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釜山交通公社 4号線~韓国初の新交通システム

2012-06-24 | 鉄道[大韓民国・広域電鉄/地下鉄等]

先日「MAKIKYUのページ」では、昨年釜山で新たに開業した軽電鉄「釜山-金海軽電鉄」に関して取り上げましたが、昨年釜山ではこの軽電鉄以外にもう1路線新たな都市鉄道が開業しており、この新路線が釜山交通公社の4号線です。

4号線は釜山-金海軽電鉄よりも早い昨年3月に開業したものの、開業後にMAKIKYUが訪韓したのは今年2月だった事もあり、乗車したのも2月が初めてでした。

4号線は当初、起点駅の美南(Minam)駅で接続する地下鉄3号線の支線として建設予定だったものの、途中で計画が変更されて新交通システムとして建設される事になり、韓国初の新交通システムになっているのも大きな特徴で、郊外の機張(Gichang)郡に位置する安平駅までの10.8kmの間を運行しています。

新交通システムながらも、運営は既存の地下鉄1~3号線を運営する釜山交通公社が担っていますので、運賃も当然ながら既存地下鉄と共通の通し運賃となっており、地下鉄と通し運賃で乗車できる新交通システムと言う点では、大阪の南港一帯を走るニュートラムを連想させるものがあります。
(その上市内バスとの乗継制度が存在するとなれば尚更ですが、釜山ではをはじめとする韓国の各都市では、都市鉄道~市内バス乗継利用で運賃割引や通算などが適用されるのはICカード利用時のみ、現金乗車の場合は適用外ですので要注意です)


また当初は地下鉄3号線の支線として建設された事も影響しているのか、美南方の約半分の区間は地下線となっており、日本の新交通システムは高架線が大半を占めますので、4号線の地下区間に乗車していると、広島を走るアストラムラインの都心区間に乗車している様な印象を受けたものです。


アストラムラインと違って地下区間が結構長く、新交通システムながらも地下鉄と言って過言ではない路線とも言えますが、終点の安平方は地上に出て高架区間となりますので、「地下を走る新交通システム」と「高架線から眺める郊外の街並み」を一挙に楽しめます。


高架線となる郊外の街並みは、まだ開発途上のエリアが多く、釜山でも都心部から少し離れると結構長閑な所も…という印象を受けますが、一方で巨大なコンクリートの塊とも言えるアパート群(2~3階建て程度の建物が多い日本のアパートとは異なり、30階建て程度が当り前・団地と言った雰囲気です)なども散見でき、沿線は4号線開業で利便性が大きく向上していますので、今後様相が大きく変わる事かと思います。


設備的には日本の新交通システムに類似した印象があり、地下鉄などの都市鉄道では既存路線でもホームドア設置率の高い韓国の事ですので、当然ながら各駅共にスクリーンタイプのホームドアを完備し、無人自動運転となっているのも新交通システムでは当り前の光景です。

ただ韓国の大半の地下鉄と同様に右側通行となっており、車窓から眺める街並みや韓国語で流れる案内放送と共に、新幹線や大手私鉄も走る福岡からは僅か200km程度しか離れていない土地を走る路線ながらも、異国の路線である事を実感させられるものです。

韓国では昨年釜山でこの4号線(新交通システム)と軽電鉄と言う、今まで韓国内では存在しなかった新種の都市鉄道が相次いで開業し、趣味的に非常に興味深い存在であると共に、現在KORAILでも電鉄線の建設が進むなど、今後都市鉄道が充実発展する事が見込まれ、停滞はおろか衰退しているのでは…と感じてしまう近くの某島国の有様を見ると羨ましいものです。

あと4号線を走る車両に関しては、近日中に別記事で取り上げたいと思います。