MAKIKYUのページ

MAKIKYUの公共交通を主体とした気紛れなページ。
初めてアクセスされた方はまず「このページについて」をご覧下さい。

東武バスセントラル・スカイツリーシャトル~専用車両も活躍する新路線

2012-06-22 | バス[首都圏]

先月都内では東京タワーを遥かに凌ぐ高さを誇る「東京スカイツリー」が遂にオープンとなり、ニュースなどでも盛んに報じられていますので、ご存知の方も多いかと思います。

今日はこの「東京スカイツリー」がオープンから丁度1月を迎え、事業主体となる東武グループの力の入れ様も並みならぬものがあります(慣れ親しんだ本線格路線や、その路線の某駅まで、スカイツリーの名称が入るのは賛否両論がある様ですが…)が、MAKIKYUは数日前、ようやくこの「とうきょうスカイツリー」がある墨田区の押上にスカイツリーオープン後初めて足を運ぶ機会があったものでした。

東京スカイツリー自体は、来月中頃まで完全予約制となっており、入場料も結構かかりますので、MAKIKYUが入場する機会は当分先になりそうですが、数日前に押上一帯を訪れた際には、スカイツリーを発着する東武バスグループ(東武バスセントラル)の「スカイツリーシャトル」に乗車する機会がありましたので、取り上げたいと思います。

スカイツリーシャトルは、東京スカイツリーやその一帯に整備された商業施設「東京ソラマチ」などと、上野駅の間をシャトル運行する路線バスで、停留所数は一般の路線バスより少なくなっています。

途中浅草雷門やTX浅草駅前などにも停留所が設けられ、スカイツリーを起終点として、ラケット状に循環運行するこの路線は、途中停留場での乗降も可能となっていますが、1周の所要時間は50分を越えており、比較的短い距離を走る路線にしては結構な時間を要します。

上野や浅草、押上周辺の一般路線バスは、主に都営バス(東京都交通局)が担っており、これに加えて一部京成バスグループが運行する状況ですので、幾らとうきょうスカイツリーの事業主体が東武グループとはいえ、今までエリア外だった上野や押上に突如東武バスグループの一般路線が走り出す事自体が異例です。

飛び地路線にもなりますので、それだけでも趣味的に注目の路線と言えますが、使用車両は既存の西新井車庫に所属していますので、都内の路線バスにしては結構な距離を回送しており、ダイヤを見たら途中での乗務員交代も頻繁に行っている様でした。


使用車両はいすゞ製の中型路線車を用いているのですが、運行開始当初は既存車両の改装で対応したものの、最近になって特別仕様の専用車両が導入されています。


一部便がこの特別仕様車での運行となっており、見るからに奇抜な外観は、非常に目を引くものです。

特別仕様車は、前側の一部を除く車両天井が透明(サンルーフ)になっており、スカイツリーへアクセスする乗客が、その道中からもスカイツリーの景観を楽しめる様に配慮されていますが、これに加えて側面窓も最近の新型路線バスで一般的な逆T字窓(窓の上部だけが僅かに開閉可能)ではなく、引違い式窓を採用して側面からの景観にも配慮しているのが特徴です。


ただスカイツリーをイメージした外装は、側面窓ガラスにも施されており、この部分も全く外が見えない状況ではないものの、やや外の展望を楽しむには不都合で、特に車内から外の景色を撮影する場合には、余り芳しくないと感じてしまうのは難点です。


またこの専用車両は、天井や側面窓以外にも、フローリングとなった床材、木製のスカイツリーシャトル銘板など、一般路線バスとは異なる特別仕様車ならではの特徴が幾つも見られますが、座席やつり革(吊り輪1つに付きビニール部分が2つあり、東北や北海道でよく見られる仕様です)などは比較的一般的な印象があり、近隣を走る都営バスの「夢の下町」に比べると、ややおとなしい車両とも感じたものです。


そして外国人を含む遠方からの観光客の利用も多いと想定される路線だけに、専ら地域内の通勤・通学などで用いられる生活交通路線とは異なり、多言語案内も必須となりますが、MAKIKYUが乗車した限りでは外国語による車内放送などを聞く事はなく、LCDモニターによる表示案内で対応していましたが、LCDモニターでは停留所案内だけでなく、浅草雷門到着前には浅草寺までの道程案内なども表示する辺りは、機能を有効に活用していると共に、観光客向けの配慮も感じられたものでした。
(ちなみに写真は東京スカイツリータウン出発前の表示ですが、漢字では「東京晴空塔城」と表示されているのも注目です)


とはいえ一般車両を改装した車両(写真・これに当たってしまうと個人的にはハズレです)に比べれば、断然特別仕様車に当たった方が有難く、運賃も200円(23区内都営バスの均一運賃と同額・東武バスの23区内均一運賃(210円)よりも安価です)と、一般路線バスと変わらない感覚で利用できる手頃な設定なのも嬉しいものですが、PASMOなどでの利用も可能なものの、バス特(バス利用特典サービス)のポイント付与対象外になっているのは惜しいものです。

このスカイツリーシャトルは上野方面とスカイツリーの間を結ぶ手段として有用なだけでなく、浅草と上野やスカイツリーの間を移動するにも便利で、専用車両が活躍する事も踏まえると、機会があればまた利用しても…と感じたものでした。

 
あと肝心の東京スカイツリーは、すぐ近くで見ると意外と高く感じない気もしました(高さはスカイツリーシャトルのナンバープレート番号と言われています)が、すぐ近くから見上げた様子と、少し離れた浅草・吾妻橋から撮影した様子(MAKIKYUがここからスカイツリーを撮影した際には、他にもスカイツリーを撮影している観光客などが多数見受けられる状況でした)も、おまけとして取り上げておきます。