先月下旬、MAKIKYUは日帰りで伊豆大島へ足を運ぶ機会があり、その際には東海汽船が運航する高速船「セブンアイランド」を往復利用したものでした。
セブンアイランドは東海汽船が運航する高速船の名称で、首都圏と伊豆大島を結ぶ航路をはじめ、更に神津島まで足を伸ばす航路なども存在しており、現在3艘の高速船が活躍しています。
3艘の高速船は一艘毎に「愛」「夢」「虹」と異なった名称が付けられているほか、各船毎に異なるカラフルな装いが施されているのも大きな特徴です。
3艘は設備的には大きな差異がない事も影響してか、どの時間の便にどの船が来るかは特定されておらず、他社のジェットフォイル就航航路と同様に、乗りたい船に当たるか否かは運次第です。
MAKIKYUが伊豆大島へ足を運んだ際には、久里浜港発着便を利用したのですが、東京(竹芝)から乗船するよりも運賃・所要時間両面で大幅に優位な反面、セブンアイランドが久里浜港に寄港するのは不定期なのは惜しい限りです。
MAKIKYUがセブンアイランドを利用した日は、東京~神津島間を1往復する便を区間利用する形態となり、必然的に往復で同じ船に乗船する事になるのですが、もう1艘は東京~大島間往復と、間合いで大島~熱海間を2往復、1艘はお休みとなります。
(そのため東京発着で当日中に往復利用する場合、片道だけ久里浜寄港便に乗船すれば、往復で異なる船舶に乗船する事も可能な状況でした)
MAKIKYUはどの船に当たっても…と思いながらも、乗船便にどの船がやって来るかは気になったもので、当日久里浜港(フェリーターミナル)へ足を運ぶと、本日の就航船「セブンアイランド 夢」という掲出があり、乗船券(乗船時に半券・下船時に残りを回収されますので、手元に残らないのは残念です)にも便名脇に「夢」と乗船する船舶名が記されていたのは意外でした。
(乗船券画像の氏名表記部分は塗消加工しています)
ちなみにMAKIKYUの乗船日に就航していたもう1艘の高速船は、「セブンアイランド 愛」で、どちらかと言うと女性受けしそうな装いいう雰囲気ですが、こちらも大島・元町港で姿を見る事が出来ました。
このセブンアイランドは、幾種も存在する高速船の中でも、ジェットフォイルと呼ばれる船舶で、見た目は韓国旅行でお馴染みのJR九州高速船「BEETLE」などと同一の機種(ボーイング929)、ほぼ「BEETLE」の色違いと言っても過言ではありません。
ジェットフォイルは開発したボーイング製と、後にライセンス移管された川崎重工製の双方が存在しており、ボーイングも700番台の機種ばかりでなく、もっと929を普及させて欲しいものですが、セブンアイランドは各船共にジェットフォイルの中では比較的初期に製造された中古船(ジェットフォイルは就航後他社に売却される事例が多く、むしろ当初からずっと福岡~釜山間を就航している「ビートル2世」などの方が稀な位です)を改装しており、セブンアイランドは現在船体に就航10周年ロゴを掲出しているものの、船体自体は就航20周年を迎えた「BEETLE」よりも古参格です。
ジェットフォイルは国内では「BEETLE」やセブンアイランドの他にも、佐渡島や種子島へ向かう航路などにも就航していますが、MAKIKYUが今までに乗船した事があるジェットフォイルは殆ど「BEETLE」(旧ジェビを含む)、あとは「KOBEE」に1度乗船しただけですので、ジェットフォイルは「海外旅行の際に利用する乗り物」という印象が強く、久里浜と言う近場で乗船するのは少々違和感があります。
(余談ながらMAKIKYUは「BEETLE」などの福岡~釜山航路には、往復合計で12回程乗船していますが、旅行以外で首都圏を離れた事はなく、現住地は神奈川県横浜市です)
久里浜では不定期寄港と言う事もあってか、常設窓口も設置しておらず、金谷行東京湾フェリーのターミナル建屋入口付近に机とPC・プリンターを設置して乗船券発券を行っており、乗り場も東京湾フェリーの海側・普段は柵で仕切られて立入出来ない区域を発着します。
乗船時間が近づくと、普段は一般者が立ち入る事がまずない柵の内側へ係員が案内されて乗船となるなど、寄港が常態化しつつあるとは言ってもイレギュラー航路らしい有様です。
久里浜からだと伊豆大島までは片道僅か1時間、それでいて所要時間が長過ぎる大型船舶並の運賃で大島へ足を運べますので、個人的には運賃の割高な東京(竹芝)航路を削減してでも、久里浜航路を定期運行化して欲しいと感じるものです。
(久里浜航路を定期化&竹芝航路削減を行えば、所要時間短縮によって船舶の有効活用&首都圏~大島間のジェットフォイル増便による利便性向上も図れるかと思いますので…)
そしてジェットフォイル乗下船の際は、不定期寄港の久里浜港だけでなく、定期的にジェットフォイルが就航している大島元町港でも可動式
のタラップを使用し、2階建てとなっているジェットフォイルの、2階部分から上下船します。
MAKIKYUが乗り慣れた「BEETLE」では2階操縦室扉後方に客用扉自体が存在しておらず、1階前方からの上下船ですので、セブンアイランドはこんな所に扉が付いていたのか…と感心した程で、すっかり乗り慣れた感がある「BEETLE」とは随分勝手が異なると感じたものでした。
乗船後にネット上で調べたら、2階操縦室扉後方の客用扉はオプションで装備可能になっている模様で、どれも同じ様に見えるジェットフォイルも、こんな所で微妙な外見上の違い(他にも窓数の違いなどがあります)が出ますが、構造上は他に後部甲板からも上下船する事が可能な様です。
上下船の件は気になり、乗船中に係員に尋ねたら、「伊豆七島では岸壁の高い港が多いため」「他社では1階から上下船する事が多い様
ですが…」との事で、「BEETLE」の存在もきちんと把握していたのはさすが船舶業界の従事者と感心したものでした。
(MAKIKYUの近辺だと韓国へ足を運んだ事がある人間でも、「BEETLE」の存在自体を知らない人物も多く、知っていても韓国へ行くのに
「BEETLE」は…と言っている人物が多いのは残念な限りです)
船内の様子に関しても、近日中に別記事で追って取り上げたいと思います。