ジム・シェリダン監督の作品としては、子供を主人公にしている分、一番親しみやすい。役の姉妹が本物の姉妹だと後で知り、なるほどと思う。
死んだ男の子のフランキーが下の子が描いた絵の中では、なぜかスカートをはいていたみたい。穿って考えると、両性具有の妖精ってニュアンスもあるのではないか。エンド・タイトルで“フランキーの思い出に”と献辞が出るが、実際には子供ではなく監督の死んだ弟だという。
初めの方から満月を割と目立つように撮っているな、と思って見ていると劇中映画で「E.T.」の満月の前を自転車が飛ぶ有名なカットが出てきて、ラストもどーんと満月のアップ。これも子供の語りという形式とともにファンタジックなニュアンスを出している。
一方でビンボーリアリズムも堂に入っている。小金や借金の話が多いのは、ちょっと成瀬己喜男みたい。劇中映画とすると、もう一つ「怒りの葡萄」がテレビで流れている。アイルランドにこだわったジョン・フォードの作品ということと、貧乏人の一家の物語という共通点からだろう。
シェリダンも相変わらずアイルランドにこだわっていて、全編ニューヨークの話だというのにダブリンのスタジオでも撮っている。
(☆☆☆★★)
本ホームページ
死んだ男の子のフランキーが下の子が描いた絵の中では、なぜかスカートをはいていたみたい。穿って考えると、両性具有の妖精ってニュアンスもあるのではないか。エンド・タイトルで“フランキーの思い出に”と献辞が出るが、実際には子供ではなく監督の死んだ弟だという。
初めの方から満月を割と目立つように撮っているな、と思って見ていると劇中映画で「E.T.」の満月の前を自転車が飛ぶ有名なカットが出てきて、ラストもどーんと満月のアップ。これも子供の語りという形式とともにファンタジックなニュアンスを出している。
一方でビンボーリアリズムも堂に入っている。小金や借金の話が多いのは、ちょっと成瀬己喜男みたい。劇中映画とすると、もう一つ「怒りの葡萄」がテレビで流れている。アイルランドにこだわったジョン・フォードの作品ということと、貧乏人の一家の物語という共通点からだろう。
シェリダンも相変わらずアイルランドにこだわっていて、全編ニューヨークの話だというのにダブリンのスタジオでも撮っている。
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