間町内会で私ら二人とも5月生まれだから5月の誕生会をやってくれたんだ」
「ああ、よかったね」

「そのときに司会役の人がお父さんに『ご健康ですね』ってインタビューしてさ」
「ほう」
「普段の口癖が『俺は今まで病院に入院したことがない』て言っているでしょ?あれが自慢なもんだからそう言おうとしてさ」
「うん」

「『俺は今まで病院に行ったことがない』って言ってるのさ。司会の人も『今まで一度も病院に行かれたことがないんですか!それはすごいですね』ってびっくりしてたけど、病院ならしょっちゅう行って薬どっさりもらってきているでしょ。脳の検査で入院しなきゃだめだね(笑)」


    ◆


 母は、「同じ年ご夫婦が最近デイサービスに行きだした」と言います。

「父さん、母さんは利用しないの?」
「いやあ、家で入れているからわざわざ行きたくないね」

 デイサービスは行くことが億劫だ、という事があるのでしょうけれど、さらには今でもやれている日常を変えたくはないという消極的な現状維持の気持ちが強いように思います。

 歳を取ると何かを変えることも大変になっていきますね。

 その頭の柔軟性をいつまで保っていられるでしょうか?

 

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本格的な鼻うがい商品を買いました ~ ハナノア

2022-05-26 21:34:42 | Weblog

 

 あと一週間とは思うものの、シラカバ花粉シーズンの猛攻に会って体調がすこぶる不良です。

 ちょっと薬を忘れると鼻づまり・鼻水が出て、薬を飲んでも目のかゆみが止まりません。

 しまいには薬を飲んでも夜中に鼻水で目が覚めるほどで、これはいよいよ花粉対策を強化せざるを得ない状態です。

 先日、鼻の洗浄のために自作のボトルを紹介しましたが、ここまで来てやはりちゃんとしたメーカーの鼻うがいの商品を買うことにしました。

 購入したのは小林製薬の「ハナノア」。

 以前タレントの今田耕司さんが鼻から大量の液体を出すシーンのCMをやっていたので見たことがある方もいるかもしれません。

 このハナノア、専用の洗浄器具に薬剤を入れて鼻に勢いよく注入するのですが、洗浄剤が鼻の奥深くにに入っても痛くないのです。

 それはこの薬剤が体液に近い成分でできているからだそうで、おまけにミントの香りがついているので洗浄後は鼻の中がすっきりします。

 商品は洗浄器具が入っているものと薬剤だけのものがあって、器具入りを買っておけば後は洗浄剤だけを追加購入すれば良いというわけ。

 器具も二種類あるのですが、私は薬液が鼻の奥を経由して口の中まで入るタイプの器具で使ってみました。

 初めての時は「おお」と思いましたが、確かに鼻の中が痛くならないので快適に鼻うがいができました。

 少なくとも自作のボトルに塩水でやるよりはよほど快適に鼻うがいをしようと言う気になります。

 こういうことにあまりケチらずに、もっと早く買えば良かったと今さらながら後悔と反省をしています。

 使ってみてとても良いのですが、洗浄器具をいちいち持ち歩くのが煩わしいので、今回は職場用にと洗浄器具付きのものを買い足しました。

 これで残りのシラカバ花粉シーズンを乗り切ろうと思います。

 シラカバ花粉症のない人には理解できない、胸突き八丁の最後の苦しみです、はあ…

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コロナ陽性自宅療養での保険給付金請求

2022-05-25 23:02:07 | Weblog

 

 新型コロナウィルスの陽性患者になったことで、今年のゴールデンウィークが自宅療養のために潰れた私。

「自宅療養は入院と同じく保険の給付金支払い対象になるようですよ」という周りからのアドバイスを受けて、保険会社に連絡をしてみました。

 先日その書類が届いたので封筒を開いて申請書の作成にかかりました。

(自宅療養って、保健所から言われてそのとおりにしていただけで証明書もなにもないんだよな)と内心、大丈夫かなと思いながらまずは請求に関する案内を読み進めます。

 まずは支払いの請求書が一枚あって、まずこれを提出する必要があります。

 これには既に被保険者や受取人氏名、登録してある振込口座が印刷されていて、あとは名前と電話番号を書くだけの簡単で親切な内容になっています。

 あとは療養の内容の届ですが、これは大きく「1.入院した場合」と「2.自宅または宿泊施設で療養した場合」で大きく対応が分かれます。

 入院した場合は、病院が診療の明細書を出してそれが証明になるので、あとは「入院・手術内容通知書」を取りそろえる必要があります。

 一方、2の自宅などで療養の場合も日数で二つに分かれて、一つは「14日以内」で、二つ目が「15日以上」というもの。

 私の場合は10日間の自宅療養だったので「14日以内」の扱いですが、これだと上記の請求書の他に療養通知書一枚を提出することになっています。 

 その療養通知書ですが、名前と陽性判明日と療養指示を受けた機関(保健所)、それに宿泊施設か自宅かの別と療養期間を書き込むだけの書類です。

 保健所からの療養証明書もあれば添付が求められますがなくても良い、とのことで、なかなか保健所から書類が届かない中、証明書なしで書類を作成しました。

 あとは投函するだけです。

 証明がないというのがやや心配ですが、もしかしたら保健所にこの者の療養指示が事実かどうかを確認する"かもしれない"というあたりが、偽りの申請を抑制する歯止めになっているのでしょう。

 いまだに札幌も2千人を超す陽性患者が発生しているので、保険会社もさぞ大変な状況のことでしょうね。


 さて、本日その請求書はポストに投函したのですが、家に帰ってみると保健所から療養の証明書が届いておりました。

 うーん、待ちきれなかったか…。 

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「とめる」の命令形は「とめろ」?それとも「とめれ」?

2022-05-24 22:55:05 | Weblog

 以前本州でサッカーをしていた知人から、「北海道のチームと試合をしていると、こちらが相手を抜いたときに『止めれー!』って言うんだよな」と笑われたことがあります。

 そう言われると確かに北海道方言の一つとして、命令形の最後を"れ"にすることが多いのに気がつきます。

 「止めれ(とめろ)」「片づけれ(かたづけろ)」「食べれ(たべろ)」などなど、そうした例は枚挙にいとまがありません。

 本州の友人から「止めれー」を笑われたときは、(田舎くさい方言なのかな)と恥ずかしい感じになったものですが、そのいわれや語源はずっとわからないままでした。

 それが先日とある図書館で手に取った北海道方言の本の中に興味深い記述がありました。

 それは初期の北海道の入植者に対して聞き取りをした記録だったのですが、東北からの入植者が「なぜ"とめろ"ではなく"とめれ"と言うのですか」という問いに対して「"とめろ"は田舎くさい下品な言葉だから使うな、と言われたので"とめれ"と言っています」と答えていることでした。

 その回答者は「本来ならば上品な言い方は"とめよ"なのですが、そう言わずに"とめろ"と言うなんて下品だと思います」と言っているのです。


 なるほど、今では標準語が"やめろ"になってしまったためにそこから外れた表現は地方の田舎くさい方言として貶められていますが、元々はそうではなかった、という話はとても面白く感じました。

 言葉は生き物なので、時代とともに感じられ方が変化することは良くありますし、この歳になると若者言葉がわからないこともしばしばです。

 その時代に上品でも時代とともに下品になったり、あるいはその逆もある。

 言葉って難しいけれど面白い。
 

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室蘭市を訪問、青山市長に伺いました

2022-05-23 21:55:47 | Weblog

 

 今日は室蘭方面への日帰り出張でした。

 メインは久しぶりの青山剛室蘭市長との面談。

 いただいた名刺に不思議な絵が描かれているので「この絵は何ですか?」と訊くと、「室蘭市の新しいブランドマークなんです」とのこと。

 令和4年の今年が室蘭市開港150年・市制施行100年の記念の年であることから、新しいまちのイメージを発信するために新たなブランドマークをつくったのだそう。

 市民にアンケートで室蘭市の資源は何か、と問うたところ、「白鳥大橋、室蘭焼き鳥、地球岬」の三つが選ばれたのだそうで、今回はこれらのコンテンツを描いてデザインしたブランドマークができました。

 地球岬が焼き鳥に負けたのか(笑)、と内心思いましたが、これが今の室蘭の市民イメージなのでしょう。

 こういう動きも面白いものですね。

     ◆

 また私の関心ごとである、人口減少問題についても意見を求めました。

 すると青山市長は「社会的現象の一つに企業活動が縮小して地方に人間が担当する事務仕事が減っていることを課題に思います」と言います。

 その例として、北海道内のNHKの地方放送局の再編の問題を取り上げられました。

 北海道のNHKは現在、札幌の拠点局のほかに、旭川、函館、帯広、室蘭、北見、釧路の七つの放送局があります。

 しかしこれを2022年度に、札幌と室蘭を統合して「道央エリア」に、また釧路と帯広を統合して「道東エリア」に、旭川と北見を統合して「道北・オホーツクエリア」に、そして函館は従来通りの「道南エリア」という、7つの放送局を4つのエリアに統合する案を示しています。

 道東、道南の4エリアに再編。これまで夕方のローカルニュースは7局から各地域に向けて5分ずつ放送していたのが、室蘭、北見、釧路はなくなり、四つのエリアから15分に拡大して放送になります。

 当然人員も体制も減少が予想されるわけで、減らされる地域の首長さんとしてはたまりません。

 青山市長も釧路の蝦名市長、北見の辻市長とともにNHKに対して反対の意思を示しているところですが、こうした企業の再編と集中が地方から仕事を奪っているのではないか、というのが青山市長の意見です。

 その結果、これまで7つの放送局にその地域向けに5分の地元情報を届ける放送枠があったのですが、これらがなくなってしまうのも残念だと言います。

「もっとも、『室蘭は札幌と統合されれば胆振・日高の情報が札幌の住民に届けられるのだから得になるのではないか』と言う意見もあって、痛しかゆしではあるのですが」とちょっと苦笑い。

 いずれにしても、このような業務の効率化が地方の独自色をどんどん薄めてしまい、都会化してしまうということを「時代の流れ」と仕方なく受け入れざるを得ないのか、そんななかでも地方の主張をどのようにとりいれてもらおうとするのか。

 人口減少によって失われるのは多様性ということなのです。

「いや、まさに小松さんが言う通りですよ。昨日も銭湯へ行ったら市民のおじさんから『市長、やっぱり人口減少対策だわ』と言われたばかりなんですよ」

 
 これからもあちこちの自治体の首長さんや担当者の声を聞いて行きたいものです。

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団体旅行は戻っているのか、それともまだなのか

2022-05-22 22:44:47 | Weblog

 

 今回の稚内~宗谷エリアの旅では、団体旅行客がかなり戻ってきていることが印象的でした。

 利尻・礼文の離島への旅も、礼文島のウニが解禁とはいえまだ野草も咲いているわけではありませんし、利尻島でも雪山登山と思しき若者二人組はいたものの、団体ではまだ何を見るのかな、という疑問があるような印象です。

 しかしもうコロナが少しでも収まれば、旅に行きたいという今まで貯めに貯めた思いを止められないというところでしょうか。

 団体客もほぼ70歳半ばくらいのご夫婦連れという感じが多くて、コロナのために人生最後の旅の機会を2年間も奪われたような感じがするのではないでしょうか。

 稚内で泊まったホテルでそんな印象を語ると、ホテルマンの一人は「そうですね、コロナ前の半分くらいまでは戻ってきているかな、と思いますが、実は6月はまだ本格的な戻りになっていないんです」と、まだまだだ、という思いを持っているよう。

「そうですか、僕は思った以上に来ている印象でしたが…」
「実は今旅行をしようと計画している方々の中では、旅行を後押しするいわゆる"GoToキャンペーン"が7月から始まるのではないか、と噂になっているんです。6月から旅を解禁・推進するのはコロナの収まり方から言ってまだ早そうだと。
 それで7月からなのじゃないかというのですが、そうなると皆さん、お得な7月からの旅を狙って6月は買い控えに入るという行動パターンになっているようなんです。それで6月はまだ本格的な戻りにはならないのではないか、というのが旅行業界の見立てなんです」

 なるほど、単純にコロナが収まれば旅に行けるという思いだけではなく、(どうせならキャンペーンでお金が戻るときにお得に行きたい)と思うのも道理なのでしょう。

 旅の推奨キャンペーンが逆に直前の買い控えになるとはねえ、これが行動経済学という奴でしょうか。


      ◆


「それでも団体旅行で行く気になっている人が出てきているという事ですね」と私が言うと、件のホテルマンは「はい、私も始めは(え?今の段階で団体旅行?密な行動になるのじゃないかな?)と思いました。
 でも翌々考えてみると、皆さんバスに乗るたびに全員が手指消毒や体温チェックを行い、行く先も食事も外に自由に触れるわけではありませんよね。
 結局大丈夫な人たちのグループがクローズドな形で移動する分にはまず安全なのだなあ、と思うようになりました」と、団体旅行のメリットを感じるようになったのだと言います。

 観光には旬な季節があって、いつ行っても良いというわけではありません。

 今の時期のここだから良い、という旬な時期は短いものです。

 まだまだ不十分ですが、少しずつコロナ前の元の賑わいに戻ってほしいですね。

      ◆

 稚内の港を走っていて、紋別のガリンコ号を発見。

 なぜここにいるのでしょう、船の整備は稚内が良いのかな?

 

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