北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

さだまさしさんのコンサートに行ってきました

2024-09-30 23:24:17 | Weblog

 

 さだまさしさんのコンサートツアーに行ってきました。

 会場は札幌文化芸術劇場hitaruで、ここにはまだ入ったことがなかったので良い機会になりました。

 席は4階席の左端で、手すりが邪魔になってちょっと観にくかったのですが、ステージよりはかなり上の方なのでバンド全体の姿を見下ろすことができました。


 コンサートツアーも今年で51回目だそうで、お元気で何よりです。

 はじめに2~3曲歌ったところで、「今日、さだまさしのコンサートに初めて来るという方は?」と会場に問いかけたところ、半分くらいのお客さんから拍手が返ってきて、「うん、知らない曲ばかりだと思うけど、全部新曲だと思って聞いてください」と言って会場を笑わせました。

 私もふだんさださんの歌を聞き込んでいるわけでもないのですが、歌えばぜんぶさだ節で、いかにもさだまさしさんの曲だな、と分かります。

 バックバンドは「さだ工務店」という皆さんで、お馴染みのドラムス、ベース、ギター、ピアノのほかに、ピッコロやフルート、オーボエの木管楽器に、バイオリン、チェロがはいり、パーカッションとコーラスも加わった編成です。

 さださんも、歌はもちろんですが、何台ものギターをとっかえひっかえかき鳴らし、ときにはバイオリンも披露し、と熱演。

 音と光のコンビネーションも決まっていて、洗練されたステージが披露されました。

 
 またお得意の話術で会場を沸かせます。

「総理が石破さんになりましたね。だいぶ昔にテレビで討論会を聞いたときには『面白い人がいるなあ、いつか総理になって欲しいもんだ』と思ったけれど、本当になるとは…」

「今、RSウィルスの啓もう活動を薬会社とやっているのですが、薬づくりと音楽づくりって似ていると思うんです。だってどちらも『きく、きかない』があるでしょう?(会場爆笑)」


 MCで笑いを取りながらもひとたび歌になれば、まさに熱唱で、72歳とは思えない声の張りでした。

 さださんは、災害が起きれば現地へ赴いて現地支援をするとともにコンサート活動を通じて被災地への募金活動も続けています。

 北海道の胆振東部地震の際も厚真町や鵡川へ赴いたそうです。

 次回は「長崎から能登へ」というコンサートもやるそうで、こういう社会活動も立派ですね。

 

 
「今日は皆さんの知っている曲は歌いませんから」と言いながらそれはフリで、しかりと「北の国から」は歌ってくれました。

 会場の8割以上は私よりも年上の高齢者が多かったように見受けましたが、それだけその世代には刺さっているのでしょう。

 演奏終了時には、関係者とスタッフの名前が映画のエンドロールのようにステージ後ろに流されました。

 スタッフへのリスペクトが感じられるこういう試みも好感が持てました。

 初めてhitaruも経験できて楽しい思い出になりました。
 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

亡き妹との最後の思い出

2024-09-29 19:15:00 | Weblog

 

 ドジャースが大谷選手の活躍で地区優勝を果たし、自民党総裁選挙は1回目の投票で2位に甘んじた石破茂さんが2回目の投票で高市早苗さんを逆転して総裁に選出された今週末。

 備忘録的にその事実を記載しておこうと思います。

 基本的に政治ネタは書かないようにしているこのブログですが、亡くなる直前の妹が病床から「お兄ちゃんは今度の自民党総裁選は誰がいいと思っているの?」と聞いてきました。

 私は「僕は上川陽子さんがいいと思うけどね。初の女性総裁/総理大臣として押し出しがいいんじゃないかな」と言いました。

 すると妹も、「私もそう、上川さんがいいと思った。同じで良かったよ」と笑っていました。

 私ごときが何かを思っても別にどうなるわけでもありませんが、妹と最後の数日間に交わした話題の一つが9人の候補による自民党総裁選の話題だったことは多分ずっと思い出されることでしょう。

 石破さんだったらどうとか、高市さんだったらどうだろうという会話でもなく、「だれが一番? ふふ同じだね」という会話に、同じような思考であることが確認出来て、最後の思い出の一つになりました。

 思えば、妹が病に臥せって病床に見舞いに行くことがなければこんな会話は多分しなかったでしょう。

 普段の生活では年に数回会うか会わないか程度の親密度だったので、最後の数日間のお見舞いに数年分の会話の密度が込められました。

 近しい人や友人には会ってたくさんの思い出を作っておくことをお勧めします。

 人生は思い出で形作られているのですから。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

分からなかったら聞くのも生涯学習 ~ 介護の勉強も楽じゃない

2024-09-26 23:51:46 | 介護の世界

 

 昨日書いた記事で、両親がそろそろデイサービスを使ってみる気になった、と書きました。

 事前に母から、介護度判定をしてくれたケアマネさんの名前と連絡先を聞いていたので、僭越ながら私から連絡をしてあらためて両親に会ってくれたことが良いきっかけになっているようです。

 おそらく両親の二人暮らしでいたら、ケアマネさんの名刺は持っていたけれど両親から連絡をすることはなかっただろうと思います。

 歳を取ると、「まだ大丈夫」という頑張っている気持に加えて、普段の日常を変えたくない、変えるのが面倒くさい、という気持ちでもいるのだと思います。

 それはそれで尊重したいところですが、第三者の目から見て「もうそろそろ限界が近づいているのではないか」と思うようであれば、まずは素直に行政に相談をすれば良いのですが、それ自体も不安だったり面倒くさかったりということもあるのでしょう。

 介護のサービスをいざ受けようとなると、その前にケアマネさんに相談して適切なプランを提案してもらって、書類にいろいろなことを書き込んで…となんだかんだで結構な手間がかかるものです。

 なので新たな日常に向かって少しだけ背中を押す気持ちで、手助けをすることが必要なのだと思います。


     ◆


 以前、まだ若い後輩が親御さんの介護の事で悩んでいるという話を聞いたのですが、よくよく聞くと行政に相談することもなく、親御さんの症状を述べて「もう大変なんですよ」と嘆くばかりなのでした。

「それって、親御さんのいる自治体の地域包括支援センターに『息子なのですが』と相談すればいいんだよ」と言っても、「そんなことがよくわからないんですよ」と議論が前に進みません。

「そこは制度を勉強し始めると大変だから、まずは地域包括支援センターへ行け!」と強く言ったのですが、その後「相談してみました、ありがとうございました」という連絡があったので効を奏したようです。

 世の中はどんどん変化しているので、時代の最先端について行けるような勉強が必要で、それこそが生涯学習の目的の一つです。

 "リスキリング"と言ってしまうと、副業を目指した資格取得のための勉強のようなイメージが付きまといますが、それを"生涯学習"と言い換えれば、もっと広く学ばなくてはならないという姿勢を問うことになります。

 自分ひとりで勉強するのが難しければ誰かに習うとか教えてもらうという方法だってあるはずです。

「そうか自分はそのジャンル、その分野がよくわかっていないな」ということに気がつくのが第一歩、そして「じゃあ少し本でも読んでみようか」というのが二歩目です。

 自分の背中も少しずつ押してやりましょう。
 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新しいケアマネさんと両親と私の打ち合わせ ~ デイサービス利用に向けて

2024-09-25 22:15:07 | 介護の世界

 

 先日恒例の両親が介護サービスを受けるべく、地域包括支援センターに連絡を取りました。

 いろいろと息子から見た親の状況をお話した後に、次にはセンターの担当者さんが両親を訪ねて直接話を聞いてくれました。

 両親の強い希望として、①父が一人で風呂に入れなくなり、母が頭を洗ったりする世話が大変、②母も腰が曲がって歩くのが辛くなり、リハビリ系のサービスを受けてみたい、ということが挙げられました。

 母は要支援1で父は要介護1ということで、父の介護サービスを決めるには居宅ケアマネさんが必要という事で、包括支援センターの担当者さんと要介護も要支援も担当できる新しいケアマネさんと私とで、両親を交えた五者会談が設定されました。

 改めて上記の主には母の要望を受ける形で、①父には入浴ができて一日いられる送り迎え付きのデイサービスを週に2度利用する提案、②母にはやはり送り迎え付きでリハビリ系のサービスが半日受けられるデイサービスの提案、がありました。

 父は終始ニコニコと笑っていましたがおそらく今日のことはもう明日は覚えていないでしょう。

 母は頭がしっかりしているので終始ちゃんとした受け答えをこなして、それぞれ10月第一週からまずは施設を体験利用してみることにしました。

「これは体験という事で、イメージが合わないとか好みではないということであれば違う施設をご紹介します。もしここで良い、ということであれば、その後は施設とご本人様とが契約をしていただいて料金などを引き落とすという手続きに移ります」

 まずはとにかく施設でのサービスを受けなれてみることから始めてみます。


      ◆


 母が気にしていたのが、今後万が一母が入院などして家を守れなくなった時の父の世話の点でした。

 これは「お父様ならショートステイで29日間まで宿泊サービスが受けられます」ということでしたが、「今日明日に父を泊めたい、という希望にも対応できますか」と訊くと、「この町で家の近くで、となるとちょっとそれは難しくて、遠くの施設を探すことになりますね」とのこと。

 そろそろいろいろな「万が一」にも備えておくことが大事になってくることでしょう。

 新しいケアマネさんは、「ご両親様は何かお薬を飲まれていますか?」と質問をして両親の通院や投薬状況をつぶさにメモしていました。

「施設で何かあったときに普段の健康状態やお薬の情報が必要になるものですから」

 こういう高齢者を何人も抱えて介護サービス施設との橋渡しをするのは相当大変だろうな、と介護を担う皆さんの苦労の一端を現実に思い知りました。

 お二人は両親に話しかける時もゆっくりと大きな声で話をしてくれて、そういうところの気遣いも感じられました。

 次第に介護が現実になりかけている今、まずは動き始めてみることが大事です。

 両親の反応が楽しみです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

退職したら「毎日趣味をしたい」と思っている人に

2024-09-24 22:25:16 | Weblog

 

 今年の春に退職した釣り好きの友人がいます。

 先日久しぶりに会って話をしたのですが、当然話題は釣りの話に。

「以前から退職したら好きな釣りをするんだと言っていましたよね。それが現実になっていかがですか?」

 すると友人は「いやあそれがねえ…。思っていたほどには釣りに行かなくなりました」と言います。

「へえ、なぜですか?」
「仕事をしていたときは釣りに行ける日って週末かせいぜい休暇を取っていくということで非常に制約された環境にありましたよね。だから多少天気が悪くても『今日行かないとまた一週間行けない』と気持ちを奮い立たせて釣りに行ったものです。
 ところがいざ自由人になってみるといつでも釣りに行けるんです。そのため、『今日は風が強いから今日でなくてもいいや』とか『また次に行けばいいんだ』と、ついつい甘い心が出て億劫になっちゃうんです。

 以前なら(明日は釣りに行ける)と思うとワクワクして前の日に眠れないほどでしたが、今ではそういう気持ちにもならなくなってしまいました。
 もっとも、釣り場への移動も週に一度ならそれほど負担でもありませんが、家の近くではない釣り場となるとその移動に時間やお金がかかるのも負担ですしね。

 小松さん、釣りも『行きたい、行きたい』と思っているうちが華ですよ」


      ◆


 なるほど、制約があってこそ限りある時間が輝いて見えるということでしょうか。

 別な知人の話ですが、「釧路勤務の時は毎日早朝の4時から6時まで釣りをしてそれから出社するという生活をしていた」とのことでした。

 出社するまでに許された時間だからこそ愛おしいという気持ちが毎日でも続いたのかもしれませんね。

 趣味に対する気持ちの持ちようについて考えさせられました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

名寄市立天文台でのシン天文講座 ~ 北海道でオーロラが見えた!

2024-09-23 23:22:31 | Weblog

 

 週末の土曜日に名寄市立天文台へ行きました。

 目的は天文台主催の「シン・天文講座 ~赤いオーロラと緑の里」と題した講演会を聞きに行くことでした。

 講師は片岡龍峰(かたおか・りゅうほう)国立極地研究所准教授で、オーロラの世界的権威の先生です。

 実は今年の5月と8月に、太陽で規模の大きいコロナ質量放射という表面での爆発があって、地球の磁場が大きく乱されるという天文現象がありました。

 そしてその際に、普段なら北極と南極周辺で天使の輪のように生じるオーロラが、地場の乱れが大きかったために天使の輪が大きくなり、ずっと低い緯度でもオーロラを生じたのです。

 普段なら日本の緯度ではオーロラは見られないのですが、このときは北海道はおろか本州の京都付近でも北の方角に赤いオーロラが出現したということで大きな天文ニュースになりました。

 名寄でも大きのアマチュア天体観測家が低緯度オーロラの赤い写真を撮ってネットに投稿したことで、大きな話題になりました。

 今回はなよろ市立天文台のレクチャールームで片岡先生のお話が聞けるというので、実際にオーロラの写真を撮ったアマチュア天文家から一般の天文ファンまでが集まりました。

 この手の講演会としては珍しく100名を超える聴衆が集まり、用意した椅子を何度も追加するという盛況ぶりでした。


      ◆


 片岡先生は冒頭で、「最初にお話をいただいたのは昨年だったのですが、そのときはリモートでネットで話が聞ければよい、ということでしたが、今回は低緯度オーロラが名寄でもたくさん見られたという事で、仕事を作って名寄まで駆けつけてきました」と言って会場から大きな拍手を受けていました。

 実は片岡先生も「直接写真を撮った方とマニアックで細かい意見交換をしてみたい」という希望があり、講演会の後で希望者とさらに突っ込んだ時間を過ごされたようです。

 低緯度オーロラは日本でも赤く色が地上から立ち上がった姿が見られたのですが、実はオーロラは磁力線によって磁気を帯びた粒子が酸素原子と反応して、高度の高いところでは赤く発光し、高度の低いところでは緑色に発光するのだそう。

 なので赤いオーロラが見られたというのは高い位置で発光したものを遠くから見ていたということになります。

 片岡先生ももちろん観測をしたのですが、日本全国からアマチュア天文家が撮影した写真でも、撮影した場所と地上からどれくらいの角度で上がっているところを撮影したかがわかり、その数が揃えば研究の材料になるのではないか、ということに気がついて、論文にもまとめているところなのだそう。

 ただ、そうした赤い映像も、撮影条件やフィルターなどがわからないと正確なオーロラ情報になりきらないということもあって、片岡先生は撮影者ともっとコミュニケーションを取りたいと考えておられるのだそうです。

 
 また日本の古文書にもオーロラを観測した記述があって分析してみると結構信ぴょう性が高いという話や、オーロラを観測する機材も年々性能が向上していることなど、オーロラを巡る幅広い話題に、会場からは質問の手が沢山上がって、大いに盛り上がった講演会となりました。

 オーロラ観測は北に行くほど条件が良いというので、北海道がこれからもオーロラ観測ブームになるのではないでしょうか。

 太陽のコロナ質量放射は、観測されると2~3日後に地球に到達して磁場を乱してオーロラが見やすくなるのだそうで、それを目当てに本州から晴れる場所を目指した観測の旅人が増えると良いですね。

 北ほど良いというのがいいですねえ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

すわステルス値上げ? ~ トイレットペーパーの省資源?

2024-09-20 21:33:41 | Weblog

 

 先日91歳の母の買い物サポートをしたときの話。

 スーパーマーケットを一巡りして食料などを買いそろえた後で母が「そうだ、トイレットペーパーを買わなくちゃ」と言いました。

「じゃ、こっちだね」

 日用品のコーナーにはトイレットペーパーが何種類も置いてあります。

 二枚重ねのダブルや一枚のシングルという違いがあったり、4巻パックや8巻パックなど選び始めるときりがありません。

 そんななか母は、しきりにトイレットペーパーをとっかえひっかえして商品説明書をじっと読んでいます。

「なあに?そんなに商品の品質にこだわるの?」そう訊くと、「いやあ幅が105ミリのしか置いてないのかなあ」と言います。

 私も一緒になって探して、「え?幅105ミリじゃだめなの? うーんと…、ああここに幅108ミリという商品があるよ」

 母は「ああ、それそれ、それがいいんだよ」と言って8巻パックをカートに入れてレジに持ち込みました。


     ◆


 その後私が「なんで108ミリ幅のトイレットペーパーがいいの?」と聞くと母は「うちのトイレのペーパーホルダーから落ちるのさ」と言います。

 実家のトイレのペーパーホルダーは左右に突起があってそれを押せば奥に引っ込むようになっていることから、ペーパーを押しつけて突起の先を芯の空間に入れることでホールドされる仕掛けです。

 ところがその幅が広いために105ミリでは突起幅が足りなくなって落ちてしまうのだそう。

 ふーむ、それってステルス値上げのせいなのか? と思い、調べてみると、なんとJIS規格ではトイレットペーパーの幅は「114mm(±2mm)」と定められているのだそう。

 105ミリはおろか108ミリだって全然違うじゃん!と言いたいところですが、紙の幅にはそれほど強い規制はないらしい。

 逆に資源の有効活用/省資源の観点からは、『少しくらい幅狭くても用果たせるのではないか』という意見もあるようで、幅が狭くなっても安くなるならそれも消費者のニーズに合致していると考える人もいるようです。

 
 実家などはホルダーを紙幅に依らないものに取り替えるのが一番なのですが、さてどうしたものか。
 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

誕生日を迎えて66歳になりました ~ お祝いメッセージの数々をありがとうございました

2024-09-19 21:12:25 | Weblog

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

都市地域セミナーがありました ~ 弟子屈町の廃ホテル除却事業に感心する

2024-09-18 23:40:09 | Weblog

 

 都市計画学会の都市地域セミナーがありました。

 話題提供者はお二人で、まずは北海道弟子屈町の徳永哲雄町長さん自らがリモートでご出演。

 弟子屈町の取り組みは、町内にある阿寒摩周国立公園内の川湯温泉街で朽ち果てた廃ホテルを除却したという事業の説明です。

 徳永町長は、「『廃ホテルの除却などできるわけがない』という声が多かった中で、ある廃ホテルの建物が火事になりその後始末を町役場がやらなくてはならなかった。

 ちょうどその時に環境省で国立公園満喫プロジェクトが始まった。

 そこで町はふるさと納税による基金を活用してその建物の権利関係を整理・取得して国に寄付をしました。

 国の土地になったことで環境省による直轄事業国の予算で建物の除却ができ、それが住民にもわかりやすい「除却ができる」という前例になった。

 民間建物の権利関係の整理はやってみると本当に大変なのだが、そこは役場の職員が頑張ってくれて一棟ずつ手続きを進めてきた。

 ふるさと納税による一定の財源が得られたことと、国立公園満喫プロジェクトがはまったことで環境省の力を借りられたことがうまくいっている背景になっている」という説明がありました。

 こうして除却を行った跡地には星野グループなどによる新しいホテルの進出が計画されており、今は非常に面白い動きが出ている。

 また、そういうことが契機となって、町の中心市街地にあった営林署の跡地を利用してお風呂や図書館、プールなどが入る複合施設をつくろうとしてい。

 それにはボーリングで出る高温のお湯を使ったバイナリ発電を活用した環境に貢献できる建物にもなってゆく予定だ、とのこと。


     ◆

 次に環境省国立公園課の植竹課長補佐より、国立公園満喫プロジェクトの事業や今後の進め方についてのご説明を受けました。

 国立公園課の植竹課長補佐からは、これから国立公園内に満喫プロジェクトによる宿泊施設を認め誘致してゆくためのガイドラインなどについての説明がありました。
 
 利用者数のコロナ前と比較しての戻りが気になりますが、事業の成功度合いは単なる利用者数だけではなくて、満足度なども指標としてとらえたい、と言います。

 質疑応答の中で徳永町長は、「おもてなしと言っても住んでいる住人が自分たちの周りをきれいにできるようにならなければ魅力はないだろう」

「私自身酪農経営しているが、まず農業景観がきれいになったのは水田。次に十勝の畑作風景、そして最後が根釧の酪農地帯だった。農業が儲かる産業になり生活にゆとりがなければきれいにならない。
 まちも同じでそこの町がきれいで魅力的だ、という意識でおもてなしをすることが大事だと思う。

 川湯温泉の若者たちが一念発起して、温泉川をどぶさらいしてきれいにするという実践活動をしてくれたが、そういう高い志があることがありがたい。
 宿泊施設も、金儲けして倒産していなくなるようなことではなく、入湯税などを含めて長続きする仕組みを整える必要があるのではないか」

 そんなお話をされました。

 さらには、今後はまちなかの古いホテルを除却して新しいホテルを建てる動きがあり、それが核となって地元も頑張りながら飲食店などの賑わいも作り出したいと思う。

 地域協力隊が情報発信してくれて頑張っている。今後はワイナリーやチーズ工房の整備なども構想しているが、あらゆる人材と協力しながら魅力的な町にしてゆきたいと思う、というような未来を描かれていました。。

 今回はかつて栄えた温泉街の古い建物を除却することで、再活性化が進んでいる好事例という事で弟子屈町の取り組みを取り上げましたが、その動きに通底するテーマを、「次世代へのバトンの渡し方」としました。

 何かを足し算して行って活性化を行う手法に対して、今ある負の遺産を取り除く"引き算の事業"によって町を新しくする取り組みを「次世代へのバトンを渡す」とした捉え方が面白い切り口でした。

 今回は外部からのリモートによる一般の聴衆参加者も多く、興味深い取り組みだったことが伺えます。

 関係の皆様、ご苦労様でした。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

子供を産むなら早い方が良い? それともゆっくりが良い?

2024-09-17 21:50:46 | Weblog

 

240917子供は早く生まれたほうが良いのだろうか.txt

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする