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釜山交通公社 4000系電車~韓国初の新交通システム車両

2012-06-27 | 鉄道[大韓民国・広域電鉄/地下鉄等]

先日「MAKIKYUのページ」では、釜山交通公社4号線に関して取り上げましたが、韓国初の新交通システムとして開業した同線では、4000系と呼ばれる車両が活躍しており、まだ開業から日が浅い路線ですので、活躍する車両は同系のみとなっています。

4000系は内外共にブルー系統の色彩を多用しており、港町・釜山のイメージを強く印象付けるものですが、同線は日本の新交通システムで多い海沿いの埋立地などを走る路線ではなく、郊外の内陸部における交通利便性向上を目的に建設された路線で、雰囲気的に似合いそうな海沿いを走る区間が存在しないのは惜しい限りです。


この車両の外観は、前面を見ると中央に貫通路が存在してそうな雰囲気を受け、地下区間が半数を占める路線ともなれば当然と言う声も聞こえそうですが、釜山の地下鉄1号線や2号線の車両と同様に非貫通式となっています。

前面形状も影響してか、デザイン的にはやはり擬似貫通車となっている、日本の中京地区某大手私鉄の新型一部特別車車両を連想させるものがあります。


無人運転を行う路線だけあって、最前部からの展望も楽しめますが、非貫通式ながらも一枚窓などではなく擬似貫通式のデザインを採用している事もあってか、前面窓は3分割になっており、結構スマートな印象を受ける外見とは裏腹に、車内側の見栄えはイマイチといった感があります。

客室設備面でも、ドア上にLCDモニターによる案内装置が設置されている辺りは最新型らしい雰囲気ですが、日本の新交通システムでは採用例も多いクロスシートは採用されず、収容力重視のオールロングシートとなっている点は、元々地下鉄3号線の支線として計画した郊外の路線だけあると感じます。


座席の座り心地は、韓国の都市鉄道では一般的な「超薄超硬」で、個人的には日本の首都圏標準軌某大手私鉄で最近増殖しており、軟らか過ぎて「ブカブカ」した座席よりはマシとは言えども、余り良好な印象は受けませんが、全線乗り通しても30分もかからない乗車時間を考えると許容範囲と言った所です。
(さすがにソウル市中心部の地下鉄区間から、忠清南道まで広域電鉄の電車に乗り通すともなれば、長時間乗車に対応した座席の開発も考えた方が良い気もするのですが…)

韓国ではまだ走り始めて日が浅い新交通システムも、都市鉄道自体がまだ発展途上と言える韓国では、今後釜山に続く導入事例が出てくるのか気になる所ですが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方も釜山に足を運ぶ機会があれば、比較的容易に乗車できる路線ですので、是非一度乗車してみては如何でしょうか?