上田電鉄の上田駅と別所温泉駅を結ぶ線路の南側一帯を塩田平(しおだだいら)という。千曲川の河岸段丘が広がる一帯で、古くから多くの寺社があり、たくさんの人が訪れてきた。この地域に新しい魅力を付け加えたのは、信濃デッサン館という小さな美術館。1979年に、窪島誠一郎氏が前山寺の門前に開館した。村山槐多などの若くして亡くなった画家のデッサンが集められている。さらに1997年、窪田氏はデッサン館に近い場所に、戦没画学生の遺した絵だけを展示する「無言館」を開館して、大きな反響を呼んだ。僕も開館まもなくに訪れたけれど、とても心打たれる鎮魂の場所だった。今は第二展示館も出来、当初は「志納」だった料金も千円と決められているようだ。デッサン館は二度、無言館は三度訪れているので、今回はパス。
寺社と美術が塩田平の魅力だったわけだけど、今回訪れたらもう一つこの地域の特色があると知った。それは「ため池」である。雨量が少なく、昔からため池がたくさん作られ、41にもなるという。農水省選定の「ため池100選」にも選ばれ、ため池マップもあった。今までこの地域に何回も来ているのに、全然気づかなかった。問題意識がないと、つまり見る気がないと見えないということである。道から遠い池、道より高くて見えない池なども多いけど、知っててドライブすると確かにどんどん見えてくる。「舌喰池」という大きな池を見たので写真を撮った。
この舌喰池の真ん前が「塩田の里交流館」(とっこ館)で、ここに今書いたため池マップがあった。それよりここは旧西塩田小学校で、僕は一度見てみたかった。上田地域は昔から映画やテレビのロケによく利用され、黒澤明の「姿三四郎」、鈴木清順「けんかえれじい」などもこの地域。アニメだけど、最近の「サマーウォーズ」もこの地域を舞台にしている。その中で、小津安二郎の「一人息子」(戦前の名作)などのロケが行われたのが、その小学校だという。今は「さくら国際高等学校」になってるけど、これは通信制高校だという。レトロな感じが残る校舎で、車で来てたら寄ってみたいところ。「とっこ館」から校庭が見られる。なお、上田のロケ地マップも出来てるし、上田フィルムコミッションのサイトでは、戦前にまでさかのぼりこの地域のロケ作品を網羅している。
さて、後は塩田平のお寺めぐりだけど、時間が少ないので重文指定の建築がある中禅寺と前山寺に行った。中禅寺の薬師堂は長野県で一番古い木造建築だという。茅葺き建築が素晴らしい。そこから車で数分、前山寺は三重塔がある。見ると他の塔に比べてやはり小さな感じで、そこが国宝と重文の違いかなと思うけど、写真を撮るとなかなかいい。ここはガイドによく「住職夫人のつくるくるみおはぎを予約すれば食べられる」と出てるけど、食べたことはない。まあ今後もないと思う。他にも龍光院とか塩田城跡などがあるがパス。
別所温泉に戻り、この日は上田市街に本店のある「おお西」の別所支店で蕎麦を食べる。「発芽そば」をウリにして、「蕎麦道」を唱えている。僕も「そば道系の店」という言葉を使っていたが、ホントに「蕎麦道」で「名人」認定をしている立川談志みたいな蕎麦店主がいるとは思わなかった。驚くべき細い蕎麦で、手打なのにここまで細く切れるのはすごい。三種盛りを頼む。左から更科、発芽、田舎。
そこから青木村まで車で20分程度。大法寺へ行くと、昔は足が不自由な犬がいた。さすがにもういないのは死んだんだろう。10年以上前だから。階段わきでリンゴを売っているおじいさんもいたけれど、出ていない。大体寺の見学料を取る人もいない。11月の平日だからだろうか。ここもかなり登るが、上の道路まで出ると三重塔がよく見ることができる。鎌倉幕府滅亡の頃の建立で、「見返りの塔」と言われる。英語で「Lookinng for Pagoda」だと出てた。ここも快晴で陽射しのために写真が撮りにくい。
その後、道の駅青木で買い物して、上田へ出て帰る。上田城は前に見てるけど、上田高校が「けんかえれじい」のロケに使われたと知り、寄ってみたかった。でも、今回は時間がない。しかし、地図に重文指定とある近代化産業遺産の「常田製糸」(ときたせいし)という工場が見つかったので、外部見学。時間が早ければ中を見られたかもしれない。予約がいるのかもしれないが。こういう産業遺産を調べれば、各地にもっともっと面白いものが残っているはずだ。2012年に重文指定というから、まだあまりガイドに出てないが、信州大学繊維学部近くにある。
寺社と美術が塩田平の魅力だったわけだけど、今回訪れたらもう一つこの地域の特色があると知った。それは「ため池」である。雨量が少なく、昔からため池がたくさん作られ、41にもなるという。農水省選定の「ため池100選」にも選ばれ、ため池マップもあった。今までこの地域に何回も来ているのに、全然気づかなかった。問題意識がないと、つまり見る気がないと見えないということである。道から遠い池、道より高くて見えない池なども多いけど、知っててドライブすると確かにどんどん見えてくる。「舌喰池」という大きな池を見たので写真を撮った。
この舌喰池の真ん前が「塩田の里交流館」(とっこ館)で、ここに今書いたため池マップがあった。それよりここは旧西塩田小学校で、僕は一度見てみたかった。上田地域は昔から映画やテレビのロケによく利用され、黒澤明の「姿三四郎」、鈴木清順「けんかえれじい」などもこの地域。アニメだけど、最近の「サマーウォーズ」もこの地域を舞台にしている。その中で、小津安二郎の「一人息子」(戦前の名作)などのロケが行われたのが、その小学校だという。今は「さくら国際高等学校」になってるけど、これは通信制高校だという。レトロな感じが残る校舎で、車で来てたら寄ってみたいところ。「とっこ館」から校庭が見られる。なお、上田のロケ地マップも出来てるし、上田フィルムコミッションのサイトでは、戦前にまでさかのぼりこの地域のロケ作品を網羅している。
さて、後は塩田平のお寺めぐりだけど、時間が少ないので重文指定の建築がある中禅寺と前山寺に行った。中禅寺の薬師堂は長野県で一番古い木造建築だという。茅葺き建築が素晴らしい。そこから車で数分、前山寺は三重塔がある。見ると他の塔に比べてやはり小さな感じで、そこが国宝と重文の違いかなと思うけど、写真を撮るとなかなかいい。ここはガイドによく「住職夫人のつくるくるみおはぎを予約すれば食べられる」と出てるけど、食べたことはない。まあ今後もないと思う。他にも龍光院とか塩田城跡などがあるがパス。
別所温泉に戻り、この日は上田市街に本店のある「おお西」の別所支店で蕎麦を食べる。「発芽そば」をウリにして、「蕎麦道」を唱えている。僕も「そば道系の店」という言葉を使っていたが、ホントに「蕎麦道」で「名人」認定をしている立川談志みたいな蕎麦店主がいるとは思わなかった。驚くべき細い蕎麦で、手打なのにここまで細く切れるのはすごい。三種盛りを頼む。左から更科、発芽、田舎。
そこから青木村まで車で20分程度。大法寺へ行くと、昔は足が不自由な犬がいた。さすがにもういないのは死んだんだろう。10年以上前だから。階段わきでリンゴを売っているおじいさんもいたけれど、出ていない。大体寺の見学料を取る人もいない。11月の平日だからだろうか。ここもかなり登るが、上の道路まで出ると三重塔がよく見ることができる。鎌倉幕府滅亡の頃の建立で、「見返りの塔」と言われる。英語で「Lookinng for Pagoda」だと出てた。ここも快晴で陽射しのために写真が撮りにくい。
その後、道の駅青木で買い物して、上田へ出て帰る。上田城は前に見てるけど、上田高校が「けんかえれじい」のロケに使われたと知り、寄ってみたかった。でも、今回は時間がない。しかし、地図に重文指定とある近代化産業遺産の「常田製糸」(ときたせいし)という工場が見つかったので、外部見学。時間が早ければ中を見られたかもしれない。予約がいるのかもしれないが。こういう産業遺産を調べれば、各地にもっともっと面白いものが残っているはずだ。2012年に重文指定というから、まだあまりガイドに出てないが、信州大学繊維学部近くにある。