先日「MAKIKYUのページ」では、広島県・生口島内などを走る本四バス開発の路線バスに関して取り上げましたが、生口島はしまなみ海道の架橋によって本土と陸続きになっているものの、しまなみ海道開通後も多数の航路が存在しています。
その一つで、MAKIKYUが因島→生口島間を移動する際に利用したのが、因島(金山)~生口島(赤崎)間を結ぶ三光汽船のフェリーで、同航路は正午前後の時間帯を除き、概ね20分間隔で運航していますので、利便性は比較的高いものです。
対岸が見えるほど近く、乗船時間が短い事もあり、客室設備などは簡素で最小限という雰囲気でしたが、旅客運賃は65円(大人片道)と激安なのも特徴で、日本国内の公共交通機関で、正規運賃に10円以下の端数が生じるというのも異色です。
フェリーですので自家用車などの車両積載にも対応しており、むしろ車での乗船客向けに運航していると言った雰囲気がありますが、高頻度で利用する旅客向けに回数券を設定し、「橋(道路通行料)より安い」事を盛んにPRしており、旅客(人)のみでの移動でも路線バスとフェリーを組み合わせると、因島(土生港)~生口島(瀬戸田)間を直通の路線バスで移動するのに比べ、運賃面や本数で優位に立つなど、結構健闘している印象があります。
ただ平日は結構な高頻度で運航しているものの、フェリー以外に架橋ルート(橋を通る路線バスや自家用車利用)が可能な事もあってか、休日は全面運休となり、観光などで因島や生口島を訪問し、対岸へ向かう場合には、日によっては利用できないのは惜しい限りで要注意です。
そしてMAKIKYUが生口島へ立ち寄った後は、瀬戸田港から三原へ向かう航路を利用したのですが、瀬戸田港は小規模でフェリーなどが発着できる設備ではない事もあり、同港発着航路は小型高速船となっています。
瀬戸田から本州方面は、一応フェリーの運航もあり、こちらの方が運賃面では優位なのですが、瀬戸田の発着港が瀬戸田港から少々離れた沢港(徒歩15~20分程度)となる上に、本州側も三原市内ながらも中心部から離れた須波港となります。
自家用車での移動であればこちらを利用する事になるのですが、公共交通機関での移動となると三原側の便も決して良いとは言い難く、割安なフェリー運賃も三原側の移動費を合わせると…という状況です。
また瀬戸田~三原間の小型高速船は、複数事業者による運航となっており、6時台~20時頃まで概ね毎時1~2便の運航がありますので、土地柄の割には至便な印象があります。
乗船時刻によって事前に乗船券を購入するか、船内で直接運賃を支払うかが分かれているのも特徴で、少々紛らわしく、どちらかで一本化するか、船内収受の船でも事前購入の乗船券が通用すれば…と感じます。
ちなみにMAKIKYUが乗船する時刻の便は、事前に自動販売機で乗船券を購入する方で、乗船した「シーホーク」は定員70名、大型バスよりやや大きめながらも、鉄道車両1両よりは…という水上バスといった雰囲気の船でした。
係員に乗船券を渡して乗船すると程なく出航、ダイヤ上は沢港を経由して三原港へ向かう便でしたが、沢港での乗船客が居ない事もあり、一旦沢港へ近づき停船したものの、着岸せずに一路三原港へ、実質的にノンストップと言っても過言ではない状況でした。
小回りが利く小型船で、ジェットフォイルの様な超高速ではないものの、40km/h以上は出る様で、途中では沢~須波間を航行するフェリーを追い抜くなど、高速船を名乗るだけあると感じ、三原港までの30分弱の航海はあっという間に感じたものでした。
MAKIKYUが乗船した瀬戸田~三原間高速船は800円、そしてしまなみ海道を通る路線バスも運行している瀬戸田~尾道間も、高速船は800円で乗船でき、尾道航路は運航本数が限られるものの、運賃面では路線バスより割安なのも大きなウリです。
晴れた日の昼間などは、瀬戸内海に浮かぶ数々の小島を眺めながらの景観も絶景で、生口島へのアクセスには、しまなみ海道によって本土と陸続きになった今日でも、ルートや時間帯次第では航路の利用価値も大きく、路線バスとの乗り比べも面白いのでは…と感じたものでした。