山田洋次がSLの再生を追った初のテレビドキュメント。
寅さんが揶揄的に言った油にまみれた「労働者諸君」の姿がたっぷりと描かれる。
SLを全部解体して、部品を掃除して、ひびを修理し、また組み立てなおす。
東京タワーの建造記録で見られた、真っ赤に焼けたリベットをひとりが渡し、ひとりが受け取って穴にはめて固定し。反対側から叩いてつぶしてとめる、あるいは部品をわずかな隙間を通して組み立てる一連の作業のチームワークの美しさ。
日本の職人の腕と連帯感がSLとともによみがえったよう。
<音>がいい。SLというのは、生き物が呼吸しているようで、ささやいたり、咆哮したり、息をこらしたりする。
過去の技術者と現代の技術者が作業を通じて会話しているよう。
大陸で保存されていた「あじあ号」の保存されていた姿を見に行く。ひどく大きく背が高い動物のよう。
日本に戻ったとき、SLがトンネルを通ったり、鉄橋を渡ったりするのが、大地を爆走するSLしか見たことのない山田少年の目には絵本の中を走っているように見えた、というのが印象深い。
NHKスペシャル「復活~山田洋次・SLを撮る~」
チャンネル :総合
放送日 :2011年 7月16日(土)
放送時間 :午後9:00~午後10:15(75分)
ジャンル :ドキュメンタリー/教養>歴史・紀行
ドキュメンタリー/教養>ドキュメンタリー全般
趣味/教育>旅・釣り・アウトドア
番組HP: http://www.nhk.or.jp/special/
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「男はつらいよ」などで日本人の魂を描いてきた映画監督、山田洋次さんが、あしかけ3年間にわたってSL「C6120」の修復・復活を記録した、初テレビドキュメンタリー
「男はつらいよ」などで日本人の姿を描いてきた映画監督・山田洋次さんが、足かけ3年間にわたってSL「C6120」の修復・復活を記録した初のテレビドキュメンタリー。戦後は日本の復興の象徴であった「SL」。SL復活のドラマと、それを取り巻く人々の奮闘や情熱を描くことで、東日本大震災で打撃を受け、将来への不安を抱える現代日本人へ向けて、力強い復活へのエールを届けたいという思いがこめられた番組。
山田洋次, 【語り】吉永小百合 音楽 冨田勲
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