北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

古典の力

2006-10-31 23:55:31 | Weblog
 昨日から一転して今日は小樽市へ。関わる仕事が多いと、それごとに走り回らなくてはなりません。
 まあ、そういうことを楽しめているうちが花なのですが。

【古典の力】
 小樽に着いて、バスを降りるやいなや突然の驟雨(しゅうう)。なかなか手荒なおもてなしです。

 小樽と札幌の間の移動は高速バスを使ったので、またまた本が読めるというわけ。

 ある古典を読んでいたら「社稷(しゃしょく)」と言う単語が出てきました。「社稷」とは「国家」にも通じる言葉ですが、その元を訪ねると「社」は土地の神様で、「稷」とは穀物や食物、五穀の神様のことだそうです。

 つまり「社」と「稷」で、土地の支配と食物の支配を表していて、それを合わせると国家ということになるというのです。

 さらにそれを日本で表しているのが伊勢神宮なのだそうです。

 伊勢の内宮は天照大神(あまてらすおおみかみ)を祀っているのでこれは「社」に相当して、外宮は豊受大神(とようけのおおみかみ)という五穀をつかさどる神様を祀っています。

 よってこの内宮と外宮で社と稷の組み合わせになっているというのです。

 なるほどねえ。そういう見方がありましたか。また勉強になってしまいました。やはり古典の力はすごいものです。

    *   *   *   * 

 真にすばらしい本を読むことは頭に焼き付けながら読むことでめちゃくちゃに頭を使うので、2,3ページ読むと2,3分頭を休めないと次のページに立ち向かえないことが良くあります。また、こういう読書を続けているとものすごくお腹がすきます。

 頭を徹底的に使う読書で、ものすごくエネルギーを使っているということが分かることがあります。本当に真剣な読書であればダイエットができるのです。

 読書も体力が必要です。若いうちにやっておくべき大事なことの一つのはずです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

安岡正篤先生の「先哲が説く指導者の条件」を読む

2006-10-30 23:29:08 | 本の感想
 快晴の下、今日は釧路へ日帰り出張。現地にいるよりも往復の電車の中の時間の方が長いのはもちろんです。釧路は遠い。

【出張の友】
 釧路出張の理由は、環境省の釧路自然環境事務所をお訪ねして知床での課題解決を始め、道内の観光地に関する情報交換の場を作りませんか、という提案をすることでした。

 釧路自然環境事務所の側も異論はなく、知床に関してもいろいろな問題意識を教えていただきました。お互い立場が変わると背負っているものが微妙に違います。それらを尊重しながら、連携して課題の解決に当たろうという前向きな気持ちでは一致しましたので、これからが楽しみです。

 ところで、この事務所にはかつて私が東京で勤務したときに環境省から人事交流で派遣されてきていたA君が赴任していたことが分かりました。向こうは私の存在を知っていたらしいのですが、私の方は全く知らずにいて、今日会って驚きました。

 しかしそういう人脈があると実に話が早いものです。多少突っ込んだ話なども出来て、やはり持つべきものは人脈なのだ、ということを改めて実感しました。さらに連携を深めて参りましょうね。

    *   *   *   * 

 ところで、出張の友と言えばやはり本です。長い移動時間は読書に極めて有効な時間なのです。

 最近読んでいた本は以前「王陽明」でご紹介をした東洋思想の碩学、安岡正篤先生の「先哲が説く~指導者の条件」(PHP文庫)です。

 タイトルは指導者の条件となっていますが、日本の古典による政治問答集なのです。中身は二部構成で、第一部は「水雲問答を読む」で、第二部は熊沢蕃山の語録からの解説です。

 「水雲問答」とは上州安中の藩主・板倉勝尚(かつひさ)(号は綽山・しゃくさん)とその師事した幕府大学頭・林述斎との間で行われた往復書簡による問答集です。

 板倉綽山が白雲山人と呼ばれ、林述斎が墨水漁翁と呼ばれたことから、両者の一文字ずつを取って『水雲問答』と呼ばれたものです。

 この水雲問答、実は幕末の名君として知られる備前平戸の松浦静山(まつらせいざん)候の名著『甲子夜話(かっしやわ)』の中に収録されているもので、これ自身が既に名著でありながら、そのなかでなお異彩を放っているのがこの『水雲問答』というわけです。

 もっとも、この問答そのものはもちろんのことですが、解説を加えている安岡先生の考えがなお面白いのであります。

 たとえば安岡先生は、「水雲問答などを読んでいると、古人がいかに心術・識見を磨いたかということを深く感じるのです」とおっしゃっています。

「『識』には三つある」と安岡先生はおっしゃいます。

「その一つは『知識』これは一番つまらんし、値打ちがない」
「人間には単なる知識ではなく『見識』という価値判断が大事である。見識がなければ語るに足らん」

「ところが見識があっても、どうかすると、その人が臆病である、あるいはずるかったり軽薄であるということになると、その見識も何の役にも立たん。いかなる困難があってもやりとげるのだ、という実行力・度胸を伴った知識・見識を『胆識』という。見識があっても胆識がない人はたくさんいるのです。しかし人間は、胆識があって初めて本当の知識人なのです。これは東洋の知識学というものの根本問題であります」

 本の始めの20ページあたりにこのような下りがくると、もうそれだけで感心してしまって、なかなかページの先に進まないくらい考えるところが多いのです。

 本の中身は古文とそれを解説した中身が続きます。

(雲)「後世に至りて節義の風おとろえ、俗に申す、鼻まがりても息さえ出ればと申す風にて、慨嘆つかまつり候。この弊風いかがして矯正つかまつるべく候や伺いたく候」
(末世と言われる今日は、一貫した人間のあるべき道…節義の風が衰退して、俗に言うように鼻が曲がっても息さえ出来れば良いではないかという情けない風潮で、実に嘆かわしいことです。この悪風をいかにして矯正することができるかご意見を承りたいと存じます)

 (雲)とあるのは板倉綽山の問ということで、このような質問に対して林先生が一つ一つ意見を述べるのです。

(水)「節義の風衰えて、しこうして淟澱(てんでん)の俗興る。上の人以て誘う所有るに由るなり」
(まさに節義の風が衰退すると、世の中には垢で汚れ、悪酔いしたようなだらしない風俗が流行するものです。それというのも上に立つ為政者に節義、万事に筋を通すという風がないので、その風潮に誘われて下々までその悪風に染まるのであります)
 というのが墨水先生の答え。

 こういう問答がつぎつぎと続くのですが、まさに目からウロコが落ちる思いですし、その解説に出てくるのが古今の古典を縦横に飛び回っての紹介。ちょっとした単語の深い意味なども知れて、もう1ページ読んではため息をつきながら読み通しました。

 本を尋ねて尋ねて、このなかで更に紹介されている本を読むべきであるというところにやっと達したのか、という思いに満たされました。

 タイトルは「指導者の条件」となっていますが、これは一人一人の生き方の問題を鋭く指摘し、鼓舞してくれる内容が満載。しかもそれをごく平易に読ませてくれると言う意味で、実にありがたい本との出会いでした。

 これだけの内容をたった650円で買い求められるとは日本の豊かさを実感します。ありがたやありがたや。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

千歳アウトレットモールrera

2006-10-29 23:24:46 | Weblog
 昨日から気温が15℃近くまで上がって少し暖かい様子。でも日陰はやっぱり寒いです。

【娘の修学旅行】
 今日から娘が修学旅行で6日間の不在。

 今頃の高校生の修学旅行先はハワイなんだそうで、京都へ行った私の頃とは隔世の感があります。

 ハワイでは施設見学や買い物はもちろんですが、地元の大学生との交流会なども計画されているそうですから、違う国というものをじっくりと味わって欲しいものです。

 違う国を味わうことで、改めてその裏返しとしての自分の国を意識することが出来るというものです。井戸の中からは井戸がどのような形をしているのかを見ることが出来ませんからね。

 友達との良い思い出も出来ると良いと思いますし、なにより安全な旅を祈っています。

    *   *   *   * 

 さて、娘とその友達を空港へ見送ったついでに、初めて千歳のアウトレットモールrera(れら)へ行ってみました。

 何度か近くの蕎麦屋さんまでは行ったのですが、アウトレットモールへはまだ行っていなかったので、内の奥さんを連れて行ったのです。

 なるほど世界中の各種ブランドのお店が並んでいて、歩き回って見て回るだけでも結構楽しいものです。歩いていても、台湾の方とおぼしき一団が嬉しそうに商品を抱えて歩いています。空港に近いだけに旅を締めくくるのには格好の位置にあることでしょう。

 トイレや案内看板も日・英・中・韓と四カ国語の表記ですから、そのあたりのサービスはしっかりと意識されています。

 来春には規模を1.5倍に拡大するそうですから、まだまだ商売は拡大すると見ているのでしょう。ものが売れると言うことは良いことです。どんどん買っていただきましょう。

 写真は場内の広場に設置された子供用のアトラクション。ゴムの力で空中高く飛び上がることが出来て、宙返りも出来ます。

 少し寒かったけれど子供達の列が出来ていました。楽しければ人は集まるものです。

    *   *   *   * 

 reraからの帰りの道すがら、恵庭の道の駅「花ロードえにわ」へ立ち寄ったところ、ときどきこのブログにも登場する知人のSさん夫婦とばったり出会いました。お互い良く出歩く割りには案外同じところを回ったりしているものです。世間は狭い。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

壮瞥町のエコミュージアム

2006-10-29 22:42:59 | Weblog
 今日の後半はニセコから洞爺湖~壮瞥町への旅です。

【洞爺のシーニックバイウェイ地域活動】
 ニセコでの意見交換の後は、ニセコの皆さんに別れを告げて洞爺湖周辺へとバスへ向かいました。ニセコの皆さんお世話になりました。

 洞爺湖周辺は紅葉の季節が例年より二週間ほど遅いそうで、普段ならとっくに終わっているところがまだ最後の色模様が残っていました。カエデやミズナラの黄色がとてもきれいでした。

 さて、洞爺湖でのシーニックの活動を案内してくださったのは、シーニックバイウェイ活動には珍しく、役場の職員という壮瞥町役場のAさんでした。

 Aさんはシーニックバイウェイの活動に触発されて、洞爺湖周辺の約三千枚にもわたる道路沿線の看板の写真を撮影して膨大なデータベースを作成したという努力家。
 
 その結果、看板の撤去なども行っているそうです。また国道453号にちなんで、「ヨゴサン(453)キャンペーン」としてゴミ拾いをイベントに仕立てて、多くの参加者を招いています。工夫のしがいはいろいろとあるようです。

    *   *   *   * 

 さて、このAさんに案内された今日の視察の中心は、『洞爺湖周辺地域エコミュージアム(自然博物館)』という形で、有珠山を中心とした火山との関わりを学習する場そのものです。

 有珠山は活火山の性質として、25年に一度必ず噴火するというあまりにも分かりやすい性格を有しています。

 しかしそのことは戦時下にあっては縁起でもない機密であったり、人心を不安に陥れる事実として長く公の情報として知らされなかったのでした。

 結果としてその事は、必ず再び被災する場所に建物を建てたり道路を造ったりすると言う被害の繰り返しということに繋がってきたわけです。

 しかしながらこの地域は、火山と隣接しながら火山活動が平時のときは温泉や湖という火山活動の恩恵に浴しているわけですから、噴火時の被害を上手に避けることが出来さえすれば良いという極めて現実的な生き方を選択することが出来るのです。

 幸い有珠山は、噴火の前に火山性微動による地震が起きるという極めて分かりやすいふるまいをする山ですので、避難をすることもできますし、河口のできそうな位置や絶対にずれる断層のありかなどを押さえておけば、被害を最小限に食い止めることができます。

 そのことの可能性に早くから気付いていたのが、三松正夫さんという地元の郵便局長でありながら、昭和新山の成長記録の観察で世界の地質学者を驚嘆させた在野の研究家でした。

 三松正夫さんは昭和新山となってしまった元農地を私財をなげうって買い集め、世界で唯一の火山の個人所有者となってしまいましたが、その記録などを後世に伝えるために昭和新山の前に三松正夫記念館を建てて一般に公開しています。

 現在は正夫さんのご子息の三郎さんが館長として来館者への案内をしてくださっていますが、ユーモア溢れる案内ぶりが人気です。昭和新山を訪れたときは必ず立ち寄りたい場所です。

    *   *   *   * 

 さて、Aさんはその後も有珠山周辺の地殻変動で潰れた病院(現存)や、地殻変動で使えなくなってしまった鉄道胆振線(現在は廃線)の橋脚などを案内してくれ、地域の自然を面白おかしく紹介してくれました。

 私も何度も洞爺湖は訪れましたが、このような視点でこの地域を見たことは全くありませんでした。まさにお金を払う価値のある地域学習だと感じました。 

 壮瞥町は、こうした自然施設の他にも果物が豊富に穫れることでも有名です。旅の終わりは道の駅「そうべつサムズ」でお土産の購入。

 心に残る良い旅のお礼は地元にお金を落とすことです。神社のお賽銭と同じです。私も地元産ブドウによるワインとジャガイモをお土産に買い求めました。

 Aさん、壮瞥町の皆さん、ありがとうございました。我が故郷北海道にはまだまだ知らないことが多いことが分かりました。そしてこのような興味溢れる事柄を面白おかしく紹介する旅は必ず商品としても売れるということが分かりました。

 洞爺湖畔のホテルへ泊まったら、ぜひ壮瞥町という町を楽しんでみてくださいね。

 
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

気付いた者責任~ニセコシーニック2日目

2006-10-28 23:50:59 | Weblog
 下り坂の天気という予報を裏切って、今日のニセコは快晴。今日はニセコから洞爺湖~壮瞥町への旅です。

【気付いた者責任】
 夕べは夜遅くまで、いや一部は朝まで、地域をどうやって盛り上げてゆくか、という話題で随分と盛り上がりました。(こういう時間の積み重ねこそがシーニックだなあ)という気がします。

 さて、今日は午前中まずは改めてお酒の入らない形で、委員の皆さんと夕べの会合後にホテルに泊まってくださったみなさんとの全体意見交換会を行いました。

 地域でペンションを経営する方から出た意見として旅行代理店に対する厳しい指摘がありました。
 曰く、「最近は国でも観光に力を入れてくれているのはよく分かります。しかし『支援しますから来てください』と出かけていった会合では『皆さんの話を聞いて旅行代理店(エージェント)が支援プランを作ります』ということでした。私たちにしてみると、これまでの日本の旅行をさんざん牛耳っておいて苦しくしたのはエージェントではないか、という思いが強いのです」ということ。

 これに対して旅行業界の委員の方からは「確かに今までは、アウトバウンド(outbound)と言って、日本の客を外に出す商品しか考えなくても済んだ時代がずっと続いていました。高度成長のお陰です。しかしこれからは外国の方が日本に来てもらういわゆるインバウンド(inbound)への商品が強く求められていて、それが未成熟であるのです。確かにそれは厳しく反省をしなくてはなりません」

「しかし、その反省に立つ今は、お客さんが旅行代理店を必要とせずに直接ホテルやレンタカー会社と交渉をするという、自由気ままな旅がどんどん増えてきている。もう旅行代理店の役割がほとんど失われてつつあって、そういう危機感がエージェントに強くあるのです」

「エージェントが悪くした、という意見はごもっともですが、その反省に立って、地域を素材にして地域にメリットが出るような商品を開発、創造しようという真面目な代理店があちらこちらに出てきています。ですからしっかりとそういう旅行代理店を見極めて、連携先として欲しいのです」という意見が寄せられました。

 なにより誠実であること、そして商品化などの技量が確かであること、こういう相手と連携をしたいものですが、この地域に本当にそういう相手がいるかどうかが問題です。

 しかし真に求めれば必ず出会える人には出会えるはず。まだ出会えないのは求め方が足りないからかも知れません。もっともっと強烈に求めるのです。

    *   *   *   * 

 さて、ニセコでシーニックを一生懸命やっているもはや顔役と言って良い方がいるのですが、その方からは「私もおだてられて、騙されたみたいにして一生懸命やってみているけれど、今でも『何で俺なんだろ?本当に俺で良いんだろうか?』という思いを抱きながら続けているんですよね」とやや弱気な発言がありました。

 するとすかさずシーニックに情熱を燃やし続けている職員から「私も仕事をしながら『なぜ自分が?』と思うことがあるのですが、そのときには『しかし気付いちゃったのが俺だから仕方がない、俺がやるしかないか』と思うことにしているんです。『気付いた者責任』って自分では名付けているんですけど、もう気付いちゃったんだから仕方ないんじゃないですか?あはは…!」と切り返し。

 『気付いた者責任』ですか。面白い!言い言葉です。誰かに責任を転嫁しても始まりませんからね。いろいろな問題や課題や解決方法に気付くだけのセンスがあったのだから仕方がない、という諦めが良いではありませんか。

 人生は前向きなのがよろしいのです。これもまた縁なり、です。







コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

シーニックバイウェイのニセコ視察

2006-10-27 23:30:19 | まちづくり
 今日から明日にかけては担当している仕事の一つである、シーニックバイウェイ北海道に関連して、ニセコ方面への出張です。天気がよいと良いのですが。

【ニセコのシーニックバイウェイ地域活動】
 シーニックバイウェイというのは道路を通じて、地域の皆さんや団体が連携して景観作りや地域づくりを行おうという運動で、昨年から正式に始まったものです。

 これまでに道内には、支笏洞爺ニセコルート、大雪・富良野ルート、東オホーツクシーニックバイウェイ、宗谷シーニックバイウェイの四つのルートで地域の活動が充実してることから正式にシーニックバイウェイルートとして指定を受けて活動を行っています。

 北海道でのシーニックバイウェイは、アメリカで行われていたシーニックバイウェイ事業を参考にしたものですが、地域の人達が地域内で連携することをお手伝いすることと、そこから派生して活動や事業を行うことを支援するということが、国としての主な活動になっています。

 シーニックバイウェイのルートは、主に国道を中心として連携している一定の範囲を指定するもので、ルートをシーニックバイウェイルートとして指定するためには、その範囲の中にある程度の地域の人達の連携の姿や地域をもり立てる活動が具体的に盛り込まれていることを求めています。

 今回はこれまでの4つのルートに加えて、新たに2つのルートが指定を求めて申請を出してきていて、それらの内容に関して有識者からなる委員会でその内容を吟味することとなっていたものです。

 千歳市内で開催された委員会では概ね好意的な意見が多数を占めましたが、正式な決定は協議会での議論までお預けです。活動ルートに新しい仲間が加わりそうな予感がする、今年の秋です。

    ※    ※    ※    ※

 さて、委員会の後は委員の皆さんに実際の地域活動の現場を見て頂くために、代表的なルートである支笏洞爺ニセコルートへ向かいました。

 シーニックバイウェイの活動として行われていることに参加してみるということや、実際に地域で汗をかいている人達と会って普段なかなか語れない本音を聞いていただこうというわけです。

 支笏湖を中心として、ガイド付きのコミュニティバスの運行にトライしている団体があって、今回はそのルートを我々のバスで移動しながら案内もして頂きました。

 恵庭岳の裏にあるオコタンペ湖や、樽前山の7合目の展望台まで案内して頂くと、普段はなかなかみられない北海道の自然を、地元ガイドさんの案内付きで楽しめます。

 質問をしたり会話をしたりすることで、ガイドブックを読むだけでは知り得ない地元情報がわかります。こういう人との触れあいこそが旅の醍醐味というものでしょうね。

    ※    ※    ※    ※

 支笏湖の後は一気にバスはニセコへと向かいます。羊蹄山の周辺には要諦を囲むようにして幾つもの団体が参加・連携する地域活動が行われています。

 今日宿泊するホテル「甘露の森」では事業の報告会と交流会が開かれました。支笏湖エリアでは「ガイド付きコミュニティバス」、ニセコエリアでは幾つもの自治体やホテルなども協力してくれて、離れた地域でも一斉にローソクを雪の壁の中に灯す「キャンドルナイト」、そして洞爺湖エリアでは壮瞥町での「看板撤去事業」についてその活動内容が報告されました。

 傍目からみていても、「よくなるなあ」と感心するエネルギーです。行政の枠をいとも簡単に飛び越えて、理屈をぐだぐだ述べる官も民もなく、やれる人がやれることをやるだけ、という活動です。

 内地の委員の皆さんからもいろいろな賞賛とアドバイスの声が寄せられました。なかでも旅行業界代表委員の方からは「今特に20代から30代の女性に人気があるのは、『プログラムされた感動』の旅です。感動が約束されるような旅商品に飛びつく層があるのだから、そういうことを意識しながら事業を組まれると良い。そして実際に商品化するという努力を続けて質を高めて欲しい」とエールが送られました。

 『プログラムされた感動』というのはなかなか面白い表現です。終わった時に感動が約束される旅というのは、どういうことなのかをよく考えてみたいものです。

 一見するとなにか安易なことのような気もしますが、結局はそういう機会や縁を提供するこちら側に、人間的な魅力だとか魂がぶつかり合って火花が出るような強い思いがあるかどうかにかかっているのだと私は思います。

 感動させることのできる魂を持っているか!そんな自分であるのかどうか! 

 活動をされている地域の皆さんとの懇談は深夜にまで及びました。全然プログラムされていなかったけれど、結果として今夜も感動をたくさんいただきましたよ。こういう人達と会うと本当にこちらも元気になるなあ。

 明日も晴れると良いのだけれど。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【番外編】豊かさとは

2006-10-26 23:59:59 | Weblog
 なだれ込み研究所から「豊かさについて述べよ」というオファーをいただきましたので私なりの思いをお送りします。

【豊かさとは】
 日本は豊かになったと言われます。その豊かさとはなんなのでしょうか。昔は豊かではなかったとすると、今と何が違うのでしょうか。

 私は一言で言って「選択肢が広がったこととそれを選べる自由のワンセット」なのだと思っています。日本は戦後の苦しい時代を乗り越えて、経済的に復興を果たしたといわれます。

 そのときの経済的な発展とか経済的成功というのは、やはり物質的な豊かさが中心で、多くの服に囲まれ、食べきれない食物を店先に並べ、次から次へと建て替える建物の中で暮らしています。

 本屋には読み切れない本が山積みされ、テレビには見ることなど到底不可能なくらいたくさんの番組が流され続けています。

 これらの限りないモノ達に囲まれた私たちにはこの中からどれを選ぶかという数多くの選択肢が用意されています。どれを選ぼうか、何を食べようか、どの番組を見ようか…。どうせ出来ることなど限られているのにもかかわらず、多くの中から選ぶことが出来ると感じることこそが豊かさなのではないでしょうか。

 そしてもう一つはそれらの選択肢から自分自身の意志で一つのことを選べるという自由があることこそが豊かさの前提であると言えるでしょう。

 幸い今の日本にはこの両者が揃っているように見えます。豊かなモノとそれをお金や時間の制限の下とはいえ、選ぶことが出来る自由も与えられています。なんと幸せなことでしょうか。

 しかしこの豊かさには影もあります。私たちは豊かさにかまけて、安易な選択に身を置き続けてはいけません。特にその生き方において、今なすべき正しい選択とは何かを常に心にかけておかなくてはならないのです。

 多くの選択肢から、たった一つの事柄を選ぶというこの縁を畏れることができる人こそが、真に豊かさを感じられるのではないでしょうか。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日ハム優勝!盛り上がる北海道!

2006-10-26 23:40:39 | Weblog
 ついに通勤にコートを着ました。やせ我慢せずに一枚羽織るだけで暖かさが違います。

 朝今年始めて雪虫を見ました。服についてバスの中まで入ってしまった一匹がちょっと可哀想でした。

【日ハム優勝!!!!】
 夜知人と会食のためにまちなかのハンバーグ屋さんへ行きました。

 入ってみると中には年配の男性が一人と女性が二人でテレビを観戦中。てっきりお客さんかと思いきや、なんとこのお店のご主人と従業員の女性達でした。

「もうかなわんですよ。早く野球のシリーズが終わってくれないと商売あがったりですよ」と客の私に苦笑い。

 そう、ご主人が見ていたのは日本シリーズ第五戦。日ハム対中日の野球中継なのであります。

 久しぶりにあった知人は東京の方。「そうかぁ、野球ねえ。みんなテレビを見ていて外に出てこないんだ」と得心がいったよう。

 二人でカウンターに座って注文をすると、若いカップルが入ってきましたがいかにも道外からの観光客といった風。札幌市民はあまりこの時間に外で外食をしていないかもしれませんね。

 しかし食事をしている最中に、中日に一点を先制されやや分が悪い日ハム。心の中で(がんばれー)と思ったところで会合も終了。後ろ髪を引かれながらもお店を後にして知人とも別れました。

 試合の行方を気にしながらバスに乗って家路につくと、なんと見事に逆点をしているではありませんか。

 そこから先は着替えもせずにテレビの前に陣取って試合に熱中。次第に形成は日ハム有利に傾き、8回裏には稲葉選手の試合を決定づけるだめ押しのホームランも飛び出しました。

 勝利を確信した最終回ではありましたが、新庄の泣いている姿にこちらもこみ上げるものがありました。

 そして最後の打球はレフト森本のグラブの中へ。この瞬間なんとプロ野球日本一のペナントが津軽海峡を越えてやってきたのでありました!シンジラレナーイ!

 何となく元気のないと言われる北海道ですが、高校野球は駒苫が三年連続夏の甲子園の決勝へ進み、プロ野球も優勝とはすごいことです。

 誰かに助けを求めるよりも、自分のやれる範囲のことを真面目に精一杯やり遂げることこそが、自分の世界で元気を出すということなのですね。

 景気なんて気分によるところが多いのですから、大いに週末から年末にかけて盛り上がって欲しいものです。自分たちの経済活性化は、自分たちのお金を使うところからです。

 日ハムの選手達には心から感謝です。やったぜ!

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

たかが「お茶碗」のことで

2006-10-25 23:12:02 | Weblog
 外は寒くても職場の室内は暑苦しい状態。室内全体を快適にするというのがなかなか難しいようです。

【おちゃわん】
 朝ご飯を食べているとご飯茶碗が汚れます。

 特に納豆などを食べるとご飯茶碗が汚れます。これにお茶を注いで飲むとお椀の汚れが取れて、なんとなくすっきりします。

 今日の朝、うちの奥さんに「お茶入れて」と頼んだところ「茶碗でいいの?」と訊くので、新聞を読みながら「うん、いいよ」と答えました。

 私はご飯茶碗に入れてくれるものと思っていたら出てきたのは湯飲み茶碗に入ったお茶でした。

「あれ?ご飯の茶碗じゃなかったの?」
「ええ?昨日は湯飲み茶碗に入れたじゃない」

「だって茶碗と言ったら…、あれ?ご飯も湯飲みもどっちも茶碗か…?」と茶碗がなんだか分からなくなりました。

 そこで辞書を調べてみると、【茶碗…茶や飯の飲食用の陶磁器】とありました。なるほどご飯でもお茶でも入れ物はとりあえず『茶碗』でよかったと言うことが分かりました。

 考えてみると、「わん」という漢字も辞書によると、陶磁器なら石偏の【碗】で、木でできたものは木偏の【椀】が使われるようです。

 たかがお椀のことですが、案外知らないものでした。

 そもそも夫婦の間で茶碗の概念が違ったとは…。いちいち「お茶はご飯茶碗に入れて」と言ったり「湯飲み茶碗に入れて」と使い分けなければ行けないのでしょうか。

 どっちに入れられても文句を言わない、というのが一番の解決方法かもしれませんが。

    *   *   *   * 

 日ハムファイターズが、金村の熱投で勝利をもぎ取り、一気に日本シリーズ王手に!

 もう少しシリーズを楽しみたい気持ちもあるけれど、決めるなら今日札幌で決めてしまって欲しいものです。たのむぜ、ダル!

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

報徳運動再建なるか

2006-10-24 23:37:22 | Weblog
 快晴ですが気温は低い。もうコートが必要かなあ。

【二宮尊徳議員連盟】
 札幌に我が師、榛村さんが来てくださいました。

 道内のある地方都市が主催して、明日開かれる委員会に招かれているのだそうです。久しぶりにお会いしましたが、お元気そうでなによりです。

 空港からの案内を知人のAさんがしてくださったのですが、「どこへ行きましょうか?」と伺うと、「まずはこままささんの職場を見てみよう」と言ったそうで、午後に我が職場を訪ねてくださいました。

 何でもその目で見ないと気が済まない現場主義をまだ貫かれているということが改めて分かりました。ありがとうございました。

    *   *   *   * 

「最近面白い話題はありますか?」と尋ねると「うん、今度民主党で二宮尊徳の話をしてくるんだよ」と言います。

「民主党が二宮尊徳ですか?」
「うん、二宮尊徳議員連盟というのが民主党に出来たらしいんだな。そこで話をしてくれと言うので行ってくるんだけど、党でしょっちゅうテレビに出ているような幹部もたくさん名前を連ねているんだよ」と嬉しそうです。

「自民党に議連が出来たというのならまだ分かる気もしますし、国を憂いて思想の再構築として報徳を語るというのならば超党派の議連でも良さそうですが、そうはならないんですか」
「それが民主党だけでできたんだな。かつては農村は自民党がばらまき予算みたいにして票を集めていたんだが、今では自民党が都市に重心を置くようになった結果、その反動で民主党の方が『地方を大事にしなくちゃいかん』なんてなことを言い出してきているんだね」

「面白いことですね。しかし民主党が二宮尊徳に注目したというのはどういうことですか?」
「それは前の栃木県知事だった福田さんが言い出したんだな。彼は栃木県知事時代にも二宮尊徳の考えを前面に押し出した『分度推譲立県』というようなことを言っていたけれど、2期目の選挙で落選して、その後民主党から立候補して代議士になっているんだよ。それで今ではこの議連の会長をしているんだ」

「はあ、それで民主党が言い出したという形になっているんですか」
「そう、それに副会長というのが愛知県から出ている代議士なんだけど、この人がまた『かつて僕の話を聞いて代議士を志したんです』なんてことを言っているんだよ、はっはっは…」

 北海道も戦後から昭和30年代前半くらいまでの辛かった時期を、地方ごとの報徳の組織で連帯して乗り越えてきた農村の歴史があります。

 かつてはそれは自民党の牙城だったはずなのですが、民主党が頼るようになるとは、時代が変われば変わるものです。

 報徳運動も参加者の高齢化や新規参加者が先細っているなど、あまり明るい話題はありません。せめて心に灯す一筋の灯りとして報徳思想の価値を再認識しておきたいものです。

 報徳運動があまり政治的な色彩を帯びて欲しくはないものですがねえ…。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする