マイケル⋅ベイ監督と言ったら、マイケル・ベイです。
とにかく誇張した映像表現をどこまで徹底してえんえんと続けられるかという限界に挑み続ける。
トランスフォーマー⋅シリーズとは違ってCGがガッチャンガッチャンいうことはあまりないが、これまでにも増してカーチェイスを追いかける移動撮影がド派手で、特にドローンが縦横無尽に飛び回り、ジャンプした車の下を潜りさえする。
音楽というか音響が耳を弄するばかりだけれど、「トランス」ほど耳障りではなかったのは音自体のせいか再生装置がよくなったのか。
兄弟の強盗が銀行を襲い、追われて負傷した警官と女性の救急救命士を乗せた救急車を奪って警察の包囲網を突破する。
もちろん病院には行けないので、人質になった救命士が揺れる救急車の中の中でえんえんと負傷した警官の救命活動を行い、強盗も凶悪一方ではなく、警官が死んだら確実に終身刑だという理屈もあって救命作業に参加するのが呉越同舟的な面白さ。
あんなに手当てが遅れて大丈夫なのか、とか他の警官を山ほど殺してないか、というツッコミをするのはヤボに思える。
強盗二人組が濃淡の差はあれ結構感情移入の余地を残しているので(昔でいうグッド・バッドマンというのか)、捕まった方がいいのと逃げられるのいいのと、二重のハラハラが味わえる仕掛け。
ベイ映画としては臭い泣かせは割りと少ないので見やすい。
もとは2005年のデンマーク映画で、そのアメリカ版リメイクらしい。「ギルティ」のパターンですね。