北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

機械を作るのも大変な時代 ~ 一人でも使える機械に

2023-01-30 22:54:03 | Weblog

 

 建設のための機械関係の人たちと意見交換をする機会がありました。

 道路を除雪するための機械の中心は「除雪トラック」という車両ですが、これを運転するオペレーターの将来的な不足が心配だ、という声がありました。

 除雪車両は、トラックの前に雪を斜め左に跳ねのける"プラウ"という雪はね板を取り付けているほか、路面を整正するために胴体の真下にブレードと呼ばれる路面の雪を削る刃を取り付けているものです。

 これを運転するのには非常に高度な運転技術が必要なのですが、そうした高度な技術を持つオペレーターが高齢化してだんだんに少なくなることが心配です。

 そのためには若手のオペレーターに参入してもらわなくてはいけないのですが、並行して進められているのが省人化の動きです。

 今までは除雪トラックにはオペレーターのほかに安全確認要員としてもう一人が乗り込む二人体制で除雪業務を行っていたのですが、これに要する人員が少なくて済むように除雪トラックの一人乗りでもできるような車が作られようとしています。

 人数が少なくなることへの対応とすれば仕方がないのですが、人材育成の観点からは次世代のオペレーターを安全要因として横に乗せて、ベテランオペレーターが作業と同時にOJTで指導を行うという技術の伝承が行われていました。

 一人乗りとなるとこの伝承の機会が奪われることにもなり、今までのような形とは異なるオペレーター育成がなされなくてはなりません。

 新たな技能講習の実施により育成を進めようという取り組みが始まっているとのことで、高齢化を迎えるにあたっての後継者の育成は待ったなしです。

 またこのことと同時に、乗車しているオペレーターが行うべき作業をできるだけ省力化するという試みもなされているのだそう。

 例えば、現行の2名で乗車しているときは「車両運転」のほかに、「作業装置操作」「自社位置の把握」「(他車両や前方障害物の)安全確認」などを2名で行っています。

 これを1名で行うときは、準天頂衛星「みちびき」によるガイドを得て精度の高い位置情報を与えられるほか、位置によって例えば雪を吹き飛ばす方向を自動化するようなことも考えられています。

 またホワイトアウトで前が見えないというときも映像鮮明化技術によってモニターには前にあるものが見えるような技術とかAIを用いた物体検知技術も日進月歩。

 こうした技術の総動員で省力化と省人化を進めて、生活レベルの安定化を図ろうとしています。

【北海道開発局提供 「除雪現場の効率化に向けたi-Snowの実証実験 ~ 令和3年度」
 https://www.youtube.com/watch?v=E4B01gSqngY

 

     ◆

 

 ところが併せて、そうした除雪機械の高騰や納品の遅れなどについてメーカーから悲鳴にも近い声が上がりました。

 曰く「ウクライナ戦争による半導体の不足やコロナによる作業進捗の遅れがあり、予算が確定してから注文を受けても、一年以内には納車できない状況が常態化している」と言う声です。

 これについて発注者側では「複数年度にまたがる国債の制度を活用して2か年にわたる契約を準備中」ということでした。

 しかしさらには「ロータリー車のエンジンは海外のものを使用せざるを得ないのですが、上記の理由に加えてさらにコンテナ不足という要素が加わって、海外メーカーから『この種のエンジンは注文してから納品まで2年かかる』と言われておりこれはもう縮まらない」という状況や「原価が跳ね上がり、当初見積もりで出した値段では作れない」という声も紹介されました。


 納品の時期や価格高騰など、厳しい条件が公共事業も襲っています。


 聞くところによるとある自治体では「雪が降ると苦情の電話で用意している20回線が埋まり、職員はその対応に追われる」そうで、苦情を受けてもどうにもならない状況に頭を抱えているそうです。
 
 利用者からはこうした現実を乗り越えて社会を維持しているエッセンシャルワーカーの人たちに精神的な応援をしてほしいものです。

 

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道具の手入れもまた楽し ~ ワカサギ釣りの水没リール復活&予備リールの購入

2023-01-29 23:27:41 | ワカサギ釣り

 

 前回のワカサギ釣り(1月7日)に水没させてしまった電動リール。

 液晶画面に水滴がついているのがなかなか取れません。

 このままでは次の釣りに支障をきたすということから、ちょっと性能が落ちるもののそれなりに使える予備の電動リールを購入。

 併せてつい、これまで逡巡していたお高い穂先も買ってしまいました。

 来週の連休には仲間たちでワカサギ釣りツアーに行くという企画もあって、道具がちゃんと使えるようにという準備を入念にやり始めたのです。


     【下の青いリールが今回購入したリール】


     ◆


 今日は朝からこれらの道具をチェックして使えるようにします。

 買ってみて初めて分かったのは、新しい高性能の穂先のガイドの輪っかが非常に小さいことでした。

 電動リールの本体は巻きすぎ防止のために、糸を巻き取る最後のところでビーズがスイッチを押してモーターが止まるというスイッチがついているのですが、これをうまく動かすのに小さな部品を用意して釣り糸を結ぶという作業が必用になります。

 これを3台のリールで穂先の長さに合わせた調整などを行い、ようやく使えるようになりました。

 水没させたリールも思い切って電池を入れて動かしてみましたが、一応巻き上げもできるし液晶画面もそれなりに動作を確認することができました。

 趣味って、こういう煩雑で細かい作業でも何の苦労もなく楽しみながらできるということなのでしょう。

 失敗したことをやり直しても「よしよし、これで一つ成長した」と思えるのですから、「これを楽しむ者に如かず(論語)」というやつですね。

 
 電動リールも家にあるの5台になりましたが、古いものから使わなくなり今はDAIWAのCrystiaシリーズの3台が最先端です。

 これで一応、自分の前に二つ穴を開けて左右両方の手で釣るような"ダブルハンド"に挑戦できる道具仕立てになりました。

 電動リールを入れるケースを眺めていて、(このケースの中身だけで10万円くらい使っているのだな)ということに気がつきました。

 ほかにテントからドリルから周辺の道具まで含めるといくら使っていて、釣り上げるワカサギ一匹っていくらなのでしょう?

 いや、それだけすごく高価なワカサギを釣っていると思えば納得もできるというものですが(笑)   
 

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異次元の少子化対策 ~ 「こども連帯基金」は今年の流行語にノミネートされるかしらん

2023-01-28 23:12:27 | 社会保障を考える

 

 岸田総理が「異次元の少子化対策」と発言したことで、「異次元ってなんだ」「具体的に何をするのか」と世間は色めき立ちました。

 そうしたことの具体的な方向性となると、その分野の国の審議会の議論を見ていると、かなり先行した意見が出ていることがあります。

 そのつもりで例えば「全世代型社会保障構築会議」が昨令和4年12月16日に出した報告書を読んで「少子化対策の項目」を見てみると具体的に取り組むべき課題として一定の方向性が出されています。

 →「全世代型社会保障構築会議 報告書」(令和4年12月16日) https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/zensedai_hosyo/pdf/20221216houkokusyo.pdf

 これを見ると、膨大な内容をすべて書き写すことはしませんが、

(2)具体的に取り組むべき課題としては
 ①全ての妊産婦・子育て世帯支援として、
  ◆妊娠時から寄り添う「伴走型相談支援」と経済的支援の充実(0~2歳児の支援拡充)、
  ◆全ての希望者が、産前・産後ケアや一時預かりなどを利用できる環境の整備
  ◆出産育児一時金の大幅な増額
  ◆不妊治療等に関する支援

 …が挙げられており、続いて

 ②仕事と子育ての両立支援(「仕事か、子育てか」の二者択一を迫られている状況の是正)として、
  ◆保育の枠を確保できる入所予約システムの構築
  ◆子育て期の長時間労働の是正・柔軟な働き方の促進
  ◆育児休業取得の一層の促進と時短勤務の支援
  ◆非正規雇用労働者の処遇改善と短時間労働者へのさらなる支援
  ◆育児協業給付の対象外である方々への支援

 …が挙げられています。

 そして(3)今後の改革の工程として、「…子育て世帯に対する経済的支援を合わせたパッケージを、恒久的な財源を確保しつつ継続的に実施」ということと、「安定的な財源について、企業を含め社会全体で連帯し、公平な立場で、広く負担し、支える仕組みの検討」ということが強調されています。


 つまり、何をすべきかという具体的な政策はここに書かれていることが中心に打ち出されてくるでしょうし、その一方でやはり財源をどうするかということが議論の中心になることは間違いありません。

 どんな異次元のアイディアが出てくるでしょうか。
 

      ◆


 さて、政府の議論ではここまでですが、私が私淑する慶応大学の権丈善一教授は、しばしば自民党を始め各種の政治団体・経済団体に招かれた際に、「子育て支援連帯基金」というアイディアを提案しています。

 これは少子化対策の財源をただ財政の見直しという労多くして益少ない作業や消費税増税と言う短絡的な決断に求めずに、その中間として社会保険の制度を利用して、「受益は年金・医療保険・介護保険さらには雇用保険にも及ぶ」という建付けで、これらの会計から拠出して子育てを支える費用をねん出するという提案。

 実際少子化になることで年金会計は不安が増大しますし、医療保険や介護保険など高齢期に出費が偏っているものを若者が支えるという制度趣旨からは支える側の人数が増えることが制度の安定につながります。

 さらには少子化の改善は雇用保険にも益が及ぶことから、これも制度の輪に加えることもあるでしょう。

 社会保険となると被用者である労働者だけではなく使用者である企業側も負担をすることになりますが、これとて、将来の労働力のみならず消費者の増大と言う観点から、少子化は企業側にとっても見過ごせない課題であるという視点で拠出を説明できるとしています。

 税率を上げる度に政権がぐらつくほどの衝撃力がある消費税などと違って、財源調達力としての社会保険には非常に強い力があります。

 いざ提案するとなると「取りやすいところから取るだけだ」という批判が出るのが目に見えるようですが、将来の不安を取り除くために恩恵を受ける者が支援・負担するという制度思想から言うととても興味深く思えます。

 図の中で「税財源」が破線で表されていますが、ここに税金が投入されるのかどうかは「ゼロ」ではないかもしれませんが、その額たるや極めて心もとないので作成者の山崎史郎さんは破線にされたのでしょう。

 さあ「こども連帯基金」は今年の流行語大賞にノミネートされるかな。

 

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「安着祝い」というお酒を飲む理由

2023-01-27 23:01:38 | Weblog

 

 私が現役だったころの開発局には「安着祝い」と称して、新しく赴任してきた職員を肴に一杯飲むという文化がありました。

 それはできるだけ早く新しい人の"ひととなり"を知りたいということと、新しい人には「職場にはこんな人たちがいますよ」と言う触れ合いをできるだけ早く持たせる両方の効果があったのだと思います。

 昨年末に私のいる島に28歳という若者が一人新たに配属になってきました。

 あまり周りに話しかけるような子ではないように見受けましたが、見ていると島で飲みに行った様子がありません。

 仕事で私と接点があるような関係でもなくて、気になっていたのですが一向に「安着祝い」的な懇親の場は開かれなかったようで、年末の忘年会がその子と一緒に飲む初めての機会になりました。

 しかし忘年会では全然深い話などできません。

 とはいえ私も(何かを言い出すような立場じゃないしなあ)と思っていたのですが、さすがに近くにいながら雑談一つするわけでもないような関係が不満になって、ついに彼の上司や別な若者を誘い出して「飲もうよ」という企画をすることにしました。

 そういう提案をすればみんな反対するわけでもなく、言い出しっぺの私が場所も選定してようやく4人での飲み会ができました。


 私が「昔は安着祝いという文化があってさあ」と言うと、「いやあ我々もちょっと前までは会ったんですがねえ。やはりコロナで『集まるな』という指令が効きましたね」とのこと。

 まあみんな一人ひとりが結構忙しいのと、案外チームで何かをするということがなくて、一人ひとりが自分の仕事をこなすということが定着していったようにも思えます。

 ハラスメントが問題になり、あまりプライベートに関わったり何かを強要することを良しとしない文化が広がっていることもあるのかもしれませんが、昭和のおじさんとしてはちょっと見過ごせなかった感じです。

 で、そうやって集まって飲んでみると結構面白い話が合ったり情報交換ができたりと楽しい時間が過ぎました。

 話してみて初めてわかる意外な一面やそれぞれの経験談を聞いてみるとやっぱり面白い話が沢山出てきます。

 ハラスメントを恐れながら「彼女いるの?」と訊くと、「いい雰囲気だと思ったんですけど、告白したら『全然そんなつもりはない』と言われて振られました(涙)」とのこと。

(うむうむ、それが人生だ)と昭和のおじさんはその飲み会の雰囲気を楽しんでいるのでした。

 昔は皆理由をつけてはお酒を飲むのが本当に好きだったんですねえ。

 

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財政の蓋を閉めるのは大変 ~ 家計でも同じだけど

2023-01-26 22:41:30 | Weblog

 

 先日開発局OBで今はシンクタンクにいる友人を訪ねて意見交換をしました。

 彼は現職の時は予算関係の仕事をすることが多く、除雪の予算が話題になった時に思い出話をしてくれました。

「除雪の話で言うと、ある時まで除雪の予算って毎年の平均降雪量を提示して、『なのでこれだけ除雪の経費が掛かります』って説明していたんだよ。ところがあるとき財務省になかなかの切れ者の主査が登場して、『ところで除雪の予算って、示されたときよりも多くかかったら補正で増やして対応していますよね。では平均程には降らなかったときは余った予算は返してくれるのでしょうか』というわけ」
「除雪だけとらえればそうだけど、それ以外に付属施設の補修など見えないけど必要な経費ってあるよね」

「そうなんだけど、そこを今までは降雪量の平均値で説明していたので、そこを突かれる形になってしまった。で、僕の記憶では降雪量は平均ではなくて最低の時を基準にされて、そこから不足分は補正などで補うという形になってしまったんだ」 
「公共事業全体もそんな感じじゃないのかな」

「そうなんだ。いくら国土強靭化などが叫ばれても当初予算は毎年ほぼ横ばいで、年度途中の補正予算で少し追加されて毎年同じくらいの予算になるという形が続いているね」
「歳入と歳出を丁度合わせることを"財政の蓋を閉める"と言うんだけれど、財務省にしてみれば、限りある歳入から始めて、増える社会保障費を勘案しつつバランスを取るのは大変なんだろうね」


 予算として必要な額を議論して、真に必要なものは自ら負担するという家計でもそうしている当然のことが国としては行われていないというのは残念なことです。

 その不足分は後世に付け回しされて、将来世代が何かしようとするときに余裕分をじわじわ奪っているのと同じことだと私は思うのですがいかがでしょう。

 公共事業も、後世にちゃんと渡すためにもしっかりとメンテナンスする費用はもちろん、より便利な世の中にしておいてあげたいと思うのですが、そこの理解を得るのもなかなかに難しい時代になりました。

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勉強と行動が求められる生涯学習 ~ 未来を支える「社会保障という制度」について

2023-01-25 23:16:05 | 社会保障を考える

 

 今を遡ること12~3年前の事。
 
 単身赴任をしていた東京でふと日曜日の朝にテレビをつけたところ、社会保障や年金問題をテーマにした討論をしていました。

 画面には時の民主党幹事長と見たことのない大学の先生が対談をしていて、その先生が岡田幹事長に対して「勉強不足!」「ちゃんと論文を読みなさい」「そんなの支離滅裂です」と厳しい言葉で面罵する場面が写されていました。

(この先生…誰?)

 ちょうどその頃私自身が、公共事業予算が伸びないのは厳しい財政状況の中で社会保障にお金が先取りされるためだ」と思うようになっていました。

 それがいつしか「社会保障こそ予算獲得上の敵だ」と思うようになり、「敵を知らなくては戦いにならない」「敵の強みと弱みはなんだろう」と真剣に勉強をする気になったのでした。

 そんなときにこのテレビ番組をみたので、この先生は誰だろうと興味を持ったのです。

 その先生が、慶応大学商学部教授の権丈善一先生でした。


      ◆


 その権丈先生は、社会保障のあり方について一貫して発言をされていたり、また福沢諭吉の「勿凝学問(がくもんにこるなかれ)」にあやかったブログで軽妙な情報発信をされるなど茶目っ気とユーモアもある方でした。

 そこで「まずは入門書として権丈先生の本でも読んでみるか」という気になり、著書を何冊か読みました。

 すると権丈先生の論調は社会保障に関する政府の方針を批判するマスコミに対して、「敢えて社会保障に不安を生じさせて世間に誤解と分断をまん延させている」という逆批判と、正しいものの見方を示してくださるものでした。

 そしていかに世の中には年金・医療・介護などの社会保障に関する不勉強なマスコミと、しばしば批判的なポジショントークにあふれているかに気がつくようになりました。

 そもそもバックグラウンドとなる資料やデータはネットを検索して、政府の社会保障審議会のホームページを見れば手に入ります。

 そしてそこでは多くの委員たちが真剣な議論を重ねて、社会保障の今後あるべき姿はなんであるかが議論されています。

 しばしば政府から社会保障の改革案が出てくると「説明もなしに突然言い出した」という批判が出ますが、大抵はそれらは数年前の審議会から議論が重ねられている現実的な提案であることがほとんどであることに気がつきます。

 いつしか敵だと思っていた社会保障が、人間がいかに将来へのリスクと不安に対して助け合いの精神で費用を持ち寄って助け合おうという高邁な精神を持った制度であるか、またそれがいかに時の政治や使用者である企業、税金を納めたくない国民の圧力と横やりで理想から少しずつ何かを削られては、それを次の制度改正の時に正そうと努力を重ねてきて今日に至っているか、を知ることになるのでした。


      ◆ 


 権丈先生は「社会保障はつまるところ財源調達問題なんです」と看破し、助け合う精神のもとで、今は負担できる余裕のある人が能力に応じて負担をして、必要になったらその度合いに応じて給付を受けるのが制度の根幹だと言います。

 そのためにもどのように財源を調達する、つまりは今はリスクを負っていない年齢・階層の人たちが自分たち自身が困った時のために負担をすることに理解と覚悟を持つことができるかどうか。

 今まさに議論が始まった「次元の異なる少子化対策」と言われるものも、少子化が進行すると将来の自分が困るリスクであり、それを回避するためにどれくらい自分たちは負担ができるか、する覚悟があるかが問われているのだと思います。

 今は健康で収入があっても、それが失われるかもしれないというリスクを給付と言う形で回避させてくれる社会保障という制度。

 未来に向かってこれを育てるのも殺すのも、今を生きる私たち自身が勉強をし判断をする責任を負うていることに間違いありません。

 今後も徒然に触れて行こうと思います。

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雪かきはできるだけ持ち上げない ~ 本州の皆さん、大丈夫ですか

2023-01-24 23:24:01 | Weblog

 

 最強寒波が来襲中の日本列島。

 ニュースでは九州や山陰地方の降雪がニュースになっていますが、各地の皆様、雪害・凍害は大丈夫でしょうか。

 私の住んでいる札幌も朝から気温が上がらず日中を通じてほぼマイナス10℃ほどの気温で推移しました。

 早朝は10㎝ほどの雪が降っていましたが除雪を終えたところで日中も少しの雪。

 札幌が大雪になるのは北風が吹くときで、西風の場合は札幌にはそれほど大量の雪は降りません。

 最近は雪かきの正しいやり方がテレビでも紹介されるようになりましたが、今年は北海道での屋根の雪下ろしなどで亡くなる方が多く、注意が必要になったからでしょう。

 基本的には北海道に降る雪程度ならば屋根に積もった雪は下ろさなくても倒壊や家に支障がでるようなことはない、というのが建築の専門家の見解。

 どうしても屋根の雪を下ろす際は「一人でやらない」「命綱をつけること」などの注意をお忘れなく。


      ◆


 さて実際の雪かきはと言えば、ほとんど雪を持ち上げないような動作で行います。

 道路の雪を除くには、プッシャーと言う道具で雪を押すだけ。

 積んであった雪は先に四角く切り出して公園まで運びます。

 空いたスペースにはまた四角く雪を積んでおきます。

 積んですぐだと雪が固まっていなくて移動させると壊れてしまうので、半日以上放置して安定するのを待ちます。

 安定したところで四角く切り出してまた公園に運んでゆくということの繰り返しが、我が家の雪かきのスタイルというわけ。

 ほとんど雪を持ち上げて腰を痛めるような動作は回避します。

 雪かきに慣れていない地域の方も体を傷めないように気をつけてくださいね。


     ◆


 札幌では雪まつりが終わる頃には厳寒のピークが過ぎて、そこからは段々春らしくなるもので、1月末から2月中旬までの一カ月が冬のピークという感じ。

 今がまさに冬真っ盛り。

 本州の雪害もしぶとく耐えて、忍耐強くこの季節を乗り切ってゆきましょう。

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余市のニッカミュージアム、リニューアル展示は"人"に注目

2023-01-22 23:29:45 | Weblog

 

 ニセコでのリゾートからの帰りに余市町にあるニッカウヰスキー余市蒸留所に立ち寄りました。

 ガイド付きの見学もしたことがありますが今回は満杯で予約が取れませんでした。

 しかし、自由に見学できるニッカミュージアムがリニューアルされた、という話を聞いてせっかくなので立ち寄ることに。

 昔ながらの軟石づくりの倉庫の中を使ったニッカミュージアムは、以前はウィスキーとは何かといったあたりから始まっていたのが、今はニッカウィスキーの思想やブレンドということにも焦点が当てられていました。

 大麦麦芽から作られるモルトだけではなく、大麦以外のトウモロコシやライ麦、小麦などの穀物(グレーン)から作られるグレーンウィスキーもより詳しく語られていました。

 一般には大麦麦芽だけで作られる「シングルモルト」ウィスキーこそがその蒸留所の個性だとして珍重される傾向にあります。

 しかし本物にこだわった竹鶴政孝自身がカフェ式連続蒸留機を待ち望み、これでグレーンウィスキーができたときに「日本でモルトウィスキーができたのが最初の革命ならば、このたびのカフェグレーンウィスキーができたのは第二の革命と言える」と喜んだと言われています。

 実はこのカフェ式蒸留器を導入するにあたっては、竹鶴政孝は資金繰りに困っていました。

 そこで以前から知り合いだった朝日麦酒(現アサヒビール)の社長だった山本為三郎は、子会社の朝日酒造がカフェ式連続蒸留機を設置してグレーンウィスキーを製造、それをニッカウヰスキーが購入するという形で納めていたのだそう。

 ニッカのモルトとこのグレーンをブレンドした「ブラックニッカ」は大いに売れて、今も多くのウィスキーファンに愛されているというエピソードが大きく語られていました。


    ◆


 またイギリスで結婚した奥さんのリタさんのことも詳しく紹介されていて、交換日記を英語で書いていたというエピソードなどもありました。

 残された写真を見ていると、リタさんが笑っている写真があまりないなあ、と思っていましたが、日記などから二人が本当に愛し合っていたことが改めて分かり、ほっと一安心。

 国産ウィスキーづくりのために艱難辛苦を極めた政孝氏のノートからその苦労ぶりも良くわかり、非常に心を打つ展示内容になっています。

 もうこうなると、売店へ直行して余市蒸留所限定のウィスキーを買わずにはいられませんね。

「もう行ったことがある」と言う方も、リニューアル後のニッカミュージアムをもう一度ご覧になることをお勧めします。

 久しぶりに飲んだウィスキーはガツンと来ました。

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インターナショナルリゾートのニセコ ~ なにもかもお高いね

2023-01-21 20:36:43 | Weblog

 

 昨日からニセコのホテルに来ています。

 同居している次女の旦那さんが春節の時期に中国から帰国するのに併せてまずはニセコでリゾート気分を味わおうというもの。

 長女の旦那さんの会社が所有するニセコの保養所が利用できるというのでそこを頼んで二泊三日のウィンターリゾートです。

 昨日から来て一晩経ってみると、車の屋根にはこんもりと雪が積もっていて車内に置いてある雪払いのブラシを取ろうにもなかなか近づけないほど。

 悪戦苦闘しているときに地元の除雪業者さんが来てくれて駐車場除雪をしてくれましたが、本当に心強いものです。


     ◆


 あて、スキーリゾートとは言いながらジジババの我ら夫婦は一歳半の孫の面倒を見て、若夫婦をスキーに追い出すことにします。

 一歳半の孫はまだ分別がついていなくて、冬の外なのに帽子は嫌がるし手袋もイヤイヤのわがまま三昧。

 それでも雪の冷たさを知ると渋々手袋だけははめてくれました。

 雪を楽しむにはもう少し成長してくれる必要がありそうです。

 

 若夫婦がスキーから帰ってきたところで様子を聞くと、「いろいろと値段が高かった」とのこと。

 お昼のカレーライスが2,300円と言うのにも驚きましたが、スキーウェアとスキー道具のレンタル一式は1万円以上したとのこと。

 しかも「ゴーグルと手袋はレンタルがなくて買取になりました」というので二度びっくり。

「コロナの所為かねえ」
「そうかもしれませんね」

 レストランには外国人のお客さんがかなりの割合を占めていたそうで、インバウンド観光の復活も間近なようです。

 それにしても、ラーメンが1,600円と聞いたら、ここで商売でもする方が良いのじゃないかと思うくらいです。

 長女夫婦の家族たちは上手なもので、「高いスキー場じゃなくて倶知安町民スキー場だったらリフト代も安くていいですよ」と、いろいろ穴場を探しているようです。

 ニセコも身近な冬遊びの場所ではなく、インターナショナルリゾートになっちまったということなんでしょうかねえ。

 

 

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故吉岡宏高先生の事 ~ 実はお会いしたことがなかったのが残念です

2023-01-20 23:33:15 | Weblog

 

 先日ある会合で、昨年亡くなられた吉岡宏高先生と歩みを共にしてきた友人のSさんと飲む機会がありました。

 故吉岡先生は、様々なご経歴のなか「炭鉄港(たんてつこう)」という北海道の産業の歴史を端的に言い表した表現で観光振興、地域振興をしようと活躍された方でした。

 「炭鉄港」は、北海道の歴史の中でまず「炭鉱」、それを運んだ「鉄道」、そしてそれを積みだした「港湾」に着目して、それらの頭文字を合わせた新しい単語です。

 相手が「タンテツコウ?何それ?」と言えばしめたもの、そこから説明が始まります。

 聞きなれない単語は相手の興味を引く良いフックになるのです。


       ◆


 吉岡先生は空知の三笠市のご出身で、お父さんも三笠の北炭幌内炭鉱の社員でした。

 元々石炭政策の転換で、北海道から石炭産業がなくなったときに衰退してゆく空知の町を見て「北海道民は、これだけ歴史の一定の期間雇用と経済を支えてくれた空知地域に足を向けて寝られないはずだ」という思いがあって、それを空知・小樽・室蘭の地域連携で観光と言う形で価値を再発見するということに繋がったと言います。

 平成元年には日本遺産にも認定され、またNPO法人炭鉱の記憶推進事業団が指定管理を受けて、一時火災で水没させた夕張石炭の歴史博物館も模擬坑道再建に向けて動き出しているときだっただけに、先生のご逝去は残念でなりません。


 しかしながら実は私こと、直接吉岡先生と膝を交えてじっくりとまちづくりで意見を交わしたりお話をする機会はとうとうありませんでした。

 心のどこかで、「共通の知り合いも多いし、いつか適切なタイミングでお会いできるのだろう」と高をくくっていたのですが、とうとうその日は訪れませんでした。

 一緒に飲んだSさんに「もっと早く会えれば良かった」と言うと、「そうでしたか、てっきりお会いしたことくらいは会ったかと思っていました」と残念がってくれました。

「吉岡先生ってどんな方でしたか?」
「一言で言うと、とにかく前向きな方でした。以前別な会社に勤め炊いたときに経理のお仕事をしておられたとのことで経理は大好き。『頭が煮詰まった時に、経理の帳簿をつけて数字がぴったり合った時はストレスが吹っ飛ぶよ(笑)』と言ってました」

「北炭に務めていたお父様のこともあって石炭産業には関心が深かったんでしょうか」
「それもありましたけれど、まあとにかく何でもやってやろうという気持ちが強かったですね。

 実は、お父さんが北炭に務めていたときに、坑道火災で坑道に注水をするという事故があったそうなんです。炭鉱では普通はそういう水没させた坑道はもう放棄されるんですが、北炭ではそこから水を抜いて再び行動を再建したのだそうです。

 そしてご自身もNPO法人で管理運営に関わっている石炭の歴史博物館で模擬坑道が火災で注水するという事故があり、なんとかそれも再建に向けて動き出し始めていることがあって、『親子二代で注水した坑道を再建するなんてそうそうないだろ(笑)』と笑っておられましたよ」

 亡くなられたのは突然のことで、体調不良を訴えられた1時間前にも周りに「ちょっとやりたいことがあるから今度集まって」という連絡が届いていたそうです。

 地域活動としても残念ですが、私としてはそういう前向きなエネルギーを持った方にもっと早くお会いしておくべきだったと悔やまれます。

 吉岡先生のご冥福を心からお祈り申し上げます。

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