このところ、夜間での冷え込みが厳しいために、山城跡は枯木立に囲まれるようになった。それでも、東側の山並みを越えて届く日射しが照らし出すと、枯木立もこの時季ならではの彩りを帯びている。この日、夜明けとともに山城跡はもや(靄)に包まれた。そして、靄は低い冬の日射しで淡い色に染まった。
枯木立は、東側の山並みを越えて届く日射しでライトアップされた瞬間、「冬紅葉」に変化した。赤色を帯びた靄が色フィルターとなって、青色系の太陽光が木立まで届かなかったためである。
枯木立がライトアップされる瞬間を待って.....。左奥の山頂は鳴神山(980 m)のそれである。
「束の間の冬紅葉」 部分的に残っている枯葉による彩りは鮮烈であった。
日射しが山腹まで届くと、この彩りは消えた。
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「冬紅葉」 木の種類により、また風当たりや日当たりの加減によって、冬になっても残っている紅葉を「冬紅葉」「残る紅葉」という(花の大歳時記、角川書店)。
「冬紅葉冬の光を集めけり(久保田万太郎)」
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12月下旬、早朝、桐生市にて
コメントをお送りいただきありがとうございます。
アップしました画像は、この瞬間を見逃したら後悔するぞとばかりに待機した結果です。
身近な自然での出来事ですが、この光景は当地での自然条件が偶然に重なり生まれました。
コメントでの「他所では味わえない幸運を感じさせてくれる」は至言です。ありがとうございます。
これからもご来訪とコメントをお待ちしています。