prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「メン・イン・ブラック3」

2016年08月31日 | 映画
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズ同様に三作目で過去に行き、アポロ計画に未来人が絡むという趣向が面白い。黒服の男が宇宙人を見た記憶を消してまわっているという都市伝説自体、相当に古い(UFOの目撃情報が増えた←飛行物体が増えた+冷戦の恐怖)ものだけに相性がいいみたい。

ジェフ・ブローリンは別にトミー・リー・ジョーンズと似ていないのに若い時の役をやってしっくりくる。父親のジェームズ・ブローリンはクラーク・ゲーブルの役をやるという無謀なことをしてあまり上手くいってなかったが。

メン・イン・ブラック3 [DVD]
クリエーター情報なし
角川書店

8月30日(火)のつぶやき その2

2016年08月31日 | Weblog

8月30日(火)のつぶやき その1

2016年08月31日 | Weblog

「花芯」

2016年08月30日 | 映画
冒頭から後の夫を含めて男たちがヒロインに対して「純潔」を守っているのを尊重するかのような発言を重ねるのがなんともこっけいで、ヒロインならずとも笑ってしまう。

周囲の男たち(母や妹も)が頭で考えた「女」のイメージに縛られてジタバタしているのを後目に、すーっと肉体から先行して行ってしまうわけで、そのあたりが原作の瀬戸内寂聴が「子宮作家」なんて呼ばれた所以なのかもしれない。
ことごとしく女は子宮で考えるなどというまでもなく、また敗戦で解放されたといった事情とは関係なく普通にそう振る舞っている

キスしているヒロインの下駄をはいた爪先が反っているのを捉えたオープニングから、何度も浮世絵のように反った爪先が繰り返される。ルーティンといえばいえるが効果的。
ヌードやセックス描写がAVとは違うロマン・ポルノ的なテイスト。

構図や照明など端正な画作りで、おそろくロケセットでまかなったのだろうから重厚感は薄いが見応えあり。
(☆☆☆★)

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映画『花芯』 - シネマトゥデイ

8月29日(月)のつぶやき

2016年08月30日 | Weblog

「ニュースの真相」

2016年08月29日 | 映画
同じロバート・レッドフォードが主演していても「大統領の陰謀」のようなジャーナリズムの勝利といった調子にはまったくならない。

それだけ権力側のメディアに対する対応法が発達したこともあるだろうし、レッドフォード自身「大統領…」は主人公の二人の記者を英雄として描きすぎたという反省の弁を述べていたように、ジャーナリズムそのものの立ち位置が複雑になりすぎて単純に権力を撃てばいいというわけにいかなくなっているのだろう。

報道で事実を報道して真実に迫る際、厄介なのは完全無欠にそれが事実であると証明するのはまず不可能だということ。
何かしら不十分な箇所を指摘したり揚げ足とりをしたり、時には報道した人間や機関の信用性の方を毀損したり、あるいは偽情報をつかませて後で暴露するといった反撃は簡単にできるのであり、立証責任をジャーナリズム側が一方的に負うとなると、これはどうしたって不利。

末梢的な批判や論点そらしなど、ネガティヴな方に引っ張っていく方が元から有利なのであって、とにかくムダな情報を流して話をそらしてしまうのに追われてブッシュが軍の義務をきちんと果たしたのかという核心部分がお留守になってしまう様子がありありと描かれている。

その話をそらす手口をケント・ブランシェット扮するメアリー・メイプスがきちんと言葉にするのがクライマックスになっていて、そこからメディアに対するリテラシーを汲むべきなのだろう。

それほど描き込んでいないが、この当時はそれほど大きな影響力を持っていなかった(というよりこの事件で影響力が認識された)ネットメディアがさらに発達した分、既成の「権威」とそれに見合った「責任」のあるメディアはさらに後退している。

「CBSドキュメント」(60ミニッツ)は前はTBS系列で深夜にせよ放映していたのを楽しみにしていたのだが、ああいう進取の気質があって商業的にも成功した報道番組というのはおよそ先細りになっている。新鮮なネタを取るにせよていねいに裏付け取材するにせよそれだけ手間つまり費用がかかるから経済原則からすると不利だからだ。
(☆☆☆★)

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8月28日(日)のつぶやき

2016年08月29日 | Weblog

「ロバート・アルトマン ハリウッドに最も嫌われ、そして愛された男 」

2016年08月28日 | 映画
改めて一気に振り返ると、ずいぶん作品数が多いのに気付く。

初めはテレビ出身で、ヒッチコック劇場なども演出し、劇場用映画としては「宇宙大征服」なんて後年から見ると彼らしくない映画(管制官がロバート・デュバル。若いっ)から、まあ実にいろいろなジャンルにまたがる、しかしジャンル・ムービーに収まらない映画を作ってきた。

興行的に低迷している時期は舞台演出を手掛け、それをまた映画化するといった調子。
一から立ちあげるというより元からあるもののアレンジや味付けにオリジナリティを見せることが多いと思える。

アメリカでは仕事がないのでヨーロッパに行ってそこでまたしたたかに作品を作り続けるのもタフ。

「M☆A☆S☆H マッシュ」にしても予め書かれたシナリオがあったわけだし、脚本のジョーン・テュークスベリーや助監督・脚本のアラン・ルドルフ、ヴィルモス・スィグモンドを初めとするカメラマンなど周囲の才能をうまく取り込んできたというとだろう。

ハリウッドに復帰した「ザ・プレイヤー」もプロデューサーのデヴィッド・ブラウンの方から「これができるのは君だけだ」と褒めているようで微妙な誘いで作られたのがわかる。

映画監督という他人の協力なしではありえない表現者の仕事の仕方の例としていろいろ興味深い。


8月27日(土)のつぶやき

2016年08月28日 | Weblog

「ロマン・ポランスキー 初めての告白」

2016年08月27日 | 映画
冒頭、ポランスキーが生涯功労賞を授与される映画祭出席のため訪れたスイスで逮捕されてしまう、というのが出だし。
そこから50年来の友人のプロデューサー、アンドリュー・ブラウンズバーグがポランスキーの生い立ちを聞いていくのを軸にした構成になっている。

生まれは1932年のパリなのが間もなくポーランドに戻ったのがずいぶん後になってみると不運だったと思える。

ナチスによって母親が連行され収容所で殺されたという体験に始まり、シャロン・テートとの結婚とチャールズ・マンソン・ファミリーによる惨殺、未成年者との性行(法定強姦)による逮捕・投獄、エマニュエル・セニエとの57歳での結婚と実子誕生、と女性との関わりが自然と目に入ってくる。
連行された時、母親は妊娠中で、殺された時のテートもやはり妊娠中だったという暗合ぶり。
「ローズマリーの赤ちゃん」を撮るのは自然が芸術を模倣したようだと思わせる。





8月26日(金)のつぶやき

2016年08月27日 | Weblog

「シング・ストリート 未来へのうた」

2016年08月26日 | 映画
ヒロインが初登場で画面の奥でピンボケになっているあたりに、本当にたまたま近くにいたから寄っていく、という無造作な撮り方。
ここからしばらくはロマンスに話が転がっていくとは思えないくらい。

ヒロインがモデルになるには背が低すぎる、と言うところで、そういえばそうだなと思う。
手の届かないような存在みたいに思えた相手がだんだん身近になってくるのと対応しているのだろう。

ジョン・カーニー監督の作品は「ONCE ダブリンの街角で」も「はじまりのうた」も本当に普通に歌を歌っているところ自体が自然な力を持つ。自前のMTVを撮るという設定なのだが、いわゆるMTV調とは違う手作り感覚なのがよく、それでいていつの間にか音楽をやっている連中が恰好よくなっていく。

クライマックス、幻想シーンを巧みに導入して「バック・トゥ・ザ・フューチャー」ばりに派手めに盛り上げているのがこれまでになかった趣向。

ジャイアンばりのいじめっ子が実はいい奴になる扱いも気持ちいい。
世にも頭の固い校長先生はさすがに心根が変わるというのでは調子よすぎるのだが、これもうまくひっくり返している。

ラスト、朝だというのに明るい夜明けではなくて大雨は降るわ、でかい船に通せんぼされるわで、将来は決して甘いものではないのはありありとわかるのだけれど、それでも前に進み続ける力は強い。
(☆☆☆★★★)

シング・ストリート 未来へのうた|映画情報のぴあ映画生活

映画『シング・ストリート 未来へのうた』 - シネマトゥデイ

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8月25日(木)のつぶやき

2016年08月26日 | Weblog

「ジャングル・ブック」

2016年08月25日 | 映画
モーグリを演じる少年以外すべてCGというのをわざわざ広告でうたっていて、実際CG製の動物の毛並みから筋肉から骨格まで再現したであろう出来から、ジャングルと一致した光の当たり方から見事なもので、ここまでできるようになったかと思う。

一方で、そういう完全な人工世界で人間を排したジャングルの掟をうたうというのは根本的な矛盾ではないかという疑問がついに晴れなかった。
まあ、ディズニーランドですね。人工世界で幻想としての「自然」を違和感なく受け入れられるのだったらいいのだれど、どうも人がすべてを作れるといった傲慢が匂って、完全には入り込めなかった。

原作者のキップリングの体質としても、未開の地をロマンチックに描く裏に張り付いた西洋文明至上主義が感じられて、今どきこういうことやるかと思わせる。

動物で言葉を話すのと話さないのとの違いというのはどういう意味があるのだろうか。

クリストファー・ウォーケンがあまり映画では見せないミュージカル・タレントとしての面を声の出演で聞かせる。
(☆☆☆★)

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ジャングル・ブック|映画情報のぴあ映画生活

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8月24日(水)のつぶやき

2016年08月25日 | Weblog