prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「ブルークラッシュ」

2003年05月31日 | 映画
映画本編よりメイキングの方が面白そう。サーフィンとその撮影技術がまず見もの。あとストーリー的にはほとんど見るとこなし。 ヒロインが一度失敗していて、それを克服して大会に出るわけだが、本番になってもびくびくしているというのはまずくないか。本番の前(テレビでは見られないところ)に克服しておかなくてはいけないはずだ。
(☆☆☆)


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「あずみ」

2003年05月28日 | 映画
刺客として育てられたのなら、誰が何のために人を殺させようとするのかという疑問を持つドラマにならないとおかしいと思うのだが、相手によって平気で殺したり、やたら悩んだり、どこが違うのかまったく押さえておらず、御都合主義から一歩も出ないで終わってしまう。

役者も演出も人が人を殺す凄みや重さがてんで出ていない。視覚的などぎつさにしかならない。斬る数増やしたからって、迫力が増すわけじゃないんだ。

上戸彩は立回り頑張っているものの、動きをピックアップしながら決めポーズをつないでいく半分アニメみたいな演出。いやな予感はあったのだが、予告編でやっていたぐるぐる縦に回りこむ遊園地の遊具みたいな動きのカットが一番よくて、それに匹敵するカットがない。
「魔界転生」もそうだが、いかにも続編を作りたそう。
(☆☆)


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「ナショナル・セキュリティ」

2003年05月25日 | 映画
予告編だと警官ではなく警備員のコンビが活躍するアクションものというのでちょっと期待したのだが、二人とも警官崩れで、ラスト警官に復帰するしで、あまり新味がない。警備員だから行動に制限が出るのかと思うと、やたらどかどか銃を撃つのも型通りだし。アメリカ映画で小味で面白いのは本当に減った。
(☆☆★★)


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「ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔」

2003年05月21日 | 映画
見ている間、原作が第2次大戦をはさんで書かれたものだということがしきりと頭をかすめた。強い者が主人公ではないこと、指輪を獲得しに行くのではなく捨てに行く物語であること、サムが「明るい結末はない」とラスト近くで呟くように、悪者をやっつけて終わりというよくある安直なファンタジーの対極にある。権力がもたらす狂気を常に念頭にあるとともに、それを打倒する勢力についても疑念を持っている。 スケールの大きさは肝が潰れるばかり。CG技術はまことに日進月歩で、第3作ではどうなるのか。
(☆☆☆★★)


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「魔界転生」

2003年05月18日 | 映画
“魔界の者”っていうのは、言ってみれば生前の意思を持ったゾンビなのだが、困ったことに作った術者の意思と関係なく勝手に動くわけで、総体としての作戦、一貫したストーリーというのがまるでない。

徳川を滅ぼしたければ、将軍のそばの人間に取りついて殺した方が早くないか。だからずいぶんとっちらかったオールスター映画、それも役者というより歴史上の人物の人気に頼ったスター映画という妙なものになっている。どうやって転生させるのかという具体的な手順の描写が抜けているのは大きな手落ち。だからますます筋がつかみにくい。

結局一番感心したのは、家康“誕生”シーンということになる。体制を作った者が体制を壊そうとする飛躍と、女の首の横から老人が産まれる(「マニトウ」か)飛躍がうまく重なった。場の設定は深作版(まじめに見ていないが)とまるで変えている。
(☆☆)


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「ボイス」

2003年05月13日 | 映画
まず、製作会社がToilet Picturesというのだから、一瞬ギャグかと思った。監督の名前の読みの同音異義語から来ているっていうけど普通つけるか? 回想シーンが多い上、馴染みのない役者ばかりなのでときどき筋が混乱する。壁に埋め込まれていた死体と携帯(ポケベルだったか)の組み合わせは、刑事コロンボにあった。元はポーの「黒猫」だろうが。 音がやたらバカでかいのが続くのは飽きる。子供が階段から転落するのをもろに見せるとか、韓国映画はけっこうどぎつい。
(☆☆★★★)


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「ひとりね」

2003年05月10日 | 映画
すずきじゅんいち監督が夫人の榊原るみを主演に撮ったというだけで一種の猥褻さを感じる。
皺をはっきり写すところや、登場人物の妄想が随所に現れるあたり、暗示やかけひきの領域に猥褻さを孕ませるのが作品自体のモチーフになっている。ちょっと谷崎の「鍵」みたい。ビデオ撮りだろうが、白黒(パートカラー)なのが、暗示力を膨らませている。米倉斉加年が笠智衆と発音が似ていると思ったが、考えてみると同じ九州出身。
(☆☆★★★)


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「星に願いを」

2003年05月09日 | 映画
香港映画「星願」のリメークってことになっているけど、それ以前に「幽霊紐育を歩く」とそのリメーク「天国から来たチャンピオン」と良く似た話。

違うのは、主人公が死ぬ前から彼女に恋しているというところ。観客から見ると同じなのに、死んだ後の姿が劇中の人物にとっては生前とは違うってところは、原典同様なかなか呑み込みにくい。

あと、神様とか天国とかの伝統が薄い国では、何の力で死んでもあの世に行かないで済むのかというところが弱い。
主人公がいくら死んでいるとはいえ、彼女がどう思うか想像しないでかなり非常識な行動をとるのはひっかかる。國村準にぶん殴られるところが痛快に見えてしまうのは本当は困るはず。
(☆☆★★★)


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「デアデビル」

2003年05月07日 | 映画
「バットマン」からか、アメコミ原作ものもノーテンキなのからダークなのが増えたが、これもそう。盲目という設定も、最初聖パトリック教会のステンドグラスにデアデビルの血が滴り、誰が血を流させたのかという謎かけから入っていく出だしからしてあまりヒロイックではない。そのくせビジュアルはやたらめぐるましい。

聴覚が異常に発達していてコウモリみたいに音で動きをつかむので大きな
音に弱いはずが、銃撃戦や爆発のそばにいて平気というのは変。サウンドデザイン(スタッフロールで割と大きく扱われている)は見事で、DVDが出たらオーディオマニアがチェックしそう。

香港のスタントチームが参加しているが、最近増えてきたせいかアメリカナイズされてきたせいか、あまり新味はない。
(☆☆★★★)


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