里村専精師の「浄土真宗にようこそ」(No33)をお届けします。
サンガを仏教の永い歴史の展開と見直してみると、いろんなことが見えてきます。
親鸞が自らをすすめた世界は、歴史のサンガを包む阿彌陀仏の本願が営む世界です。
そこに七祖と呼ばれる人たちが見つめられていますが、もう一つ大切な人々がいます。
それを建築に譬えるなら、柱にあたる人々が七祖に代表される人々ではないでしょうか。
その建築物の土台になり、しかも列柱をきちんと強く結び合わせている人たちがいます。
それが翻訳者たちです。
康僧鎧・鳩摩羅什・カーラヤサの三人は、とくに阿彌陀仏のサンガには大切です。
いわゆる三部経それぞれの翻訳者たちです。
たかが翻訳とは言えないものが、彼らにはありました。
私たちが忘れていても、彼らの仕事とその情熱、そして翻訳にかけた意欲がありました。
人のぬくもりを忘れがちですが、彼らは実に熱い人達でした。
3~4世紀の人だった康僧鎧は、今も無量寿経とともに生き続けています。
親鸞も法然も、そして中国の三祖や源信僧都も、彼の情熱と熱い意欲に衝たれました。
そこには、極めて親しい響きあいがあったのではないでしょうか。
善導大師と道綽禅師の場合は、殊にカーラヤサとの呼応があったはずです。
「観無量寿経」はカーラヤサの翻訳だとされていますが…。
少なくともお二人には、「カーラヤサ」という人は近しい感じだったはずです。
経典の翻訳は、国家の威信をあげての大事業でした。
そういう事業に献身された翻訳者たちは、今日の我々に近しい人ではないでしょうか。
我々が遠ざけているのであって、翻訳者は経典とともに我々に接しておられます。
はるかな阿彌陀仏のサンガとして、我々と行を伴にしてくださるのですから。
カウンセリング研究会【くりのみ】11月の学習会のご案内。
11月24日(月) 親鸞とカウンセリングコース(『教行信証』音読&楽談他)
11月30日(日) 声明とカウンセリングコース(『正信偈』読誦&楽談他)
会場:タワーホール船堀
*どちらのコースも、9時~10時、自由参加の自主学習タイムです。
写経・声明等、各自の課題に取り組んでいます。
皆さまのご参加をお待ちしています。
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