久しぶりに友人の釣り兄貴Gちゃんを頼って鮭釣りに行ってきました。
鮭釣りは年中行事として行きたいところなのですが、このところ鮭釣り人気は異常で、週末の休日ともなると釣れそうな海岸や港には釣り人がごった返す状態が続いています。
そのため休日は避けてできれば平日に休みを取って行きたかったのですが、思うように休みが取れなくてようやく昨日、今年最初の鮭釣りになったもの。
「休みが取れそうだから鮭釣りに連れて行ってよ」と頼み込んだ釣り兄貴のGちゃんは、「今頃かい、もう遅いよ、あまり期待できないよ」と言いながらも朝の仕事の後に付き合ってくれることになりました。
「風が強くて海も荒れているし、まあ期待しないでドライブついでに港の様子を眺めて勉強するつもりで行こうや」
とりあえず積丹方面に向かって車を走らせて、とある港で様子を調査。
すると何人かの鮭釣り人が港の岸壁で竿を出しています。
車を降りて手近な一人に「釣れますか?」と訊いてみたところ「朝は釣れてましたね。でもこの時間になって止まった感じです」とのこと。
港の中を見ていると時折鮭がボーンとジャンプするのが見えます。
「ふうん、ここの港にはまだ鮭が残っているんだな。とりあえずやってみる?」とGちゃん。
とにかく竿を出してみなければ魚は釣れないので、「まあダメ元でやってみようよ」と釣りの支度を開始。
Gちゃんは口では「今日は期待できないよ」と言いながらも、ちゃんと貸してくれる分の釣り道具やら餌を用意しておいてくれています。
港での釣りは先行者優先がルール。先に釣っている人の邪魔をするわけにはいかないので、人が釣っていないところで釣り始め、釣り終えて人がいなくなるとそのポジションへ移動して魚の様子をチェックです。
どうやらある程度の鮭の群れが港に入っているようですが、なかなかこちらの釣り餌に食いついてくれません。
何度か場所を変えたところでGちゃんヒット! いい感じのオスを一匹ゲットです。
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鮭釣りと一言で言いますが釣り方はいろいろあるのですが、代表的なものは「浮きルアー」と「浮きフカセ」の2通り。
「浮きルアー」は餌をつけた釣り針の上に30~45gくらいのルアーと浮きをつけて遠くへ投げ込み、一定のスピードでルアーを巻き取りながら鮭の興味を引いて食わせるという釣り方。
巻き取るまでに食いつかなければ何度でもルアーを投げ入れて回収を繰り返す釣りです。
一方の「浮きフカセ」は餌をつけた釣り針の上には浮きだけをつけて遠くへ投げ込み、あとは釣り糸のゆるみを取りながら餌に食いつくのを待つだけの釣り方。
Gちゃんの用意してくれた釣り道具は浮きフカセの釣り方です。
浮きが近くまで来たらまた遠くまで投げ入れますが、Gちゃんは「餌に食いつかせるためには餌の鮮度が勝負。何度か投げ入れて餌がボロボロになったらすぐに交換しなよ」とコツを教えてくれつつ、「俺がさっき釣れたあのあたりに投げ入れな」とポイントまで教えてくれて、手取り足取り教えてくれます。
するとまさに教えられたポイントへ投げ入れた次の瞬間に鮭が食いついて浮きがぐんと沈みました。
「食った!上げて」
言われたとおりのやり方で、私も力強いオスを一匹ゲットできました。なんとラッキー。
その後はまだいる鮭を狙ってキャストを続け、私はもう一匹メスを釣り上げ、Gちゃんは全部で4匹を釣り上げました。さすがは釣り兄貴です。
ただのドライブで港見学ツアーのつもりでしたが、思わぬ釣果と思いのほか良い思い出を得ることができました。
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とりあえず釣れた中でも、帰りの車の中で反省会をしつつ移動。
Gちゃんは「他人の釣り方に文句をつけるわけにはいかないけれど、港のなかで釣るんだったら俺は"浮きルアー"よりは"浮きフカセ"の方が良いと思っている」と言います。
「ルアーってやっぱり流れる川のようなところで流れに負けずに釣るためのスタイルだし、魚にしても自分の頭の上にドボンドボンと何かが何度も投げ込まれるのって心中穏やかじゃないと俺は思う。
だからポンと投げて、あとはかかるのをじっと待っているという静かなスタイルの方が好きだし、その方がやっぱり釣れると思うよ」
「今日みたいに普段行かないような港で釣らせてもらうときは、まずは地元の人たちに話しかけたりして、地元民の釣り方を見ることだ。それがその港の釣りの文化だったりマナーというものさ。
それを『釣り方は俺の勝手だろう』と、ずかずかと乗り込まれたら、それを止める権限やルールはないんだけれども、やっぱり(面白くない)と思う人はいるものだし、そういう地元とか釣りの流儀へのリスペクトのなさが積もり積もってゆくとトラブルのもとになるんだと思うよ」
最近の鮭釣りは、釣り人のマナーの悪さや港で働く漁師さんたちとのトラブルなど、ちょっとネガティブな話題が増えています。
他社への敬意をもちつつ、ちょっと場所を借りて釣らせていただき釣れたらラッキーというくらいの心を持ちつつ、それでも釣り技術を高めながら魚と勝負をするというのが、釣りというアクティビティへのあるべきスタイルなのではないでしょうか。
釣った鮭はもちろん家で丁寧にさばかせていただきました。
Gちゃんの完璧釣りガイドと天の恵みに感謝の一日でした。