P.113 アメリカにおける1930年代の大恐慌時代、
当時お金はライフスタイルほど重要性を持ってはいませんでした。
どの家庭も貧しかったので、各家庭の違いを示していたのはお金ではなく、
話し方や教育、英語の使い方、道徳観と上質のモノに対するセンスの良さでした。
(中略)ライフスタイルと美、
この二つは私たちが自分自身を高めていくために必要な大切な要素です。
母は、保守的な家庭にありがちな、典型的な<和風の主婦>でした。
自分の意見というものを持たず(言わず?)、全て<夫の言いなり>なので、
私は<こういう人間にだけは、なりたくない!>
と思って育ちました。つまり母は<反面教師>だったのです。
ところが、上記のような記述に出会うと、
母への感謝でいっぱいになります。
母は<日本語や敬語の使い方>に関して非常に厳しく、
姉も私も、しょっちゅう直されました。
「美しい標準語や敬語の使い方は、お金じゃ買えないんだからね。」と。
東京から関西に移住して9年間過ごしたのですが、
娘たちが関西弁にならないよう、必死なようでした。
専業主婦の悲しさで、自由になるお金が少なかったせいなのか、
<最低でも、大学を出て、教職くらいは取って、一人で生きていけるように>
と考えていてくれたのも、立派です。
教職試験に必須の「バイエル」を終えるまでは!と、
ピアノも習わせてくれたので、今の私の音楽人生があります。
不詳の娘は、<封建的な母の薦める人生だけはゴメンだ!>と、
まったく別の人生を選び、随分親不孝をしましたが、
3人の息子を育てながら無認可保育園や学童保育の運営に四苦八苦し、
バタバタしている私を助けてくれたのも、その父や母でした。
欲を言えば、「素敵なインテリアの勉強もして、
上質のモノに対するセンスの良さや
家の片付けも頑張って欲しかった!」と思いますが、
望み過ぎてはダメですね。
「親からいただいたモノを大切にし、それ以上のことを子供たちに伝える。」
この努力をします。