里村専精師の「浄土真宗にようこそ」No85をお届けします。
「深広無涯」という曇鸞の言葉を、親鸞聖人は「一乗・海」の説明に用いられます。
「海と言うこころは、仏の一切種智、深広にして涯きしなし」とあります。
仏の智慧は真如法性のままに、それは我々の想像を絶して深いというのです。
そしてそれは、そのまま我々の救済の深さを物語っています。
ここでは決して、浅い理解を許さないものがあります。
「二乗・雑善の中下の屍骸を宿さず、これを海の如しと喩う」と続くものですが。
「二乗・雑善」と言われて、一切の学識を屍骸と喩えられている意味が厳しいことです。
人間には、誰だって深い感覚があります。
意識でありつつ意識では捉えきれない深さを、誰もがその存在の事実として知っているのです。
けれども、どんな学問もそれを理性的に実体化します。
それが「二乗・雑善の中下の屍骸」といわれる注釈に堕ちているのです。
注釈ではなく、本来の解釈はブッダや七祖がなされたように…、
伝承に生きて己証で応えるものでなければなりません。
真宗を学ぶというのは、凡愚で結構なのですが智慧相応の信心によるしかありません。
それは意識を深く乗り越えて、無涯と言われる人類一切の存在に応答するもののはずです。
「深広無涯」という一乗の大海は、一切群生が頷く智慧界を象徴しています。
仏教は単なる宗教ではなく、深さを求める世界の一切の宗教に応えるものなのです。
真宗の世を超えた意義というものに、私たちは大きな自信と意欲を持つべきだと思われます。
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