2024年の衆議院選挙が行われ、まさに今開票中である。テレビの開票速報では、「自公の過半数は微妙」と報じている。まあ、その結果がどうなるかは明日朝までには判明する。結果の分析、そして今後どのように政治が動いていくかは明日以後に考えていきたい。今日はお休みにしようかと思っていたのだが、そう言えば書こうと思って忘れていたことがあったなと思い出した。
それは日本が「選挙が一ヶ月で出来てしまう国」だということである。もっとも選挙運動期間が短すぎると思っているのだが、それはそれとして、首相が表明して一月も経たずに全国で選挙が可能になった。選挙期間に支持者どうしの衝突などもない。自民党本部に突っ込んだ車があったが、大きな騒乱にならなかった。27日の投開票日には、投票所、開票所に予定される公民館、学校、体育館などに予定が入っていたケースが多かったという。スポーツ、文化行事が多い時期だから、多くの人に影響しただろう。
それにしても、1億人ほどの有権者の半数以上が投票する。それが夜だけで開票出来るのである。諸外国に比べても、このスピードは半端ない。直接開票作業を担当する地方公務員の人々には、大きな負担だろう。そういう苦労をしている人がいて、初めて日本の民主主義が成り立っている。だけど、公務員の人々が頑張っているだけではない。特にいつの頃からか、投票用紙が大きく変わった。書きやすくて折りやすいが、箱に入れるとすぐに開くという。そんな素晴らしい用紙なんだけど、これは何だろう?
調べてみるとこれは「ユポ」という紙である。株式会社ユポ・コーポレーションの登録商標。そんな会社は知らないと言う人が多いだろう。三菱ケミカルと王子製紙が5割ずつ出資する会社である。独自に開発された合成紙で、プラスチックフィルムの一種。ポリプロピレン樹脂と、目では識別できないほど細かくした「無機充填材」を混ぜて作られているという。(ハフポスト日本版編集部の記事による。)あれがツルツルしているのは、普通の意味の紙じゃなかったからなのである。そして、選挙ポスターもユポ。(名前の由来は、三菱ケミカルの当時の社名「三菱油化」の油化とペーパー、王子製紙の頭文字を組み合わせたものだという。
いや、これは知らなかった。いつ選挙になるか判らないから、ある程度ストックしてあるらしいが、こういう「選挙の道具」を支える会社があっての「一ヶ月選挙」なのである。また、ポスター掲示板の製造、設置もあっという間に進んで凄いなと思った。特に東京は知事選が終わって3ヶ月ほどでまた設置したわけで、大変だっただろう。
開票作業は粛々と進んでいき、開票結果に疑いはない。いや、時々不審票があって処理が問題になる。票数が合わなくて無理やり辻褄合わせをする事件が起きている。だけど、政権が命令して票数を不正に操作するなんてことは起きない。開票作業も見ることが出来るし、結果はその地区の選挙管理委員会のホームページに公表される。それを見れば、ここ10数年ほどの選挙結果は調べることが出来る。どの党が勝つかももちろん大切なんだけど、選挙というシステムを支える多くの人がきちんと働いていること。それを認識することも大事だと思う。
上の2枚目の画像は都知事選の新宿区の開票風景。探すと「リハーサル」の画像もあった。そうかリハーサルしているんだ。まあ学校でも卒業式の予行練習とかしてるのと同様だろう。失敗が許されないものは、手順を確認する必要がある。そうやって今開票しているわけで、比例区もあるし、最高裁裁判官国民審査もあるから大変な仕事だ。終わったらゆっくり休んで欲しいと思う。
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