NHK出版新書から出たばかりの中尾隆之「日本百銘菓」という本の紹介である。こういう本まで書いてると、他のことが書けない。オウム問題もまだ途中なんだけど、でも夜も映画を見てきて時間がない。そういう時のために是非書きたいと思っていた。題名通り、日本全国からこれぞというお菓子を選んだという本。「これらの銘菓を食べずして、日本という国は語れない-。」

僕はこの手の本が大好きで、元祖の深田久弥「日本百名山」(ちょうど半分の50まで登ったところで止まってしまった)から始まり、温泉とか城とかいろいろと読んでる。自分じゃ知らないものがずいぶん入っていて楽しい。この本はお菓子だけあって、写真を見ているだけで楽しくなる。著者の中尾氏は1942年生まれの旅行作家で、町並み、鉄道、温泉などの紀行も手掛けてきたが、中でも全国の銘菓5000種以上を訪ね歩いてきた。その中から100銘菓を厳選したのである。
僕もお菓子は大好きだ。というか「辛党」でもあり、ホントの辛い物好き(昔はブラックペパーを持参していた)だし、お酒も好きだ。でも周りに酒好きがいないから、酒を買う楽しみがない。お菓子なら一緒に楽しめるからお菓子の方がよく買うわけである。日本のあちこちを旅行すると、各地においしい酒がある。それは泊った宿で飲んで、お土産はお菓子やジャムや海産物などになる。それがまた伝統の銘菓だったり、楽しい新工夫だったり…。城下町、宿場町、門前町、温泉、どこでも海山川の名産を使った銘菓がある。それが日本の豊かさだと思うが、読めばわかるが一度は途切れたお店もある。お菓子を残していくのも大変なのである。
お土産品を重視した選定になっているから、誰もがいくつかは食べているはず。高そうな和菓子ばかりだと、ちょっと敬遠したくなる。でもこの本には、「白い恋人」も「萩の月」も「もみじまんじゅう」も「赤福」も…入ってる。「うなぎパイ」や「鳩サブレ―」や「東京ばな奈」まである。ちなみに東京人は「東京ばな奈」をほとんど食べたことがない。有名だから選んだわけじゃないことは本文を読めば判る。虎屋から羊羹じゃなくて、酒饅頭を選んでいるあたりに新味がある。
僕の大好きなものとしては、うさぎやの「どら焼き」、帯広の六花亭「マルセイバターサンド」、松山の「一六タルト」、四万温泉の花豆の濡れ甘納豆が選ばれているので、納得感がある。最後にあえて言えば、お土産という観点を重視したことで、その場で食べる菓子、あるいは持ち運びできない生菓子が非常に少ない。わざわざ食べに行く価値のある絶品のケーキ、なんてものもあるわけだから、是非選んで欲しかった。和菓子でも「あんみつ」がないが、お土産向きじゃないからか。
上野・うさぎやのどら焼き
ホテルのお菓子というのも選んでいいと思う。箱根富士屋ホテルのアップルパイ、赤倉観光ホテルのフルーツケーキ(これが僕のベスト)なんかは日本を代表するスイーツだと思う。フランス語だから外国から来たかと思うと、実は日本人考案の「モンブラン」なども日本を代表するお菓子じゃないか。持ち運びに不便なのは確かだが。栗という意味では長野県の小布施の栗菓子もぜひ入れて欲しかった。中津川の栗きんとんは美味しいけど、入手が難しいから。そして一度食べたいと思うのがいくつもあるが、函館の「はこだて大三坂」、松江の「カステラ羊羹」。
(前=大三坂、後=カステラ羊羹)

僕はこの手の本が大好きで、元祖の深田久弥「日本百名山」(ちょうど半分の50まで登ったところで止まってしまった)から始まり、温泉とか城とかいろいろと読んでる。自分じゃ知らないものがずいぶん入っていて楽しい。この本はお菓子だけあって、写真を見ているだけで楽しくなる。著者の中尾氏は1942年生まれの旅行作家で、町並み、鉄道、温泉などの紀行も手掛けてきたが、中でも全国の銘菓5000種以上を訪ね歩いてきた。その中から100銘菓を厳選したのである。
僕もお菓子は大好きだ。というか「辛党」でもあり、ホントの辛い物好き(昔はブラックペパーを持参していた)だし、お酒も好きだ。でも周りに酒好きがいないから、酒を買う楽しみがない。お菓子なら一緒に楽しめるからお菓子の方がよく買うわけである。日本のあちこちを旅行すると、各地においしい酒がある。それは泊った宿で飲んで、お土産はお菓子やジャムや海産物などになる。それがまた伝統の銘菓だったり、楽しい新工夫だったり…。城下町、宿場町、門前町、温泉、どこでも海山川の名産を使った銘菓がある。それが日本の豊かさだと思うが、読めばわかるが一度は途切れたお店もある。お菓子を残していくのも大変なのである。
お土産品を重視した選定になっているから、誰もがいくつかは食べているはず。高そうな和菓子ばかりだと、ちょっと敬遠したくなる。でもこの本には、「白い恋人」も「萩の月」も「もみじまんじゅう」も「赤福」も…入ってる。「うなぎパイ」や「鳩サブレ―」や「東京ばな奈」まである。ちなみに東京人は「東京ばな奈」をほとんど食べたことがない。有名だから選んだわけじゃないことは本文を読めば判る。虎屋から羊羹じゃなくて、酒饅頭を選んでいるあたりに新味がある。
僕の大好きなものとしては、うさぎやの「どら焼き」、帯広の六花亭「マルセイバターサンド」、松山の「一六タルト」、四万温泉の花豆の濡れ甘納豆が選ばれているので、納得感がある。最後にあえて言えば、お土産という観点を重視したことで、その場で食べる菓子、あるいは持ち運びできない生菓子が非常に少ない。わざわざ食べに行く価値のある絶品のケーキ、なんてものもあるわけだから、是非選んで欲しかった。和菓子でも「あんみつ」がないが、お土産向きじゃないからか。

ホテルのお菓子というのも選んでいいと思う。箱根富士屋ホテルのアップルパイ、赤倉観光ホテルのフルーツケーキ(これが僕のベスト)なんかは日本を代表するスイーツだと思う。フランス語だから外国から来たかと思うと、実は日本人考案の「モンブラン」なども日本を代表するお菓子じゃないか。持ち運びに不便なのは確かだが。栗という意味では長野県の小布施の栗菓子もぜひ入れて欲しかった。中津川の栗きんとんは美味しいけど、入手が難しいから。そして一度食べたいと思うのがいくつもあるが、函館の「はこだて大三坂」、松江の「カステラ羊羹」。

