週末日曜日に、映画「落下の解剖学」を観てきました。
娘と孫が家を離れたので休日がぽっかりした感じです。
今回観た映画は、カンヌ映画祭でオリジナル脚本賞を受賞したフランス映画です。
【映画のあらすじ】
主人公はドイツ人の女性の小説家で、フランス人の男性と結婚して男性の故郷である高原の山荘に暮らしています。
二人には事故で視力を損なった弱視の息子が一人います。
ある日、その息子が犬と一緒に散歩をし家に帰ってきたところで山荘の前に父である男性が倒れているのを見つけます。
叫び声上げると家の中から母親が驚いた様子で飛び出してきました。
男性は死んでしまったのですが、どうやらそれは山荘の高いところから落ちたことで死んだよう。
しかしでは死の原因は、母親による他殺なのか事故なのかはたまた自殺なのか。
中盤から後は、母親の友人で母親に好意を寄せている弁護士が登場し、かたやで死の背景となった家族の様子を次々に暴く検察官とが対峙する法廷でのやり取りが続きます。
新たな事実と証言が出てくるたびに、「悲しそうにしている母親が実は悪いやつだったのか?」「幸せそうな家庭にも不和の種があったのではないか?」「死んでしまった男性も実は嫌な奴だった?」「実は何も見えていない少年が真実を隠しているのか?」と、ドキドキする展開が続きます。
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法廷ミステリーという仕立てで、言葉と言葉の対決が続く中で自分自身が誰の味方をすればよいかがぐらぐら揺らぎます。
サプライズで出てくる録音音声が出されると見方がかわり、少年の突拍子もない行動にはどんな意味があるのか。
結末は書きませんが、「え~?」「う~む」とコロコロと自分の寄って立つ根拠がぐらつく観客の様子を制作者側が楽しんでいるようです。
最後に一つ、犬の演技がすごかった。これほんと。
あなたにとっての真実はどこにあるでしょうか。