今日の夜の懇親会では、知人のところで「お客様にお茶を出したところ『これは掛川茶ですか?』と訊かれましたよ」とのこと。
掛川茶がどんなお茶かもよく知らないままに、掛川茶が健康に良さそうだ、ということだけが独り歩きしているみたいです。テレビで大々的に取り扱われるというのは良かったのか、悪かったのか…。
そんななか、掛川の友人サトー君からメールが来ました。彼はずっとお茶があるライフスタイルの良さを売ることが先だ、と言い続けてそうしたマーケティングを地道に続けてきた人です。
そんな彼からのメールを、本人の許可をいただいて掲載します。
---------------≪ 以下引用 ≫--------------
掛川深蒸し茶ブームは、『いっときのブーム』に終わりそうな気配が漂ってきました。他の茶産地からNHKへの尋常とは思えないクレームが殺到し、2回予定していた再放送が1回に減った、という驚愕の事実を知り、その確信に至ってきました。
NHKが‘健康のためなら死んでもいい’健康オタクの皆さんに、掛川の深蒸し茶を‘健康食品’や‘医薬品’のように認知させたことは、宣伝の仕掛けがあったわけではありません。
20年以上も前から榛村元市長が緑茶と医療の関係性をひもとく研究をスタートさせ、緑茶の全国シンポジウムを開催し、書籍を著し、市立病院と東北大学でチームをつくるなど、緑茶を生涯学習の重要なネタとして取り組んできたことが、仕掛けと言えば仕掛けでしょうか。
地域の主産業の将来を憂え、長期的な視点と業界を超えた位置から取り組んだ結果が、年月を経て、いま日の目をみた、ということになると思います。
これは、まさに業界が目先の商いに終始し、緑茶という商品の可能性を追求することを怠ってきた証しでもあります。
掛川の事例は、深蒸し茶を飲むライフスタイルが、結果的に『健康』を実現させていたという、茶業界にとっては、まさに好事例であり、この現象を利用しない手はありません。
『掛川の深蒸し茶が、ガンを予防する』のでなく、『掛川の人たちのように緑茶を(しかも深蒸し茶を主に)飲むライフスタイルが、ガンを予防する』のです。
茶業界は、そこを大きく取り違えているようです。茶産地間競争は、品種改良や新品種開発、商品開発で競えば良いのです。緑茶を飲むライフスタイルを世の中に普及させることまで、足を引っ張り合う業界に、果たして明るい未来はあるのでしょうか。
コンセプト株式会社/佐藤雄一
---------------≪ 引用ここまで ≫--------------
NHKが再放送の回数を減らしたかどうかは私自身確認できませんが、掛川茶ブームをどう受け止めるかについて、地元でも多少の戸惑いがあるようです。
期待が高まるのは良しとして、今はまさにブームを消費してしまうのではなく、このときこそ盛り上がった期待を着実に真の魅力に繋げる努力が必要でしょう。
テレビによるブームはこれまでの努力へのボーナスだと思って、まさに報徳で言う「分度」を守って地に足の着いた茶文化を浸透させてほしいものです。
ボーナスで得たものを使い切ることなく、明日の未来に推譲する頭の切り替えが良さそう。
報徳の教えを実践するときではないでしょうか。
掛川茶がどんなお茶かもよく知らないままに、掛川茶が健康に良さそうだ、ということだけが独り歩きしているみたいです。テレビで大々的に取り扱われるというのは良かったのか、悪かったのか…。
そんななか、掛川の友人サトー君からメールが来ました。彼はずっとお茶があるライフスタイルの良さを売ることが先だ、と言い続けてそうしたマーケティングを地道に続けてきた人です。
そんな彼からのメールを、本人の許可をいただいて掲載します。
---------------≪ 以下引用 ≫--------------
掛川深蒸し茶ブームは、『いっときのブーム』に終わりそうな気配が漂ってきました。他の茶産地からNHKへの尋常とは思えないクレームが殺到し、2回予定していた再放送が1回に減った、という驚愕の事実を知り、その確信に至ってきました。
NHKが‘健康のためなら死んでもいい’健康オタクの皆さんに、掛川の深蒸し茶を‘健康食品’や‘医薬品’のように認知させたことは、宣伝の仕掛けがあったわけではありません。
20年以上も前から榛村元市長が緑茶と医療の関係性をひもとく研究をスタートさせ、緑茶の全国シンポジウムを開催し、書籍を著し、市立病院と東北大学でチームをつくるなど、緑茶を生涯学習の重要なネタとして取り組んできたことが、仕掛けと言えば仕掛けでしょうか。
地域の主産業の将来を憂え、長期的な視点と業界を超えた位置から取り組んだ結果が、年月を経て、いま日の目をみた、ということになると思います。
これは、まさに業界が目先の商いに終始し、緑茶という商品の可能性を追求することを怠ってきた証しでもあります。
掛川の事例は、深蒸し茶を飲むライフスタイルが、結果的に『健康』を実現させていたという、茶業界にとっては、まさに好事例であり、この現象を利用しない手はありません。
『掛川の深蒸し茶が、ガンを予防する』のでなく、『掛川の人たちのように緑茶を(しかも深蒸し茶を主に)飲むライフスタイルが、ガンを予防する』のです。
茶業界は、そこを大きく取り違えているようです。茶産地間競争は、品種改良や新品種開発、商品開発で競えば良いのです。緑茶を飲むライフスタイルを世の中に普及させることまで、足を引っ張り合う業界に、果たして明るい未来はあるのでしょうか。
コンセプト株式会社/佐藤雄一
---------------≪ 引用ここまで ≫--------------
NHKが再放送の回数を減らしたかどうかは私自身確認できませんが、掛川茶ブームをどう受け止めるかについて、地元でも多少の戸惑いがあるようです。
期待が高まるのは良しとして、今はまさにブームを消費してしまうのではなく、このときこそ盛り上がった期待を着実に真の魅力に繋げる努力が必要でしょう。
テレビによるブームはこれまでの努力へのボーナスだと思って、まさに報徳で言う「分度」を守って地に足の着いた茶文化を浸透させてほしいものです。
ボーナスで得たものを使い切ることなく、明日の未来に推譲する頭の切り替えが良さそう。
報徳の教えを実践するときではないでしょうか。