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和歌山電鐵2270系「たま電車」~内外共に大きく変化した更新車両第3弾

2010-01-07 | 鉄道[近畿・その他私鉄等]

   
   

MAKIKYUは昨年夏に和歌山電鐵へ乗車した際、リニューアル車の第1弾「いちご電車」と第2弾「おもちゃ電車」に乗車する機会があったものの、その際には昨年登場した第3弾「たま電車」は運休日で乗車機会がなく、非常に気になっていたものでした。

そのため昨年夏の和歌山電鐵訪問時以来、機会があれば是非…と思っていたのですが、年末に和歌山を訪問して晴れて乗車する機会がありましたので、取り上げたいと思います。
(新年のご挨拶でも、この電車内の広告を載せていましたので、記事の登場を心待ちにしていた方も多かったと思います)

「たま」は和歌山電鐵貴志川線の終点・貴志駅に住み着いた三毛猫の事で、和歌山電鐵発足後は貴志駅長に任命されると共に、最近では乗客増に多大な貢献をしたとの事で、相次ぐ昇格人事ならぬ昇格猫事(?)が話題になるなど、鉄道に詳しくない和歌山周辺以外の方でも多くの人々に親しまれる有名な存在となっており、たま駅長の存在で和歌山電鐵という鉄道会社の存在を知ったという話もある程です。

「たま電車」はこの三毛猫・たまの様々な格好をしたイラスト(1編成2両で計101種類になる様です)が描かれ、内外のデザインは和歌山電鐵第1弾・第2弾のリニューアル電車をはじめ、両備グループ他社やJR九州グループなどのデザインでもお馴染みの某デザイナーが手がけていますが。

「たま」を車体の至る所に散りばめた装いの外観は、鉄道に興味を持っていない人でも、見れば気を引く程の存在ですが、その一方で車体形状自体は一部の窓が埋められている他は概ね原型を保っているのが特徴で、極力種車のデザインを生かしながら大胆なリニューアルを施す某デザイナーが手がけた近年の改装車両の傾向が強く現れています。

車内はあまりの強烈振りに驚いた第2弾の「おもちゃ電車」並み、或いはそれ以上と言っても良いほど大胆にリニューアルされており、木材を多用した内装や、和風の中にもモダンさを感じさせる雰囲気は某デザイナーならではと感じるものです。

座席は「おもちゃ電車」と同様に様々な形状をしたモノが設置され、2両それぞれで異なるなど、その凝り様は半端ではないですが、至る所に「たま」が描かれている事は勿論、猫の足をイメージした椅子の足などは、猫(たま)をイメージした列車らしいと感じたものです。

それに加え窓際に猫型のライトを設置したり、車端部分に「たま文庫」と称する猫関連の本を集めた本棚を設ける辺りなどは、一般的な鉄道車両では考えられない事で、挙句の果てにはベビーサークルに隣接して「たま駅長」の乗車スペース(ケージ)まで用意されるなど、その奇想天外ぶりは相当で、よく元南海電車の古参車をここまで…と感じたものです。

こんな電車ですので、MAKIKYUが和歌山→伊太祈曽(Idakiso)間(乗車した「たま電車」は終点貴志まで行かない伊太祈曽止めでした)で乗車した際には、余りに凄まじい車内の様子を観察している間に終点に到着してしまい、貴志まで乗り通してもあっという間では…と感じた程です。

しかもこれだけの車両にも関わらず、和歌山電鐵では観光向けの特別列車や優等列車などは全く運行しておらず、全列車が乗車券のみで利用可能な普通列車だけあり、「たま電車」は「いちご電車」「おもちゃ電車」といった他のリニューアル車両、それに南海時代の形態をほぼそのまま踏襲している車両などと共に、普通列車で乗車できる事も大いに評価できる事です。

また和歌山電鐵ではリニューアル車3種の運行予定をHPで公開すると共に、遠方からの訪問客向けにこれらのリニューアル車を土休日は優先的に運用する方針としているのも評価できる事で、その上和歌山は大阪市内から南海電車やJR(阪和線)で片道1時間程度と、その気になれば訪問も比較的容易(それでも首都圏にいるMAKIKYUにとっては、決して近場ではないのですが…)ですので、今後も貴志駅改装など話題が続く和歌山電鐵は再訪したいと感じたものですが、興味のある方は「たま電車」にも乗車してみては如何でしょうか?

写真は「たま電車」の外観と車内の様子です。

それにしてもこれだけ凄まじい車両を登場させてしまうと、残る非リニューアル車両を改装した際に、この車両に匹敵、或いはそれ以上の車両を登場させられるのかも気になってしまいます。

あと和歌山電鐵の「いちご電車」「おもちゃ電車」に関しては、以前「MAKIKYUのページ」で取り上げた記事もありますので、宜しかったらこちらも合わせてご覧頂けると幸いです。