昨日は古巣北海道開発局での職員研修の講師を務めました。
私が用意したテーマは「地方自治体から見た北海道開発局と私」
普段国家公務員として仕事をする限り、目の前の書類や業務はあれどそれが地方自治体とどのように関わっているかを考える機会はほとんどありません。
そもそも地方自治体職員と接する機会も、幹部職員が首長さんに会うというようなもので、日常の業務に関しては考えることもほとんどないでしょう。
市の助役をしていた私からすると、都道府県の職員や国の公務員さんなどは思考のレベルが高いという印象と、自分たちの仕事に邁進している感じが伝わってきました。
国の仕事は国民のためであり、都道府県の仕事は都道府県民のためですが、もう少し市町村の事も考えてほしいと思う事もままありました。
しかし最近は、災害の時などの権限代行で首長からの依頼があれば上部機関がインフラの補修などを市町村に成り代わって復旧してくれるという制度もできました。
いや災害のみならず、通常のインフラの維持管理でも依頼があれば上部機関の力を貸してあげても良い、というように制度がどんどん拡充しています。
市町村には「補完性の原理」と言う言葉があって、身近な問題は身近な立場の者が処理をするという原則があります。
なので基本的には勝手に上から「やらせろ」ということはできません。
しかし災害など、小規模な市町村では対応ができないようなものであればやってあげてよろしいということで、いよいよ普段から国と市町村との良好な関係を築くことが大切になっています。
そういう意味でも、市町村のことをもっとちゃんと理解しようというのが私の講義の目的です。
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ところで今回の研修の受講対象は新任係長級とのことですが、受講人数はなんと90名と多く、また与えられた時間は2時間30分とこれも一コマにしては長丁場です。
聞けばコロナのために研修そのものが延期になったようなことがあり、ここで一気に取り返すというので二回分の研修人員に対して一度で行うようなことになったのだそう。
長い時間飽きられないように、途中で班ごとに意見交換をしてもらうようなワークショップの時間を作ったりして、何とか時間を乗り切りました。
90人もいるとわちゃわちゃになるかと心配しましたが、さすがにそんなこともなく皆さん真剣に私の講義を聞いてくれました。
これを皮切りに月に一度のペースで研修が入っています。
お願いされることには応えよう、というポリシーでやっていますが、話の内容もマンネリになるといけないのでそろそろ若手の講師も発掘しておかなくてはなりません。
いろいろな場面で引き際を考えるようになりました。