先日稚内の若手から依頼されて「稚内へのヒント」なるミニ講話をしました。
少しは稚内を知っていて外から稚内が見られる人たちに声をかけての勉強会で、私も稚内に縁がある者の一人としてお願いされたものです。
地域振興と簡単に言いますが、今後地方都市では人口が減ってゆきます。
しかしそれでもやれることをやって、他に抜きんでた町としてあり続けるための努力は欠かせません。
私のプレゼンのポイントは以下の通りです。
① 稚内は「最北」「最果て」「てっぺん」という唯一無二の特徴があるのだからこれを再確認してもっと面白く主張、発信してはどうか
② 稚内は一年中風が強いことから宗谷丘陵での発電用風車群など独特な「風の町」という特色があるので、「風の町」をもっと面白く発信してはどうか
③ これからの時代の発信の素材は動画が中心になるので、動画による発信スキル(シナリオ構成・撮影・編集・ドローン・多言語)を高めてはどうか
④ 具体的には、地域内の中・高校生や大学生、社会人を対象に、ハイレベルな講師の授業をネット経由で受けさせるようにしてそのためには大人たちがその費用を地域で賄い、人材投資すべき
⑤稚内で過ごした若者は動画や情報発信に優れた人材が多い、となればそれだけでも若者にとって希望のある教育・学習の町という評価が得られるのではないか
…というものでした。
私の8月29日のブログで「クッチャロ湖でカヌー体験をした際に動画撮影サービスに感動した」という話題を書きました。
情報発信だけならyoutubeで動画配信をしている人たちはたくさんいますが、こうしたゲリラ的な活動だけでなく行政や社会活動もこれからの時代の情報発信は動画を活用する時代になったのだと感じました。
そして動画を活動紹介だけでなく、"おもてなしの道具"としても使うという発想はなかったのでとても新鮮だったのと、そのスキルと努力に感服したのでした。
やれることはどんどんやろうという姿勢にとても好感が持てました。
◆
そんな昨今、ある町の観光振興に関わるセミナーをZoomで視聴しました。
そこではSNSなどで訪問前の観光客からニーズや希望を聞き取って、それを地元の観光案内ができる市民に伝えることで満足度が高まるような観光体験をしてもらうこと、などが提案されていました。
そのこと自体は、観光客と地域を結び付けやすくして、一人ひとりに沿った観光メニューが提供できるという素敵なサービスです。
しかしその先に、観光客を案内して差し上げる施設や名所・旧跡がどんな価値あるものなのかについて興味深く説明できないともったいない。
やはり地元の一人ひとりに地域に愛着と誇りがあって、それが自分自身の中で腹落ちして理解されていれば良いけれど、なにか資料に書かれてあるだけの理解では物足りない感じです。
掛川の生涯学習だったらさしずめ、「それを市民一人ひとりがわが町に好奇心を持って『それはなんだ』と自問自答することから始まる」というところでしょうか。
二宮尊徳が手にしている本は中国の古典「大学」だと言われています。
その「大学」の要諦は「修己治人」。
自分の修養で徳を高め、それを社会に役立てるという事です。
観光ってモノを見せるだけではなくて、その品格も味わってもらうべきもののように思います。