北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

人口減少社会を救う報徳思想

2016-10-31 23:48:48 | Weblog

 掛川にいた時にずいぶん勉強した、二宮尊徳の教えである「報徳思想」。

 尊徳先生は実にいろいろなことを述べていて、弟子たちがそれを本にまとめていますが、仕えた殿様に「あなたの教えは『徳をもって徳に報いる』という孔子の教えそのものであるな」と褒められたことにいたく感動して、自らの教えを「報徳思想」と呼ぶようになりました。

 敢えてその要点を表す言葉が、「至誠・勤労・分度・推譲」ということになります。

 至誠=誠実に
 勤労=よく働いて
 分度=分をわきまえ
 推譲=他に譲れ

 これが報徳の教えのポイントで、個人としてそういう個人を目指せば地域社会は安定して繁栄するというのが彼の哲学でした。

 二宮尊徳が生きた江戸時代末期は、時代背景として飢饉がたびたび発生して国民は食うに困る時代であり、また彼が力を尽くした北関東地域は、地方行政などと言うモノの力が弱いために、地域住民が協力し合わないといけないにもかかわらず、怠惰や博打、喧嘩などが絶えないようなところばかりでした。

 そこへ赴いて彼は住民の心をつかみ、真面目に精出して働くものを顕彰し、不真面目で怠惰なものを叱咤激励することで皆が一生懸命に生きる地域づくりを次々と成し遂げていきました。

 そこには優れたリーダー像や、神仏を取り入れた日本人向きのマネジメント理論、地域が農業で発展する中長期計画といったことがうかがえます。

        ◆
 
 さて、しかしながら明治時代から昭和も戦後くらいまでは地域づくりの好事例として各地で採用された報徳思想はその後実践的ノウハウから哲学思想へと変貌していきました。

 私はその変化の背景に、地方自治の充実と農業国から工業国への国あり方の変革があったと思っています。

 地方自治については、それが充実して住民自らが頑張らなくてはいけないことを行政が肩代わりしてくれるようになり、非常に楽ちんな社会に変わりました。

 報徳を語り合うために皆で公民館に集まって顔を突き合わせて報徳訓を唱えあい、明日もまた頑張ろうと誓い合うような地域の付き合いなど必要ありません。問題や注文があれば役場へ掛け合えば大抵のことはできるようになりました。

 地域経済は、真面目に精出して農作業をすれば確実に収量は上がるという農業中心経済から、工業そして商業、サービス業と言う、当たりはずれがあってより大きなお金が動くような社会になりました。

 そのためただただ真面目にやれば必ずうまくいく時代でもなくなり、才覚とチャンスと資本が必要な時代に変わってしまいました。

 もう報徳の時代ではないのでしょうか。


       ◆


 先日、録画してあったNHKスペシャル「縮小ニッポンの衝撃」をようやく見終わりました。

 地域は人口減少で、行政は財政難により、地域での行政サービスや担い手がどんどん減る社会になる、という近未来予測の番組ですが、ここへきて、行政もなんでも引き受けなくてはいけない立場からの脱却を目指し、また住民もなんでも行政に頼るのではなく自分たちでやれることはやろう、という機運が高まっているようです。

 行政が今までの役割を手放して住民参加の充実へと移行していくのであれば、その哲学的バックグラウンドとして、報徳思想を再びよみがえらせる必要があるのではないか、と大いに感じ入りました。

 一人一人が自らを律して、自分の持っているものを「譲る・差し出す」という推譲の精神を発揮することなしには、人口減少地域を活性化することは難しい。逆にその精神が土壌としてあれば、よりスムースなソフトランディングができるのではないか。

 そう感じた番組の感想。さて、報徳思想をバックグラウンドにできるような地域のリーダーや首長は登場するでしょうか。

 勘の良い人は勉強を始めておいた方が良いと思います。

 
 

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何度やっても…

2016-10-30 23:48:44 | Weblog

 午後から積丹方面へマメイカ釣りに行ってきました。

 今年はサケもマメイカも海釣りの釣果が全く上がっていないので、シーズンに心残りが多いのです。

 昼過ぎにマメイカ釣りのメッカである余市港へ到着。港には釣人も少なくて、帰り支度の人に声をかけても「だめだね。いないわ」という残念な反応ばかり。たしかにちょっとやってみましたが一向に反応なし。

 それではと、隣の古平漁港、美国漁港、幌武意漁港へと移動しましたが、いずれも全くイカがいないようで、釣り人たちも空しくキャストを繰り返して苦笑い状態。


  【古平港、遠くにローソク岩が見えて景色は抜群】

(今日はもう無理かな)と、帰ろうとしていたところへ余市の友達から、「小松さん、なに、釣りに来てるのかい」という電話。

「来てるけど釣れないから帰るところだ」と言うと、「今余市の港で釣れ始めたみたいだよ」とのこと。まあ帰り道の途中なのでもう一度余市港へ立ち寄ってみることにしました。

 時間はすでに午後5時を過ぎて真っ暗なのですが、余市の港で友人二人と合流して再度のマメイカ釣りに挑戦です。

 ところがこれがまあ釣れない。

 友人二人はなんだかんだいっても、たまにはイカが釣りあがるのに私はさっぱり。

「小松さん、釣れないのかい(ニヤニヤ)」
「場所がポイントだと思うなあ」

「なんで?、隣3メートルしか離れてないでしょ」
「いや、その3メートルに何か違いがある!」


   【たかが3メートル、されど3メートル】

 そういって無理やり場所を変えてもらって心機一転、気持ちを新たにして釣り開始。…しかしやっぱりイカは私の投げた針には乗ってくれません。

 寒い余市港で二時間粘ってみましたが、釣果ゼロのボウズで終わりました。

 
 それを見かねた友人たちが「僕ら釣ったのをあげますよ」と言って、気前よく釣れたマメイカをくれました。

 全部で十パイもらって、家ですぐに捌いてイカソーメンとイカの刺身に舌鼓を打ちました。生きが良いのでゲソの部分の表面が周辺の色に合わせているのか変色を繰り返しています。なかなかにグロイ映像ではあります。

 刺身なども生きが良くて美味しいのですが、十パイだと量的にはせいぜいこんなもの。まあ夫婦二人で刺身としていただくにはちょうど良い加減ですが、他の料理に使うほどにはなくて残念です。

 こんな釣り場が車で一時間圏内に何十個もあるのが札幌と言えるでしょう。季節が寒くなってきましたが、幸せを感じるひと時でした。

 さてさて、マメイカの群れが消えちゃったようです。困ったなあ。

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地域が元気になる研究をしようよ

2016-10-29 22:23:20 | Weblog

 今日の午後から、私が参加している都市計画学会北海道支部での研究発表会が北大で行われました。

 まずは、各方面からの研究や調査の報告をポスターサイズの紙一枚にまとめて張り出すポスターセッションで意見交換。

 次に「自転車による地域づくり」というタイトルで、北海道技術センターの原文宏さんから一時間の基調講演をしていただきました。

 講演の前に原さんと話をしていて、「道路交通の観点からの自転車研究ってあるんだけれど、イベントの効果を真面目に調査研究したものってないんだよね。だから最近は財政が苦しい自治体などでもイベントを中止するところが出始めていて縮小気味。ちょっと真面目に勉強するほうがいいと思う」とのこと。
 イベントの効果って調査するのはなかなか難しいけれど、体系立ててやる方法を考えたいと思います。

 基調講演ののちにはポスターセッション参加者の研究発表会。

 様々な角度からの調査研究の発表が行われて、その後に表彰式が執り行われました。

 今年の支部長賞は、「『道の駅』の地域振興効果と経営状況の関係に関する一考察」というタイトルで、道の駅に対するアンケート調査で、地域振興効果を調べた研究が受賞。

 研究成果のポイントは、「最近の道の駅は、産直販売で地域の農産物が売れれば地域振興になる、と思っているところが多いけれど、実はそれは誤り」というもの。

「でも産直コーナーにはお客さんが多く来て賑やかになってしかも地元の農産物も売れているでしょう。地元にお金が落ちているじゃないですか」と言うと、「それがそうじゃないんです。経済効果が広がりをもって雇用にもつながるというのは、やっぱり加工品でなくてはね。結局農産物って利益率も低いし農家さんにしか経済が回らない。逆に言うと、産直するような産物のない自治体でも、道の駅で売り上げを上げている自治体は結構あって、知恵があればやれるんです」

「産直するような産物のない自治体も多いですよね」
「そう、ある自治体では『そういうことならうちの議会も説得しやすくなるなあ』と感謝されましたよ」

 道の駅も20年が経過して、地域振興への様々なノウハウが溜まってきたころです。こういった、自治体への参考になるような実効性の高い調査が評価されました。


 またそれ以外にも、斬新な切り口の調査研究などがあって楽しい時間でした。受賞された皆さま、おめでとうございます。


      ◆

 さて、道内各地で雪の便りも聞かれますが、今日の北大は構内の樹木が赤、黄色に色づいてとても綺麗でした。

 やはり学問の府には大きな樹木が似合います。大学と呼ばれるところで樹木を大事にしないところは、学問に対する姿勢と品格が問われると思います。

 そういう見識を大事にして欲しいですね。

 勉強の秋です。

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これで身も心も温かいんだから~(古い!)

2016-10-28 22:15:51 | Weblog

 

 そもそも世の中は「モノ」と「コト」でできています。これを合わせて「物事」と言います。

 モノは実体がそこにあって、目に見えて写真に撮れて、誰かが管理をしています。

 これに対してコトは、実体は目に見えず写真にも取れません。誰かが管理をしているわけでもなく、その場の関係性によって事態が動いてゆく、あるいは一定の状態になる、という性質。

 だからコトは、簡単にその状態になることもあれば一瞬にして失われてしまうという性質も持っています。

 そしてモノがあると状態が変化する~すなわちコトが起きる~ということがしばしばあります。

 傍から見るとなんでもないような、好きなアイドルのサインがあるおかげで頑張れるなんてこともあるかもしれません。

 逆に幸せを生まないモノが身の回りにあって、ただ捨てられないだけだったら、それは断捨離を決断して縁を切った方が建設的だと思います。

 新しいモノで、充実した満足と幸せを手に入れたいと誰もが願うのです。

         ◆


 さて、私の職場のすぐ近くに、東急ハンズ札幌店があります。

 東急ハンズは、ある意味なんでも揃っているお店。品揃えも豊富ですが、それに加えてライフスタイル提案型の商品というモノを売っていて、『この商品があるとどういう暮らしになるだろうか』、という夢を描かせてくれるところです。

 そんなハンズですが、この店内を見て回っていて『温活』という単語に惹かれました。寒い思いを我慢せず、体を温める生活をすると体も心も健康になるというのです。
 そしてそのコーナーで、思わず電気湯たんぽを買ってしまいました。

 この商品、いちいちお湯を沸かさなくても10分~20分通電しておくだけで数時間から8時間ほど暖かさが残るという優れモノ。

 本体はジェル状の柔らかな半液体で

 足だけが冷たいときは足を温められ、夜は布団に入れておくとアンカにもなり暖かく眠れます。

 稚内で単身赴任をしているときには湯たんぽにはお世話になったものですが、夜寝るときに大きな鍋で熱湯を沸かすのは結構な手間でした。これが単身生活のときにあったら便利だったろうな。

 さあ、あたたかグッズというモノを手に入れて、暖かくて健康な暮らしというコトを手に入れましょう。

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港での釣り。それは怒っちゃいますね

2016-10-27 23:35:10 | Weblog

 

 稚内からの帰り道。どうしてもサケ釣りへのリベンジ心がやむに已まれず、早起きをして猿払の港へと向かいました。

 早朝の港は隠れるものもなくとにかく寒い。時々雪も混じる強風で、雨がないのが唯一の救いでしょうか。

 朝五時ではまだ暗いというのに、ケミカルライトを備えたウキを使って数人が竿を入れています。しかし反応はまったくありません。

 湾内ではときおり黒くなりかけのサケがバシャバシャとライズをしていて、サケがいるのは分かりますがここまでになるともう餌を食べる確率がとても低くとにかく釣りづらいのです。

 二時間くらいやっても私の竿には一向に反応がありません。こんなときは、同じく釣れていない人に話しかけて情報を仕入れましょう。

「こんにちは、どんな感じですか?」「釣れない、ははは」
 ひと声かければもう同じ気持ちの同志です。

「さっきこの辺で誰か釣れていませんでしたか?」
「ああ、二本かけたけど二本ともばらして(逃げられ)たね」

「まだこの港にはサケがいると聞いてきたんですが、やっぱり難しいですね」
「ここの港も、来年から釣り禁止になるかもしれないっていうよ」

「ええ!?どうしてですか?」

 港での釣りが禁止されると、楽しみが奪われてしまいます。どういうこと?

「札幌ナンバーの連中が来て、場所取りをするのにロープを張っていたんだってさ。それに漁師が足を引っ掛けたというので、マナーが悪いのに見かねてきてんだよね」
「それはいかんですね」

「この間も、港でバーベキューしてる人らがいたってさ。釣りはレジャーなんだろうけど、場所を選ばないとなあ。漁師がナンバーを控えて、『出入り禁止だ』みたいなことになったみたいで、地元の友達も迷惑がってたわ」

 マナーが悪いと、いろいろなところでトラブルが起きますね。

           ◆ 

 海外からの観光客の爆買いが収まってきた、という報道がありましたが、ただ買い物をするだけの観光から体験重視型の観光ニーズが増えているのだとか。

 道内を自転車で走るとか、登山をする、ドライブをする、などといった体験が新しい魅力になるでしょう。
 
 そんななか、私は体験型観光の一つとして北海道での釣りがあるだろうと思っていて、釣る場所、体験メニュー、道具の用意、ルールや約束事、ガイドスタッフの充実などといった、ニーズの受け皿づくりが必要になってくるでしょう。
 そしてそのためにはルールやマナーの確立と、利害関係者間の調整主体や人材などが必要になってくると思います。

 たかが遊びですが、されど遊び。誰かにとって面白いものは、それを求める人がきっといるはず。なんでも観光コンテンツになる時代っておもしろそうですが、社会的な受け入れ態勢、受け入れマインドなども備えるにはまだまだ時間がかかりそうです。

 
 さて、今年のサケ釣りもこれで諦めと踏ん切りがつきました。頭を切り替えて、違うターゲット狙いで行きましょう。次はイカだー!

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海沿いのカーブを曲がれば夏も終わる

2016-10-26 23:46:32 | Weblog

 

 稚内へ来て舗装事業に関する打ち合わせをしました。

 つい先週も来たばかりですが、仕事柄移動する範囲が大きく広がりました。

 見慣れた道は近く感じるといいますが、札幌からだと海沿いの道路を走ってゆうに300kmを超えますから、さすがに時間はかかります。今日も途中で寄り道をして6時間半もかかりました。

 北海道の日本海側には、それなりに質の高い道の駅も多くてドライブには快適なのですが、スピードの出せる高速道路や高規格道路となると国道40号線や道央自動車道は北海道の真ん中を縦に走ります。

 ちょっとした道の選び方でも、地域に落ちるお金は変わってくるのですが、どうやったら日本海オロロンラインと呼ばれる海沿いの国道を走ってもらえるでしょうか。

 車内で稲垣潤一の「夏のクラクション」という曲を聴いて、この中の"海沿いのカーブを君の白いクーペ 曲がれば夏も終わる"という一節が似合うような海岸線がないかと眺めていました。

 でも日本海となると、(どうしても演歌かなあ)とも思えて可笑しくなりました。

 せいぜいこれからも稚内往復の際はオロロンラインを走って魅力を探してみることにします。

 
 

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マイナンバーカードを取ってきました

2016-10-25 23:02:55 | Weblog

 区役所から「申請していたマイナンバーカードを受け取りに来てください」というハガキが来ました。

 マイナンバーカードを申請したのは昨年の12月で、前任地の稚内でのこと。4月に札幌に戻ってきた際に区役所からは「申請書は引き継がれますが、札幌での順番は今からになりますので交付は半年くらい後になると思います」と言われて驚いたのですが、まさに4月からは半年が経過していました。

 区役所では私の前で、80歳は超えているだろうというお婆ちゃんと私と同世代の息子さんの二人連れが受け取り手続きをしています。

 申請窓口と受け取り窓口は別なところだったのですが、受け取るところで「パスワードを決めてくださいね」「何にしたらいい?」「アルファベットと数字の組み合わせで…」「覚えていられない」「この紙に書いていただいて、その紙はそちらにお渡ししますから…」といったやりとりが続き、ようやく手続きが終わって受け取るまでは約20分が経過していました。

 私の番になってまず住基カードは回収されました。釧路で取得した見慣れたカードともお別れで、e-taxのための身分証明機能などもマイナンバーカードに引き継がれる形になります。

 パスワード設定も、私の場合はいろいろなカードやインターネットサイトのパスワードとして40個くらいを管理しています。しかし、目の前にいたお年寄りがこれからの人生でパスワードを管理するのは難しいだろうな、と思いました。


   【写真は本文と関係ありません】

 個人レベルでの情報管理やリスク管理といった自己責任の範囲がどんどん大きくなっているような気がします。若者でも一般の社会人でもきっちりしている人は良いですが、自己管理が難しい方には苦労がつきまといそうです。

 おまけにマイナンバーカードにはしっかりと各個人のマイナンバーが書き込まれているので、なくしたり盗まれたりする心配も増えてしまいそう。ネットでのサイバー犯罪は心配ですが、まずは自分のものとして物理的にも管理しないといけないことが結構大変そうですね。


 しかしそれを言い出すと既に数多くのカードも持っていることですし、心配のドアは同じです。私としては、国として制度を始めたのですから、まずはそこに身を置いてみて考えを深めてみる立場を取ろうと思います。

 それにしても発効までに時間がかかり過ぎではあります。

 

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おまじないが使えた祖父

2016-10-24 23:46:18 | Weblog

 

 もらったフクラギを配るのに実家の両親を訪ねると、なにやら木箱を出してありました。

「これなあに?」
「もうそろそろ昔のものを片づけようと思ってさ。近くの葬儀屋が古い人形のお炊き上げを安くやるって広告が入っていたから頼もうと思ったのよ」

 見るとずいぶん古いお雛様などが和紙に包まれていて並べられています。

「これは?」
「ああ、眠り人形。立てると目を開けて横にすると目を閉じるの」
「古そうだねー」
「私が子供の時のだし、もういいわ。それに爺ちゃんがもらった置物も一緒に出そうと思ってるのよ」

 それは私の祖父、母の父がもらった帆船の置物で、船の船体も帆もすべてホタテの貝殻を加工して手作りで作られたなかなかに立派なものです。

「それって爺ちゃんが"おまじない"で火傷を直してやったお礼にもらったやつでしょ?」
「そうそう、それだわ」

 祖父は火傷に効くおまじないを知っていて、それを唱えながら大火傷をした知人を一晩中看病したところ、火傷の痕一つ残さずに完治したというのです。

「昔のことだからね。薬だってそうなかっただろうし、直れば嬉しかったろうさ。でも本当に効いたっていうんだよね」 
 
 
 何かにつけて、故人や先祖のことは思い出して思い出話をしてあげるとなんとなく嬉しいんじゃないかなあ、と思ってそういうときは話をしてあげます。

 直接会った人はだんだんに少なくなっていきますが、思い出の品は処分しても、思い出話やエピソードだけでも残してあげると良いのじゃないでしょうか。

 目に見えないサムシング・グレートを感じる年齢になってきました。皆さんは使えるおまじないを一つでも知っていますか?

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この日を振り返るときがきっとくる

2016-10-23 23:46:46 | Weblog

 義父の米寿のお祝いで、一族郎党が集まってお祝いの会食をしました。

 88歳になる義父には二人の子供がいて、私はその長女と結婚をしているわけですが、子沢山な孫に恵まれて結構な人数になりました。

 数えてみると、結婚した義理の孫や親族も含めると孫に相当する者が三組の夫婦で5人(一名欠席)、さらにひ孫が9人にもなります。

 最近は結婚しない人も多くて少子化が嘆かれていますが、そんな世間の様子はどこ吹く風。会食会場は一番小さい子が1歳に4歳が3人と無認可保育園状態。

 会食時間の途中でもただ座っていることに飽きてくるので、ホテル内を探検に出かけようとするので、周りに迷惑をかけないように面倒を見るのが大変な年頃です。

 しかし「本当に目が離せないので子育ては辛いなあ」と思っていても、子供はすぐに大きくなってしまうので、そういう辛さはどんどん減ってゆきます。

 次第に悩みは「勉強ができない」とか「友達ができない」と変質してゆきますが、まあ子供がいる限り心配で決して安心できないのが親業なので仕方がありません。

 どんなに立派な息子や娘になっても、親にしてみれば昔の出来の悪かったことが思い出に残る限り、心配な存在なのです。

 親を安心させるためには、親に感謝して尽くすことも大事ですが、それ以上に自分の子育てをしっかりとやること。親から受けた恩は親以上に子供に注いでやりましょう。

 最近は義父母の家で年末年始を過ごすこともなくなったので、こんな形での親類が一堂に会するには久しぶりで、子供たちの成長が見られて楽しい時間でした。

 なにかにつけて機会を生かして集まって会話をするって大事だなと思った次第。

 黙っていると時間なんてどんどん経ってしまいます。さあ、重い腰を上げましょう。

 

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エビで鯛ならぬ、イカでブリを釣る、だな

2016-10-22 23:46:46 | Weblog

 釣り仲間が「余市の港でマメイカを131パイ釣りましたよ。簡単だから詰まんないですね」という情報をよこしたものだから、心中穏やかではありません。

 今日も日中は会合があったのですが、それを終えてから余市目指して車を走らせ、地元の釣り仲間にお願いして釣れそうなポイントを案内してもらいました。

 到着してすぐに「釣れてる?」と訊くと、彼は「みんな港から帰ってきてますよ。釣れてないみたいですよ」と渋い顔。
「えー、ダメなのかな」

 まあとにかく防波堤を歩いて明るい外灯の下あたりでエギと呼ばれる、エビに似せたルアーのようなものを海めがけて投げ込みます。

 天気は小雨でもう夜六時を過ぎると外灯のあるところ以外は真っ暗。イカもどうやってエギが見えるんだろう?

 ところが全くイカの反応がありません。

「どうしちゃったかね?」
「うーん、群れが消えてますね。どの釣り人も釣れてませんもん」

 少々場所を変えたりエギを変えたりして粘っては見たものの、二時間経って釣れたのは現地の彼の一匹だけ。


  【トホホ、クーラーが泣いている】

 大きなクーラーを持って行ったのがやっぱり失敗だったか(笑)。大概そういう時は殺気がでているのです、きっと。


「もうダメだね」となって車へ戻ったところで、地元で水産の仕事をしている彼から「このフクラギ(まだ小ぶりなブリ)、持ってって。小さいけどね」

 マメイカを釣りに来て、フクラギ五匹とマメイカ六匹をもらって帰りました。さしずめ「海老で鯛を釣る」ならぬ「イカでぶりを釣る」かな(笑)
 家に帰ってから夜遅くまでかかって、とりあえずフクラギ二匹ととマメイカを捌きました。釣れなくても釣果はあるのです。

 

 しかしそれにしてもマメイカ釣りのための投資(釣り竿、リール、エギ各種)は一向に回収できませんなあ。

 マメイカ、どこへ行った?

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