先日日本国内バス事業最大手でもある西日本鉄道(西鉄)のHPにアクセスした所、ニュースリリースに「バス路線の見直しについて」といった告知(燃料代高騰や高速道路ETC1000円の影響などによる乗客減→赤字増大のため、一部路線の減便や廃止を行うというものです)と共に、「子会社の解散に関するお知らせ」が発表されていました。
記事タイトルだけ見るとさほど大事でもなさそうな雰囲気とはいえ、気になったので詳細を見ると、8月31日付けでの西日本車体工業の会社解散という衝撃的な内容です。
西日本車体工業は北九州市内に工場を構え、親会社の西鉄をはじめとするバス車両の車体製造を手がけるメーカーで、NSKや西工といった略称で呼ばれる事も多いですが、同社の車体を載せたバスは、関西以西では非常にポピュラーな存在です。
また近年では富士重工のバス車体製造撤退に関連し、富士重工に代わって日産ディーゼル製バスの標準車体になった事もあり、比較的新しい車両に限っては、首都圏や東北などの東日本でもポピュラーな存在になっていますので、お馴染みという方も多いかと思います。
しかしながら日産ディーゼルは近年、三菱ふそうバス製造との業務提携を行っている事はご存知の方も多いかと思いますが、業務提携の進展と共に今後西日本車体工業への車体発注を取り止める事となり、これによって西工の事業存続が困難になった事が解散理由として発表されています。
西日本車体工業が解散となれば、他に類を見ない独特な車両を次々と送り出してきた同社の車両が今後見られなくなり、ただでさえ車種整理や標準化が進み、最近車両面での面白みがなくなってきていると感じる日本国内のバスが尚更…という事になってしまいます。
今後の日本国内のバス事情は、西工の工場から海を隔てた隣国の様に、路線バス車両に関しては2強体制となってしまうのか、それとも観光バス車両などで進出している外国勢が、特殊用途(神奈中の連接バスTwin Linerなど)以外の路線車などにも進出してくるのかも気になる所ですが、時代の流れもあるとはいえ、日本中何処へ行っても同じ様なバスばかり…というのでは余りに寂しいものです。
写真は西日本車体工業製のバス(既公開記事で使用)です。