今日MAKIKYUは所用で東京都内へ出向いていたのですが、その際には少々足を伸ばして西武多摩川線にも乗車したものでした。
多摩川線はJR中央線と接続する武蔵境駅を起点に、府中市内の是政駅までの間を結ぶ路線で、西武鉄道の路線でありながらも他の西武各線とは接続しない路線としても知られており、西武で唯一JR中央線よりも南側を走る路線と言う点でも異色の存在です。
また全区間が単線であると共に、最近では起点の武蔵境駅こそ自動改札機が設置されたものの、それ以外の駅は未だに箱型の有人改札が残り、列車もワンマン運転を行っているなど、東京都心から比較的近いエリアを走る路線にも関わらず、近隣他線では見られない長閑さも興味深いものです。
この多摩川線では近年、101系と呼ばれる車両の一部がワンマン運転対応工事などを施行され、他路線から転用されて活躍を続けており、101系の中でも新101系と呼ばれ、前面形状や客室内の仕様等が異なる後期車以外が池袋線や新宿線などで姿を消してからは、101系が最後の活躍を続ける路線としても注目の存在でした。
しかしながら最近では新101系ですら3扉車という事も災いして新形式導入による淘汰対象となり、既に地方私鉄に移籍して第2の活躍を始めた車両も多数存在する他、廃車解体となった車両すら存在する程ですので、こんな状況で101系が西武線という第1線で活躍を続ける事自体が不思議な状況となっていました。
そのため武蔵境駅高架化完成~JR中央線との接続線再設置により、JR線を介して西武他線との車両入れ替えが可能になった事もあって、最近になって多摩川線用に装いを改め、改造を施した新101系が転用される事で101系を淘汰する事になり、多摩川線で最後の活躍をしている101系も徐々に退役に追い込まれるのですが、その中でも最後まで活躍を続けた編成も今日で営業運転を終了し、明日以降の多摩川線は新101系のみでの運行となります。
これによって101系が西武線での活躍を終えるだけでなく、同系をはじめ、701系など西武の初期高性能車ではお馴染みだった非貫通2枚窓で上部に細長い行先表示幕を装備したスタイルの車両も、西武線という第1線では全て姿を消す事になります。
お世辞にもスマートとは言い難いものの、独特なスタイルは西武線と聞くと真っ先に連想する程で、MAKIKYUが小さい頃はこのスタイルの電車がゴロゴロしていた事を考えると、一つの時代が終焉を迎えたとも言え、少々寂しいものです。
また多摩川線で101系に代わる存在となった新101系は、池袋線や新宿線などの他線で活躍する新101系とは異なり、真っ白な装いに改められていますので、多摩川線ではこれまた西武線という印象が強い「黄色い電車」も姿を消す事になり、メカニズム的には同等の電車にも関わらず、随分様変わりした印象を受けるものです。
今日で引退となる多摩川線の101系は、MAKIKYUも是政駅から途中の多磨駅まで乗車し、その後同駅で最後の活躍をしている様を収め、この記事で使用している写真も今日多磨駅で撮影したものですが、武蔵境方と是政方で異なる惜別のマークを付け、車体の痛み具合が目に見える状況などは、他大手私鉄などではもっと古い車両が多数活躍しているとはいえ、引退する車両ならでは…という雰囲気も感じたものでした。
101系最終日となった今日は平日にも関わらず、多くの人々が乗車や撮影に訪れ、鉄道ファンだけでなく一般客の中にも、黄色い電車をバックに記念撮影している姿を多数見かけるなど、沿線乗客からも愛される存在だった事を実感させられたものです。
今日限りで西武線という第1線では「非貫通2枚窓で上部に細長い行先表示幕を装備したスタイル」の電車は見納めとなりますが、地方私鉄に譲渡された車両では類似したスタイルの701系なども含め、第2の活躍を続ける車両もまだ健在で、こちらの末永い活躍にも期待したい所です。