2024年10月27日投開票の衆議院選挙が終わった。その結果を何回か書いておきたいが、まず今後の内閣がどうなるか。自民党・公明党の連立与党は大きく減らし、過半数を割り込んだ。自民党が大きく減らして191議席、公明党が予想以上に減らして24議席。合計で215議席で、過半数の233議席を大きく割り込んだ。牧原秀樹法相、小里泰弘農水相と二人の現職閣僚が比例区当選もならず落選。それ以上に驚いたのが、公明党の石井啓一代表が埼玉14区で落選したことだ。当選した鈴木義弘は今まで比例で3回当選した前職議員だが、立憲ではなく国民民主党。維新や共産も出馬した野党乱立区だから、やはり石井当選かと思っていた。
過半数を下回っている以上、数字上は石破氏以外が内閣総理大臣に指名されることもあり得る。そういう情勢の責任を取って、石破氏が総裁を辞任する可能性も絶無ではない。だけど、今日の記者会見では続投を目指すということだった。党内には反発もあるだろうが、じゃあ誰が後継になるのか。過半数割れの状況から、次の自民党総裁になるだけでは総理への道につながらない。野党と連携すると言っても、どこも(すぐには)組むところはなさそうだ。総裁選で2位だった高市陣営は旧安倍派が大量に落選して支持基盤を大きく減らした。それに来年には参院選があり、今「石破辞めろ」と言うと、参院選で負けたら自分も辞めなければならない。
一方の野党側だが、数字上は全部まとまれば政権を取れるわけだが、むしろ各党の違いは大きくなっている。労働組合「連合」の支持を受けるという意味で、一番可能性が高いはずの立憲民主党、国民民主党の間でさえ政策や方向性が一致していない。ましてや「維新」、「れいわ新選組」、共産党などは立憲民主党との距離が開いている。お互いに組んだからといって過半数を超える組み合わせはない以上、自分の方が譲って首班指名で「野田佳彦」と書く党があるとは思えない。むしろ来年に参院選を控える事情から、各党ともに独自性を高めることが予想される。(下の画像は野田佳彦立憲民主党代表)
そうなると、1回目の首班指名で1位石破、2位野田となって(他党はそれぞれ自党のトップに投票)、両者の決選投票となる可能性が高い。2回目は自公、立民以外が棄権して、結局衆議院で石破茂氏が指名される(参議院では問題なく石破指名)。そういう少数与党内閣発足の可能性が高いと思う。決選投票は、1979年の大平内閣、1994年の村山内閣の指名で起こって以来の事態となるが、まあそういう想定をしている。結局は来年に参議院選挙が控えている以上、野党も選挙で訴えた「反自公政権」の旗を降ろせないし、野党の選挙協力もなかったのに選挙後に突然組むことも不自然。参院選までそういう状況が続くのではないか。
しかし、もしそういう少数与党内閣になると、非常に不安定な政治になる。かつて小渕政権で自民党幹事長だった野中広務氏は、「ひれ伏してでも」と言って、自由党(当時、小沢一郎氏が新進党解党後に結成した党)、さらに公明党との連立をまとめたことがあった。(当時は自民、公明それぞれに連立に否定的な声が強く、最初は「自自公連立」として発足した。)今回もやがては、新しい連立枠組成立(あるいは自民党分裂、政権交代など)が起きて来るもんじゃないだろうか。
2025年の通常国会は、参院選が控えている関係で大幅延長が不可能だ。従って、予算成立後は政治資金規正法の再改正など以外はなかなか懸案に取り組むのは難しいだろう。そうなると、野党が不信任案を出すのは確実で、過半数を持ってない以上、不信任案が通ってしまう可能性がある。その場合石破首相は総辞職ではなく、衆議院を解散するだろう。ほぼ半年ちょっとしか経ってないけど、衆参同日選になるかもしれない。1980年の大平内閣、1986年の中曽根内閣以来となるし、あまり望ましくないと思うんだけど、止むを得ない場合は許されるだろう。
そういうこともあるかもという想定で、それまでに突然石破首相が辞めちゃうかもしれないし、どうなるかは読みきれない。取りあえず、国民民主党も維新も連立に加わりそうもなく、逆に立憲と組む可能性もないようだ。となると、こうなるのかなという話。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます