尾形修一の紫陽花(あじさい)通信

教員免許更新制に反対して2011年3月、都立高教員を退職。教育や政治、映画や本を中心に思うことを発信していきます。

桂宮治真打昇進披露公演ー浅草演芸ホール2月下席

2021年02月24日 22時17分22秒 | 落語(講談・浪曲)
 落語芸術協会所属の桂宮治真打昇進披露公演が始まった。2月中旬の新宿末廣亭が最初だが、夜だったので敬遠。毎日代わりの口上メンバーが豪華だったけど、帰りも遅くなるし食べるところがない。次の浅草演芸ホールは夜の予定が昼に変わったので、時間を作って聴いてきた。現在の芸協会長・春風亭昇太以来の5人抜き真打抜てきだという。

 桂宮治は初めて聴いたけど、これはまた威勢のいい真打が登場したものだ。二つ目ユニット「成金」メンバーで、柳亭小痴楽神田伯山昔昔亭A太郎瀧川鯉八桂伸衛門に続く6人目の昇進だ。1976年生まれだが、入門は2008年で30を超えていた。しかし、2012年に二つ目に昇進すると、その年にNHK新人演芸大賞落語部門大賞を受賞した。その後も毎年のように若手落語家向けの賞を受賞している。口上で桂文治が言ってたが、他の二つ目に賞を譲るため宮治と神田松之丞(伯山)は早く昇進させるべきだと主張したという。
(師匠の桂伸治と)
 若手の春風亭昇也や昨秋の真打・昔昔亭A太郎が元気だったけど、成金メンバーは宮治を含めて相当変だ。かつてはイキの良さ抜群だった春風亭昇太が普通に見えてきた。まあ昇太は寄席では古典をやることが多く、口上でも「さすが会長」的にまとめていた。ナマ昇太にも少し飽きてきたかな。上方から応援の桂三度の「代書屋」がおかしい。東京で柳家権太楼や三遊亭小遊三がやるときと雰囲気がかなり違う。調べてみるとこの人も異色の経歴の持ち主で、吉本で漫才や放送作家をしていた。2011年に文枝に入門したが、そのエネルギーと面白さは注目。

 今日は子どもが客にいたためか、割と有名な噺が続きちょっと飽きてきた。桂竹丸桂文治の安定した力量が楽しい。僕も若手のエネルギーに押され気味である。口上後は、芸協の真打披露は大体同じだが、東京ボーイズ(歌謡漫談)、ボンボンブラザーズ(曲芸)が終わり頃に組まれる。そのとぼけた味わいが客を沸かせて、また静める。特にボンボンの帽子投げは客を巻き込んで、最近ではトリの次ぐらいに受けている。今日も男の子を高座に上げて大喝采だった。
(大分竹田の姫だるま=林家たい平絵)
 そして十分盛り上がったところで、トリの桂宮治。悪口と客いじりのエネルギーで各席を圧倒。マクラが面白すぎて、ネタをあまり覚えてない。しかし、こういうエネルギッシュな落語に当てられると、落語協会も聞きに行きたくなるから不思議。今年初めての寄席だったが、コロナ禍に半日をつぶすのはどうなのかと1月は行かなかった。席は半分だし、検温しているから、マスクをしてれば大丈夫だと思っている。ただし最大の問題は腰や尻が痛くなることだ。
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