北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

水問題 ~ 線形のインフラとスタンドアロンの併用

2024-01-31 21:37:06 | Weblog


       【WOTAのホームページより】    

 

 先日ある会合で、水道の仕事に従事していたと言う方と話す機会がありました。

 地震津波で被災した能登地方もそうですが、水道は上流の浄水施設から給水管を延々と整備してようやく末端で利用できるというインフラでありサービスです。

 その整備と維持管理には大きな費用がかかり、その費用を賄うために水道料を利用者が払うというサービス提供と対価の関係が成立しています。

 そうなると、利用者が減る、つまり人口減少下では利用料金が少なくなり施設を維持して水質の保たれた水を安定的に供給することがどんどん難しくなるでしょう。

 そしてそれはもう、実際の過疎の村では現実になっていると、冒頭の水道担当者はおっしゃいます。

 本州のある県の、川の上流のある村では、高齢化と過疎に伴って水道施設の維持が非常に困難になっているそうです。

 そこでは浄水場の周辺で倒木があって水の供給が危うくなると、65歳~70歳と言う比較的若い高齢者が山道を登って浄水場の倒木を処理します。

 それでも一部はもう水道の供給ができず、「湧き水に塩素を垂らして消毒して飲み水に使っています」というところすらあるそうです。

 利用者減、管理する担当者も少なくなり経営も危ぶまれるという三重苦、四重苦の結果、自治体では水道事業を行政から切り離して民間に委ねるという取り組みがどんどん増えています。

 それも一つの自治体だけではなく周辺の自治体がまとまって水道事業を手放すという事例が増えているのです。

 政府(国土交通省)もこれを「ウォーターPPP」と名付けて、官民連携の「管理・更新一体マネジメント方式」として導入拡大を推し進めています。

 それは上水道だけではなく、工業用水や下水道などの管で繋がるインフラに共通のことなのでこれらを一体化して管理することもできるような仕組みになっています。

 
       ◆


 これが現実に増えているという実態を聞いて、「それと同じようなことが水道ではできて、道路管理ではなかなか進みません、どうお考えですか」と訊ねてみました。

 すると答えは、「水道の民営化には、それまで行政が携わっていて実際にかかっていて管理に要する人件費は、民間事業に移行してもしっかりと積算で計上するという文化、あるいはコンセンサスができているんです。道路の利用はもともと無料ということから、維持管理にかかる人件費というものが認識されていないのではないでしょうか」というものでした。

 水道の管理は人件費や機械経費、電気、修繕費などかかる費用を利用者が負担するので、もともと支出と収入という考え方が理解されやすいのですが、道路となると収入(あるいはそれに相当する便益効果)が理解しにくいところがあります。

 どれくらい費用をかけたらどれくらいの利便や経済効果が得られるのかも判然としないところがあります。

 インフラの民間管理化ということでいうと、道路管理よりも水道事業の方がより早く進みそうです。


 ところで、上水道でも下水道のような管で繋ぐ「線形インフラ」は、整備計画があってその区域の末端まで整備をして供給をすることを目標とします。

 しかし今日、一定の延長線の先にはもう利用者が少なくてこの先は管で繋いでも費用対効果が成立しないというところが増えています。

 そんなところも管理者として責任をもって整備すべきかどうかということには議論があるでしょう。

 利用者全員の負担が増えても責任を持つべきで切り捨てるな、という議論もある一方で、線と切り離してもサービスが提供できれば良いと割り切るという手もあります。

 下水道でも、公共下水道として下水道管を繋げれば利用者が多い人口が密集しているところでは効率的ですが、遠方の「ポツンと一軒家」では経費倒れになるでしょう。

 家庭の汚水をきれいにして環境に悪影響を与えないための技術・施設としては、合併浄化槽という単独あるいは数軒もまとめて設置すれば、そこで水をきれいにして外部に排水するという技術があります。

 電気も、電線を延々とひかなくても太陽光や自然エネルギー利用でスタンドアロンで需給を賄うことがどんどん可能になりつつあります。

 さすがに生活のための上水は無理だろう、と思ったら、冒頭の水道に詳しいその方は、「実は水もその場できれいにして再利用する技術が出始めているんです」と言います。

 循環水システムの会社はWOTAというところだそうです。 https://wota.co.jp

 これを使えば、なんと住宅単位で水の再生利用ができるといいます。

 「ポツンと一軒家」には最適かもしれませんね。

 人口減少や少子高齢化などのどうしようもない社会変化は、野心的な新しい技術と住民の連帯・協力で乗り越えてゆきましょう。

 地域がまとまれるかどうか、自治体トップのリーダー力が問われてゆきそうです。

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技能講習の二日目 ~ これでようやく機械を動かせる

2024-01-28 22:40:18 | Weblog

 

 技能講習の二日目、今日は安全法令の座学と昨日からの授業をまとめた試験があり、その後にバックホウとホールローダーによる実技講習とこちらも試験がありました。

 座学の試験と実技の試験の両方をパスして初めて修了証がいただけるというわけです。

 午前中の試験の方は4択で、全部で免除される科目を除いて15問。

 このうちの7割が取れれば合格で、まあなんとか事なきを得ました。

 問題は実際の機械を使って操作をする実技です。

 バックホウを使った実技は、雪の山を削って背丈ほどのバーより高く持ち上げて90度右旋回し、これを下ろします。

 さらにそれをもう一度削って今度は左旋回してやはり下ろす。これを二往復するというのが課題。

 生まれて初めてバックホウを動かしましたが、左右のレバーに慣れなくてあたふたしながらなんとかクリアしましたが、こちらはまあやってみるだけの実技でした。

 問題は試験の科目として指定されたホイールローダーの方。

 こちらの課題は、左右に配置された雪山を削って持ち上げ、一度バックして反対側の山まで運んで下ろすという作業で、これをやはり2往復します。

 免許を取ったのはホイールローダーだったので、これでの試験は少しは乗り慣れていラッキーかと思いきや、なんと乗る機械は最新式のもので、走行検定で乗ったものとは異なる機種でした。

 最新式だけあってパーキングブレーキは棒状のレバーではなくてかわりにボタンスイッチになっています。

 おまけにブレーキは左足で踏み、ブレーキをかけている間はエンジンの動力は走行ではなく油圧の方に回るという仕掛けになっていて、左足でブレーキを踏みながら右足でアクセルを踏んで動力パワーを出すという操作が求められます。

 みたことのないパネル周りの配列に加えて、自動車の運転では全く考えられない動作をするので頭が混乱してなかなかうまくいきません。

 今日は受講者のうち7人が、こちらの講習を一緒に受けることになったのですが、最初は見ず知らず同士で全く話もしなかったのが、ひとりが「全然できないっす、なんなんすか、これは」と愚痴をこぼし始めたのをきっかけに、「俺もです」と共感の輪が広がりました。

 しかも多少運転したことのあるという経験者からは「こういう操作をすると便利ですよ」というアドバイスもあり、最後は検定の際に周りで見届けて応援をするというチームになりました。

 試験の結果は全員合格とのことで、よほどのことがない限り落とされはしないのだろうな、とは思いつつ、それでも求められる技能を短時間で身に着けて発揮しようとするのは結構辛い時間でした。

 それでもなんとかかんとか1カ月で習得できた大型特殊免許と技能講習修了証。

 もしもボランティアをするにしても仕事をするにしても、人生の幅がまた少し広がりました。

 自分自身が「多能工たれ」と唱えている以上、やって見せる必要があったとはいえ、まあ面白い経験でした。

 これからも思ったことは実践というスタイルで行きましょう。

 

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車両系建設機械技能講習の受講 ~ これがなければ機械で働けない

2024-01-27 23:13:39 | Weblog

 

 今日と明日の土日は、「車両系建設機械技能講習」を受講します。

 先日公安委員会からの大型特殊自動車運転免許は取得したのですが、これは「公道を走って良いよ」という免許です。

 実際に大型特殊自動車(ナンバープレートの数字が9または0の車、ブルドーザー、バックホウ、ホイールローダーなど)で作業をするためには、労働安全衛生法によって、法定の技能講習を修了した者でなければ就業できないとされています。

 技能講習は全部で14時間で、それを今日と明日の二日間でこなすというわけ。

 講習は学科と実技に分かれていて、その両方に一応試験があります。

 学科の座学では、車両系建設機械の基礎知識、構造と種類、取り扱い、管理などのほか、力学や電気に関する知識、土工に関する知識、関係法令などを学びます。

 実技では、ホイールローダーまたはバックホウで、雪を運ぶという実技を行って一定の条件をクリアするかどうかを見極めます。

 ホイールローダーもバックホウも、今まで一度も作業のための運転などしたことがないのでちょっと不安です。

 また座学でも、随所に強調されるのは安全に対する知識と心構えについてです。

 実際にあった事故を再現するビデオ動画や、敢えて無理な運転をして建設機械が不安定な挙動をするシーンを何度も見せられます。

 それもそのはずで、こうしたビデオを見ているときは殊勝な気持ちでいても、慣れや慢心がふと芽生えたときに事故は起こるもの。

 統計を見ても、作業初心者よりも経験年数が10年から15年ほどあるオペレーターの方が事故が多いことが紹介されていました。

 上手になったと感じたときが一番危険なのかもしれませんね。

 さて、明日もうまく行きますように。

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愛車のスペアキーが届くのに1年かかるとは

2024-01-26 23:45:07 | Weblog

 

 一昨年に注文して、注文から1年後の昨年の2月に到着したトヨタのノアですが、今日ようやくスマートキーのスペアが届きました。

 といっても、ポンと鍵が届くわけではありません。

 今の車のインテリジェントキーとなると、マスターキーと同期させる必要があるとのこと。

 車を取りに来てもらって一日預けて調整をしてもらい、一泊二日でようやく車とスペアキーが戻ってきたのでした。

 車が届いてからスペアキーを受け取るのにもほぼ1年がかかるなんて、半導体の品不足の影響は大きいですね。

 
      ◆


 それとせっかく車を預けるなら、ということで一年点検のときに指摘しておいた、オーディオから「ヒック」というしゃっくりのような音が出る点も直してほしいと伝えてありました。

 ショップとディーラーの方でも調べたところ、やはり同じような症状が出ている車があるとのこと。

(僕の車だけに出る症状ってことはないだろうな)とは思っていましたが案の定です。

 ディーラーからは、「本社からソフトのバージョンアップをするように指示されたのでそうしておきました」との回答をいただきました。

 まずはこれで乗ってみて様子を見てみることにします。

 しゃっくりが治っていますように。

 

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春のお別れ近し

2024-01-25 22:32:12 | Weblog

 

 娘の旦那さんが中国赴任中のため、出産から乳児の子育てでずっと我が家と同居している次女と孫。

 しかしいよいよ婿さんの帰国が決まったようで、2月末に娘と孫は札幌の我が家を離れることになりました。

 いつか来ることは分かっていたしその方が娘たちの家族の幸せなのですが、いざ現実にいなくなると思うとやはり寂しさが募ります。

 娘は出産前から我が家に戻り、孫は生まれてから2歳半の今までずっと我が家で暮らしていたので、改めて自分たちの子育ての時代を思い出して、(ああ、小さい子供ってこんな感じだったなあ)ともう一度子育てをしていたような感じでした。

 しかも実際は孫なのでオムツや入浴、あるいは抱っこなど大変な親としての仕事はほとんどせずに済んだので、実にらくちんで美味しいところだけを味わえる子育ての時間でした。

 近くに住んでいる長女一家はしょっちゅう遊びに来るのでこちらの孫とはこれからも頻繁に会えますが、次女は本州に行ってしまうのでなかなか会えなくなることでしょう。 

 最近はいろいろな言葉も話すようになり、分別もついてきていよいよ可愛くなってきた盛りです。

 一方でそろそろ「イヤイヤ期」でもあり、「〇〇してよ~」と言っても「やらないー、ブブー(ブザー音のマネ)」で拒否されることが多くなり、子育てが難しくなる時期が近付いています。

 いよいよ親が二人そろって本格的に家庭としての教育をしなくてはならない時期なので、ジジババはフェードアウトの頃合いなのかもしれません。

 孫の機嫌が悪い時の泣き声も今は思い出。笑顔には随分癒されました。

 パソコンを見ている孫に「この姿も見納めかぁ」と言うと孫からは私の言葉を真似て「みおさめー」と言われました(笑)。

 あと一か月余りを大切に使いたいと思います。

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言い方ひとつで不安が消える ~ 優しい表現は癒しです

2024-01-23 20:26:49 | 健康

 

 今日は三か月に一度の尿道メンテナンスの通院。

 排尿の際に尿道に痛みを感じてから、泌尿器科に通院して対処を続けています。

 歳相応に前立腺肥大の兆候があるので、それで尿道が圧迫されて細くなることで出ている痛みとのこと。

 治療は定期的に尿道を物理的に広げて管に広がる癖をつけるというやり方でここまで来ました。

 ネットなどを見ていると、「その部位を切り取ってつなぎ直すのが一番だ」というような過激な記事もあるのですが、排尿障害のリスクもあり、通っている医師は「まあ、ゆっくり様子を見ながら行きましょう」という優しい方針を採用しています。

 痛みが出て通った最初のころは薬を飲みつつ、物理的な尿道拡幅をしてからまた1か月後に再度拡幅するという短期間の処置でしたが、それが3か月ごとになり、今では6か月に一度のペースに落ち着いてきました。

 また拡幅のために棒状の医療器具を入れるのですが、最初の内は無理に広げている感じが強くあったのが、最近は割と無理なく入るようになりました。

 これはこれで良い兆候で、「閉じようとする筋肉が広がる癖がついてきている」という感じです。

 まあこうやって気長に薬を飲みながら体と対話しながら、様子の分かっている医師の先生にフォローをしてもらうという、一病息災の付き合いを続けてゆくということなのでしょう。

 医師の先生は、こうした施術を「メンテナンスをしていきましょう」という表現で優しく読んでいます。

「治療しましょう」と言われるとちょっとドキドキしますが、「メンテナンスしましょう」というと、「そろそろその時期か」と受け入れやすくなる気がします。

 表現一つで気を休めたり落ち着かせたりすることってできるんですね。

 厳しい現実の中にあっても、ちょっと優しい表現を使ってみようと思います。

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大特免許が取れました ~ と言ってもまだ作業はできない

2024-01-22 22:19:29 | Weblog

 

 大型特殊免許の取得で、自動車学校の検定に合格していましたが、正式な免許証発行機関である札幌運転免許試験場で書き換えた免許の交付を受けてきました。

 ただこれはあくまで公道を走ることができる免許で、外で機械を使った作業をするためにはこの後に技能講習(2日間)を受けなくてはなりません。

 これがまた混んでいて、最短でも2月上旬とのことで、免許のフル装備にはまだ時間がかかります。

 運転免許の期限は今年の誕生日までだったのですが、今書き換えたことで有効期間が5年後まで伸びました。

 でもなにかいろいろと条件があるようで、ゴールド免許ではないんですね。

 次回更新は70歳の時なのですが、まだまだ車には頼る生活になることでしょう。


 書き換えに際しては視力検査があって、これまでは裸眼でOKだったのがだいぶ乱視が進んでいました。

 内心、(もう眼鏡使用の条件が付くかもしれないな)と思っていましたがなんと無事に裸眼でパス。

 釣りとドライブ用のサングラスには乱視と遠近矯正の度が入っているので、できるだけそちらをかけて運転しようと思います。

 まずは一つのステップアップ。

 たまには心がどきどきするような試験など受けるのが刺激的で面白いですね。
  
 

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人力での雪の運搬効率を二倍にする方法

2024-01-21 23:15:21 | Weblog

 この週末は、今秋ひざを痛めてからやれずにいた、溜まった雪を公園まで運ぶ人力運搬排雪に費やしました。

 今まではある程度固めた雪の塊を一つずつ切り出してスノーダンプで運んでいたのですが、一度に一個では効率が良くありません。

 運搬排雪の工程を分解すると、雪塊の切り出し→運搬→公園で雪塊を均す→家に戻る→切り出し、となります。

 このうち時間を取られるのが「切り出し」と「運搬」です。

 ここを効率化することで、短時間に多くの雪を運ぶことができるという計算です。

 土木の土砂の積算でも、一度に積み込んで運べる量と往復の時間が効率に影響を及ぼします。

 そこで一度に運ぶ量を増やす作戦を考えました。

 スノーダンプで運ぶのは今まで通りですが、さらにワカサギ用の中型のソリに雪の塊を切り出して載せてこれを引っ張ることにしました。

 スノーダンプとソリの二刀流です。

 このやり方で、スノーダンプに加えてほぼ同じだけの量をソリで運べるので、一度の往復で運べる量が二倍になりました。

 積み込みの時に今までよりも少し時間がかかりますが、4トンダンプで運んでいたものを8トンダンプで運ぶのと同じことで、一度に二倍運搬ができれば効率は大きく向上します。

 
 その甲斐があって、土曜日と日曜日で、家の周りに溜まっていた雪のほとんどを公園まで運ぶことができました。

 予想外だったのは、やはり運搬による疲労度が今までよりも5割増しくらいは増えることです。

 淡々と歩けばよいのですが、今までよりもより負荷がかかるので疲労度も高くなるのは当然と言えば当然。

 それでも「積小為大」とはよく言ったもので、こつこつと作業をすれば着実に確実に雪の塊が減ってゆくのがわかりますからやりがいもあるというものです。

 新たな人力小運搬で、残りの冬を乗り越えます。
 

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津波防災の偉人、濱口梧陵 ~ 報徳の集いで10年前を思い出す

2024-01-20 21:15:13 | Weblog

 

 昨日は月に一度の報徳の学習会。
 
 毎回お一人から話題提供を受けて1時間ほどを過ごしますが、今日の話題は「関寛斎を支えた濱口梧陵(はまぐち・ごりょう)から学ぶ生き方と報徳」です。

 関寛斎については、晩年に北海道の陸別町に入植し開拓に尽力した地域の偉人として、道の駅陸別には顕彰コーナーがあってなんとなくその名前を知っていました。

 しかし改めて今回お話を聞いて、北海道に来たのは本当に晩年で、若かりし頃から当時の医者として格別の活躍をされた方だとは知りませんでした。

 
 しかしその関寛斎の才能を若い頃から見出してとてつもなくバックアップした偉人がいたのです。

 それが今日の話題となった豪商濱口梧陵です。

 濱口梧陵は、醤油醸造業の家系の七代目で、醸造業は現在ヤマサ醤油として現在に至ります。

 ちなみにヤマサ醤油の屋号には山を表す「ひと・にんべん・ひとやね」の下にカタカナの「サ」が描かれていますが、「ひと・にんべん・ひとやね」の右上に「上」という感じが小さく書かれています。

 これは今日の説明では、江戸時代に物価が高騰した1860(元治元)年に醤油も値上げしたかったのですが幕府はそれを認めず、代わりに「特に優れた品質の醤油の証」である「最上醤油」の称号を得たことから「上」という字を使うことになったのだとか。

 屋号にも歴史あり、ですね。


      ◆


 さて、関寛斎は現在の千葉県東金市の生まれで、若くして母を亡くし儒家関俊輔に養育されて彼の薫陶を受け、後に佐倉順天堂に入門し、蘭医学を学びます。

 26歳の時に銚子市で開業し、28歳の時に長崎で発生したコレラが江戸にも侵入、銚子での蔓延をなんとか防いだこの年、濱口梧陵は関に100両(現在の約1000万円)を与えて長崎で蘭医学を学ばせました。

 代々続く醤油やとして商売を繁盛させつつ、一たび人を見込めば私財をなげうってとことん支援し、福沢諭吉や勝海舟などとも交流のある一流の知識人でした。

 
 彼のエピソードで有名なのが「稲むらの火」の物語の元になった、安政の大地震による津波の際の行動です。

 彼はその時和歌山県広村(現在の広川町)の町なかにいましたが、津波が押し寄せた際に稲わらに火を着けて津波に襲われる村民に逃げ場所を示して多くを救いました。

 また被災した農地を買い受けて津波堤防を作り村民への私財による公共事業を行いつつ、後の津波への備えを準備するということも行っています。

 この話をラフカディオ・ハーンが聞き及び、「リビング・ゴッド(生き神様)」という物語を英語で書き世界に発信しました。

 このような偉人がいたことを私たちは日本人として誇りに思います。


      ◆


 さて、彼の事績を顕彰するために広川町では「稲むらの火の館」という施設を作り、濱口梧陵の功績を讃えるとともに、津波防災の大切さを訴えています。

 実は私は2014年2月に和歌山の熊野古道を訪ねた際にこちらの建物に立ち寄っていて、当時のことをブログにも書いていたのでした。

 お話の中で濱口梧陵という名前を聞いて、(どこかで聞いたことがあったなあ)と思っていたのですが、「稲むらの火の話の元になった人」と聞いてようやく思い出しました。

 濱口梧陵は直接報徳とは関わりがあったわけではありませんが、商売で儲けたお金も人材の育成のために推譲し、いざというときの行動力にも素晴らしいものがある。

 学びと実践を通じて、少しでも梧陵や二宮尊徳のような偉人に近づくことを目指したいと思うのでした。

 大変勉強になりました。
 

 

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もっとも耐え忍ばねばならない季節の「雪まつり前」

2024-01-18 22:34:48 | Weblog

 

 今週の火曜日の大雪の日は札幌市内の自動車交通はほぼマヒ状態になりました。

 私の家から出てすぐの山の手通は、普段は片道2車線なのですがそれが雪を道路の脇に寄せるために片側1車線になってしまいました。

 2車線が1車線になると通過できる交通量が半減するので時間は二倍かかるという計算になるかと言うとそうではありません。

 二倍どころか永遠にバスが来てくれないのではないかと思うほど車の歩みが遅くなります。

 一度の信号のサイクルでわずかに数台しか進まないのを見ると、そういうときはもうバスに乗ることを諦めて、ちょっと遠いのですが地下鉄駅を目指して歩きます。

 私の家からは普段使っているバス停まで歩いて10分、地下鉄駅なら歩いて20分という距離です。

 それくらいで地下鉄駅にたどり着けば、もう確実に計算した時間に職場の近くまでたどり着くことができます。

 大雪になるとJRもしばしばポイント故障などで運休が発生するので、札幌における冬の交通の最大の味方は地下鉄です。

 私の家からは頑張れば地下鉄駅まで歩けるからまだ良いのですが、職場の中には「まずバスに乗って地下鉄駅で乗り継いで出勤する」という人がいて、こういう人たちは必ずバスに乗らなくてはならないので、大雪の日は困り果てます。

 職場の若い女性に聞いてみると、「普段は20分くらいで地下鉄駅に着くところを1時間以上もかかりました」と言うので本当に大変そうです。

 
 さすがに今日からはバス通りには少しずつ機械で雪の壁を削ってダンプで運び出す運搬排雪が行われて始めていますが、今はまだ本来は我慢の時期です。

 なので運搬排雪による道路拡幅はせいぜいバスターミナル周辺くらいから始まっていますが周辺部分には広がりを見せていません。

 これが雪まつり直前になると、外からの観光客に迷惑をかけないという事や、きれいな町を見てもらいたいという思いからでしょうか、びしっと排雪が行われます。

 札幌市民にとっては1月下旬は、もっとも雪を耐え忍ばなくてはならない時期と言えます。

 ここを乗り切って雪まつりが終われば、冬の寒さはほぼ峠を越して春の気配が感じられるようになり、やがて冬の終わりを感じて気持ちが前向きになれるのです。

 ここからの2週間の雪の降り具合が気になる札幌市民です。

 

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