先月MAKIKYUは広島県・因島へ足ぶ機会があり、その際には因島から生口島へ向かう予定を立てていました。
因島で土生港の長崎桟橋に立ち寄った際には、生名(立石港)行きの上島町営フェリーが停泊している姿を目撃したもので、立石港は長崎桟橋からも直接肉眼で姿を捉える事が出来る程の至近距離にあります。
(写真は立石港から望む因島:中央付近に見えるやや大きめの建物が土生港フェリーターミナルです)
長崎桟橋~立石港間は所要時間も片道5分程度、運賃も片道70円と割安で、運航本数も毎時3本あるなど、因島からは比較的容易に足を運ぶ事ができます。
生名島が気になりましたので、当初足を運ぶ予定はなかったものの、急遽予定を変更して生名島へも足を運んだものでした。
乗船したフェリーは、瀬戸内海の短距離離島航路では良く見かけるタイプともいえる1階部分が空洞状態の船で、この部分が車両積載スペースとなっており、対岸では乗船時と逆の方向から乗降する事で、自家用車はバックする事無く乗下船できます。
客室は車両積載スペース脇に僅かに設けられた程度、短距離航路だけあって必要最小限といった雰囲気ですが、乗船時間の短さに加え、片道乗船では100円でお釣りが出るほどの安さを考えれば、これでも充分な気がしたものです。
ちなみに因島と生名島は、川か水路と言っても過言ではない程度の海峡を隔てただけながらも、生名島は愛媛県上島町ですので、至近距離を運航する短距離航路ながらも、県境を跨ぐ越境航路となります。
広島県と愛媛県と言うと、一応海上に県境が存在し、しまなみ海道架橋によって実質的に陸続きになっているとは言えども、日頃首都圏に身を置くMAKIKYUとしては、お隣同士という印象ではありませんので、こうもあっさりと両県境を跨ぐというのは…という気もします。
とはいえ上島町は愛媛県とは言えども、本土とは直接陸続きになっていない離島で、生活圏的には広島県方への依存度も高い様です。
上島町は現在生名島・佐島・弓削島の3島が架橋によって実質的に地続きとなっており、これに岩城島などを加えた地域で構成された自治体で、MAKIKYUが上島町を訪問した際には、上島町内を路線バスで移動した後、弓削島の上弓削港から家老渡フェリーを利用して因島へ戻ったものでした。
家老渡フェリーは長崎桟橋~立石港間の町営フェリーと似た様な船が就航しており、こちらも運賃は片道100円と割安ですが、町営フェリーに比べると本数も少なく、因島方の発着港(家老渡)も土生港などの中心部から少々離れているなど、上島町へのアクセスとしては、やや裏道的な雰囲気です。
家老渡フェリーの因島方乗り場近くを走る路線バスも、因の島運輸の島内路線が毎時1~2本程度と、公共交通を利用して移動する身としては、やや不便な印象が否めないのですが、上島町訪問で往復で異なるルートを利用できるという点では、利用価値があると感じたものです。
この上島町へのアクセスは、因島からの県境跨ぎとなる短距離両航路以外にも、三原や今治などからの高速船運航などもあります。
本土からの距離もさほど遠くないだけあって、上島町は非架橋離島にしては比較的至便に感じたものですが、再び訪問する機会があるならば、今回利用したフェリー以外の航路を使うのも…と感じたものでした。