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南海6200系電車(VVVF改造車)~首都圏では流行の改造も関西では…

2010-01-14 | 鉄道[近畿・スルッとKANSAI加盟社局]

 

先月MAKIKYUが関西を訪問した際には、観光列車「天空」乗車も兼ねて高野山を訪問した後、南海高野線の電車を乗り継いでなんばへ向かったのですが、その際には登場してからまだ日が浅く、現地では大きな注目を集めている6200系VVVF改造車にも遭遇したものでした。

6200系は1970年代~80年代にかけて製造され、車体長約20m・片側4扉ステンレス車体の高野線平坦区間向け通勤車両の中堅的存在です。

南海電車他形式の大半と同様に、ステンレス車両製造で定評のある某首都圏大手私鉄系列の車両製造メーカーで製造された事もあって、見た目の印象は何となく首都圏の私鉄電車を連想させる雰囲気があり、この事はほぼ同時期に類似した仕様で製造され、南海高野線と相互直通運転を行う泉北高速鉄道の3000系電車にも当てはまります。

しかし同じ線路を走る酷似した車両ながらも、泉北3000系は新形式導入によって代替廃車が進んでいるのに対し、南海6200系には新型車両導入や余剰による廃車が発生していないどころか、それよりもずっと古い1960年代製で片開き扉の6000系すら代替の気配がないなど、相互直通運転を行う南海と泉北両社車両の運命は対照的ですが、6200系はまだまだ使い続ける気がある様で、昨年になって大規模な更新工事を施行した編成が登場しています。

大規模な更新工事が施行されたのは6511編成(4両)で、車内は南海線を走る最新型の8000系レベルに改められると共に、ドア上のLED表示器や南海電車らしさを感じる独特な音色のドアチャイムの取り付けなど、近年各地の鉄道で行われているバリアフリー対応と共に、下回りを最新鋭のVVVFインバーター制御(IGBT)に取り替えているのが大きな特徴ですが、外観を見ると行先表示は既存の幕式のままであるなど、意外と識別し難い車両である点は要注意です。

近年更新工事と共に、下回りをVVVFインバーター制御に取り替える動きは、首都圏大手私鉄の中堅車両で良く見られるのですが、その一方で関西の他大手私鉄では内装更新をはじめ、座席配置や前面デザインなどを変えるほどの大規模な更新にも関わらず、下回りは既存のままという事例が多く、関西私鉄の更新車両にしては異色の存在と言えます。
(関西でも大手私鉄と異なり、大阪・神戸の地下鉄車両では下回りの取替えを伴う更新工事を施行した車両が多く走っているのですが…)

また南海電車は最新型の8000系が、車内に足を踏み入れるとどう見てもその雰囲気は首都圏の最新型を…という事で有名ですが、6200系も元々蛍光灯カバーが設けられていない上に、無地の質素な印象を受ける化粧板(日頃首都圏のコストダウン型電車に乗り慣れたMAKIKYUですら、貧相に感じてしまったものです)などを見ると、元々首都圏の電車に類似した雰囲気を受ける車両ですので、首都圏の電車に乗っている様な錯覚を感じたものでした。

ちなみにMAKIKYUがこの6200系VVVF改造車に乗車した際は、ブレーキ装置は既存のままという事もあり、橋本方に片開き扉の古参車6000系を2両従えた6両で運用されており、如何にも古めかしい車両という雰囲気を放つ車両と連結して走る姿は、非常にアンバランスなものでしたが、内装だけは質素な印象が否めない6200系VVVF改造車よりも、古参6000系(この車両も更新工事は以前に施行しており、ステンレス車体と共にこの事も長寿命の一因です)の方が…と感じてしまったのは皮肉なものです。
(それでも座席は無理に最新型と同様のモノに交換せず、既存のままなのは幸いで、この車両の製造メーカー近くを走る標準軌の関東某大手私鉄などとは大違いです)

今後もVVVF改造の進行やバリアフリー対応といった、時代のニーズに合わせた改造を経て6200系を使い続ける事自体は歓迎ですが、最新型と同レベルにするが故にグレードダウンと感じてしまう内装(化粧板)の交換だけは、何とかならないものかと感じてしまったものでした。

写真は6200系VVVF改造編成と、その車内の様子です。